まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 9月

2020-09-22 22:56:53 | 文庫のページ
新しく買った本
①『おひめさまになったワニ』 ローラ・エイミー・シュリッツ/ブライアン・フロッカ
                   中野玲奈 訳   福音館書店 2020.2
 勉強も縄跳びもお風呂もお休みして、1日だけでいいから、好きなことをしたいと思うコーラひめと、その願いをかなえてくれた愉快なワニの物語です。
 頭に茶色のモップを乗せ、ピンクのドレスを着てコーラひめになりきるワニが愉快です。そんなワニに散々な目にあう王さまやお妃やお世話係は気の毒ですが、3人はおかげでコーラひめの気持ちを理解できるようになり、めでたしめでたしです。
 一方コーラひめは、お城を抜け出して自然の中で遊び、好きなように時間を過ごすことの喜びをかみしめます。大好きなシュークリームをもらえてワニもご機嫌です。
 2014年にコルデコット賞を受賞したブライアンの動きのある絵は楽しく、すてきな絵物語です。低学年の人におすすめです。
②③『はりねずみのルーチカ ―絵本のなかの冒険―』上下 かんのゆうこ/北見葉胡 講談社 2016.5
2013年から始まった『はりねずみのルーチカ』シリーズの5巻目です。今年3月には10巻目(『はりねずみのルーチカ トゥーリのひみつ』)が出版されています。シリーズ本とは知らず、たまたま書店で見つけ、北見葉胡さんの鉛筆で描かれた優しいタッチの絵が素晴らしく、購入しました。
 フェリエの国に住むはりねずみのルーチカと仲間たちの冒険の物語です。ルーチカはもちろん、森の妖精の女の子のノッコも、もぐらのソルも、てんとうむしのニコも、少年トゥーリも、白猫と黒猫の双子の姉妹も、みんなとても個性的です。
 今回は、朧朧(ろうろう)国のルル姫とパンダのぱん郎が登場します。絵本に入り込んでしまったルル姫をさがすぱん郎と一緒に、ルーチカたちも巨大な怪物たちの住む絵本な中に出かけていきます。3日後にトロルと結婚させられるルル姫を無事助け出すことができるかどうか、小さなルーチカたちが巨大な怪物たちと戦う姿にはらはらさせられます。ルーチカの頭の上のりんごやトゥーリの笛やノッコのジャグリングの赤い玉など、みんなの持ち物がそれぞれに窮地を救います。ぱん朗のポシェットに入っていた桃の木の妖精のちいさな桃胡(ももこ)が素晴らしい力を発揮して、最後は見事にトロルをやっつけます。
 まよいの森の地図や桃胡語の50音図、桃胡の歌う「しあわせの花」の楽譜も載っています。物語をより楽しめる工夫がいっぱいです。
④『八月のひかり』 中島信子 汐文社 2019.7
 おかあさんと弟の勇希と3人で暮す美貴の夏休みの物語。
 足の悪い母がどんなに頑張って働いても生活は貧しく、5年生の美貴の夏休みは食事作りと洗濯、掃除、勇希の世話に追われる毎日です。電気代を節約するためテレビを消し、エアコンも寝る前の1時間だけと決めています。昼食はキャベツと人参だけの焼きそば、ひと玉を弟と二人で分けて食べます。弟はいつもお腹をすかせ、美貴だってお肉の入った焼きそばをお腹いっぱい食べたいと思うのです。体調を崩しても母は病院にも行けません。食費や光熱費を削っても貧しい、母子家庭の実態をリアルに描いていきます。ただそんな生活の中でもへこたれず、日々の小さな幸せを見つけては明るくふるまう美貴の健気さに救われます。
 最後のページに記された1行の言葉にはっとさせられます。「現代の日本では、17歳以下の子どもの7人に1人、およそ270万人が貧困状態にあります。」戦争中の食糧難とは違う現代の食糧難の実態を、広島の原爆の日の8月6日から終戦記念日の前日の14日までの8日間の物語として描いたところにも作者の強いメッセージを感じます。20年ぶりに書いた長編の児童文学です。
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レンゲの会

2020-09-22 22:20:25 | 文庫のページ
月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。残念ですが、今年度は会食なしで、行います。
レンゲの会 9月28日(月)10:00~13:00 大人向けおはなし会
時間はたっぷりとってありますので、どうぞ語りに来てください。聞きに来てください。
これからでもかまいませんので、語ってくださる方はお知らせください。

・おんちょろちょろ(日本の昔話)         松尾
・たのきゅう(日本の昔話)            高橋
・亀のこうらはひびだらけ(ブラジルの昔話)    佐藤
・さるの生肝(宮城の昔話)            桜井
・大どろぼうと王さま(インドの昔話)       武田
・世界でいちばんやかましい音(ベンジャミン・エルキン) 東海林
    —―― 休 憩 —――
・岩手三山(岩手の昔話)             笹森
・月の夜ざらし(宮城の昔話)           横江
・しずくの首かざり(ジョーン・エイキン)     若松
・縞男垢平(津谷タズ子)             佐々木
・りこうなおきさき(ルーマニアの昔話)      松尾

 次回 10月26日(月)10:00    田畑精一さんの絵本
 田畑さんは絵本だけでなく、幼年文学、児童文学のさし絵もたくさん描いています。
 お時間のある方は、田畑さんがさし絵を描いている古田足日さん、後藤竜二さん、灰谷健次郎さんの作品も手に取ってみてください。

《大人のコーヒーサロン》
10月14日(水)1:00~3:00  (月1回 第2水曜日)

 まだまだコロナ禍は終息していませんが、どうぞおしゃべりにいらしてください。コーヒーを用意してお待ちしています。
 9月は6人でおしゃべりを楽しみました。6月に来てくださった新聞社に勤める若い女性記者さんが再度来てくださって、話がいろいろに盛りあがりました。文集「なかま」42号に掲載した水野スウさんの講演会のこと、アーサー・ビナードさんとスズキコージさんの絵本のこと、かつおきんやさんの作品のことなど、本の話がいっぱい出ました。
 次回は11月11日(水)です。

《講演会のお知らせ》 仙台市民図書館主催 講演会 無料
    仙台手をつなぐ文庫の会 泉手をつなぐ文庫の会 仙台市子育てふれあいプラザのびすく泉中央 共催
     『みちのく妖怪ツアー』の世界へ  ~物語に込めた東北への想い~
       日時 2020年11月3日(祝・火)14:00~15:30
       会場 のびすく泉中央4階ホール(泉図書館併設)  定員80名(事前申込制)
       講師 堀米薫氏  佐々木ひとみ氏  野泉マヤ氏
    *文庫でまとめて申し込みをしますので、参加したい方は9月19日(土)までお知らせください。
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絵本の紹介

2020-09-22 17:53:30 | 文庫のページ
「月」の絵本を読んでみませんか!!
 今月は「つきとしこ」さんの詩を選びましたので「月」の絵本を紹介します。夜空に大きく輝く月を眺めながら、「月」の絵本も楽しんでください。
■『おつきさんこんばんは』 林明子 福音館書店
 暗い夜空にお月さまが顔を出す場面の色づかいが美しく感動的です。まん丸お月さまと屋根の上の2匹の猫の語らいが楽しいです。お月さまの表情も愉快です。
■『おやすみなさいおつきさま』 マーガレット・W・ブラウン/クレメント・ハード評論社
 お部屋にあるいろいろなものにおやすみのあいさつをして眠るうさぎの子。おつきさまにもおやすみなさい。
■『まんげつのよるまでまちなさい』 マーガレット・W・ブラウン/ガース・ウイリアムズ ペンギン社
 夜を見たいというあらいぐまの坊やに、お母さんはきまって言います。「まんげつになるまでまちなさい」。とうとう満月の夜。お母さんの言葉が良いです。
■『パパ、お月さまとって!』 エリック・カール 偕成社
 お月さまと遊びたいという娘のモニカのために、長い梯子を持って、お月さまのところまで行くすてきなお父さんの話。仕掛け絵本です。画面が広がって、大きな月が登場する場面は圧巻です。
■『14ひきのおつきみ』 いわむらかずお 童心社
 高い木の上にお月見台を作り、お団子や木の実をお供えして、お月さまが登ってくるのを待っている14匹のねずみの家族。大きなお月さまが印象的です。
■『つきのぼうや』 イブ・スパング・オルセン 福音館書店
 お月さまの言いつけで、空から地上へ降りていく月の坊やの冒険の話。月の坊やが持ち帰ったものにお月さまは大満足です。縦長の絵本です。
■『月夜のこどもたち』 ジャニス・メイ・アドレー/センダック 講談社
 月夜の庭で遊ぶ4人の子どもたち。センダックの絵が印象的です。見開き一杯に描かれるカラーのページが美しいです。月の光を浴びながら遊ぶ子どもたちの楽しそうな声が聞こえます。
■『きょうはそらにまるいつき』 荒井良二 偕成社
 空には大きな丸い月。その月を眺めるさまざまな人々の暮らしが絵を通して興味深く描かれています。「きょうはそらにまるいつき」の繰り返しが心地良く響きます。最後のページの、絵と言葉が感動的です。
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9月・10月の文庫の日

2020-09-22 17:35:17 | 文庫のページ
9月16日(水)
 4:00 おはなし「鳥になりたかったこぐまの話」 佐藤(ま)
 4:30 おりぞめ
9月19日(土)
 4:00 おはなし「お百姓とえんまさま」 中村
 4:30 おりぞめ
9月23日(水)
 4:00 おはなし「ちいちゃいちいちゃい」 松尾
 4:30 新聞紙のヨーヨー
9月26日(土)
 4:00 おはなし「三枚の羽」 武田
 4:30 おりがみ(たためる箱)
9月30日(水)
 4:00 おはなし「おんちょろちょろ」 松尾
 4:30 おりがみ(くす玉)
10月3日(土)
 3:45 特別おはなし会
 4:30 ①おりがみでミニバッグ ②クリスタルドロップ(しゃぼん玉)
10月7日(水)
 4:00 おはなし「お月さまの話」 武田
 4:30 紙テープのミニごま
10月10日(土)
 第2土曜日は
     文庫お休みです。

10月14日(水)
 4:00 おはなし「三びきのこぶた」 松尾
 4:30 フェルトのハートのバッグ
10月17日(土)
 4:00 おはなし「マメ子と魔物」 松尾
 4:30 フェルトのハートのバッグ
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文庫の43周年を祝って

2020-09-22 17:08:30 | 文庫のページ
 文庫を始めて43年!!
        -文庫は1977年10月1日にできましたー

 文庫を始めて43年になります。長く続けることができて、本当にうれしいです。9月末までの文庫の回数は3,339回です。4,000回はとても無理ですが、3,500回まではあと2年半ぐらいですので、もう少しがんばれば迎えることができるかもしれませんね。
 文庫ができた頃、仙台市には図書館が1館しかありませんでした。1990年代から図書館が増え、今は7館になりましたが、若林区はまだ1館です。歩いて行けるところに図書館がある人はまだ少ないです。子どもが歩いて行けるところにある文庫は、地域で子どもが本に出会える場所として大事な所です。昨年から子どもたちの利用はぐんと減少し、今年はコロナ禍でもっと厳しい状況に置かれていますが、もう少し続けていこうと思います。どうぞ、これからもご支援よろしくお願いします。
 毎年、10月にはおもちを食べて文庫のお祝い会をしていますが、今年はコロナ禍でおもちの会は中止しましたので、せめておはなし会と手作りを楽しんでいただけたらと思っています。お友だちを誘って遊びに来てください。大人の方もどうぞおいでください。
特別おはなし会 10月3日(土)3:45~4:30
 いつもより15分早く始めます。時間におくれないようにきてください。
 1.今月の詩「ひかるまんげつ」   2.詩とわらべうた  3.言葉遊びいろいろ
 4.おはなし 「だんなもだんな大だんなさま」「月を射る」他
 5.わらべうた   6.絵本    7.パネルシアター    など
手づくり 4:30~5:30
 ①おりがみでミニバッグ  ②クリスタルドロップ(しゃぼん玉)
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今月の詩 9月

2020-09-22 16:53:10 | 文庫のページ
遅くなりました。文庫だより9月16日号を載せます。
<今月の詩>
   ひかるまんげつ
           つきとしこ
 まだかなと みんなどきどき
 のはらでは つきまつこころ
 みちみちて そらをみあげる

 こねずみは ひげをぴこぴこ
 こだぬきは しっぽのていれ
 こうさぎは たんたかおどり
 こぎつねは でんぐりがえる

 しらぬまに ひがしのそらが
 ほんのりと ひかりはじめて
 しずしずと のぼるつきかげ

 こよい ひかる まんげつ
   (『のはらうたⅢ』 工藤直子 童話屋)

 9月になっても暑い日が続いていましたが、ここ数日は気温もぐんと下がり、涼しくなりました。夜になると虫たちの合唱もにぎやかです。
 今月は、つきとしこさんの詩を選びました。満月を待つ動物たちの心の高まりが豊かに伝わります。今年の十五夜は10月1日、満月は1日ずれて10月2日だそうです。楽しみです。
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