まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本② 8月

2020-08-25 18:55:54 | 文庫のページ
新しく買った本②
④『ポリぶくろ、1まい、すてた』
             ミランダ・ポール/エリザベス・ズーノン 藤田千枝訳 さ・え・ら書房 2019.2
 西アフリカのガンビアの小さな村ンジャウで、ポリぶくろのリサイクルに取り組んだ実在の女性、アイサトの物語。
 1980年代から90年代にかけて、アイサトの村でも捨てられたポリぶくろが路上にあふれ、村は汚れ、ポリぶくろを食べたヤギたちが命を落としていました。なんとかしなきゃと思ったアイサトは友だちに呼びかけて、ポリぶくろのリサイクルを考えます。捨てられたポリぶくろを洗って乾かし、細かく切ってひもにして、財布を編むのです。
 「ンジャウ・リサイクル・インカム推進グループ」を立ち上げたのは1998年、アイサトが26才の時です。今も活動は続けられ、2012年には「女性のための国際同盟」の「世界に変化をもたらした女性100人」に選ばれています。コラージュで描かれた絵が印象的です。使い古したポリぶくろもたくさん使われています。

⑤『はじまりはたき火 火と くらしてきたわたしたち 
               まつむらゆりこ/小林マキ 福音館書店 2020.1
 ずっと昔から私たちの生活のそばには火がありました。火によって私たちの生活がどんなふうに豊かになってきたか、その歴史的な歩みを、わかりやすく語っています。火が私たちにもたれしてくれたものの大きさを感じる一方、困った問題も起きていると言います。限りある自然環境の中で、どうやって地球全体を守っていくか、私たち一人ひとりにとって大きな課題であることを知らされます。最後に掲載されている「エネルギーとわたしたち」という作者の文章からも作者の強いメッセージを感じます。

⑥『科学者 レイチェル・カーソン』 小手鞠るい 理論社 1997.11
 『沈黙の春』や『センス・オブ・ワンダー』の著書を持つ科学者レイチェル・カーソンの伝記です。
 小手鞠さんはレイチェルのことを「重い病気と闘いながら、自分の人生に終わりが近いのを知りつつ、命をかけて『沈黙の春』を書きました。女性の科学者として生きるのが困難な時代に、科学者としての良心にささえられて、執筆をつづけた」と書いています。最後まで科学者であることに人生をささげた一人の女性の生きた姿を感動的に描いています。
 1992年からアメリカに住み、森を愛し、森の中で暮らす小手鞠さんだからこそ、レイチェルに寄せる思いも大きかったのだろうと思います。小手鞠さんの初期の作品です。
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新しく買った本① 8月

2020-08-19 16:51:53 | 文庫のページ
新しく買った本 その1
①『さくらがさくと』
 とうごうなりさ 福音館書店 2020.2
 駅に向かう川沿いの道の桜並木が舞台です。桜の花が芽吹き、満開になり、やがて散って、葉桜になり、緑の若葉を茂らせていく様子が美しく描かれています。優しい色づかいで桜色に染まるページが美しいです。
 その道を通る人々の朝の光景も興味深いです。急ぎ足のサラリーマンやОLのお姉さん、走って通り過ぎる高校生のお兄さん、ゆっくり歩く小学生の女の子など。
 桜の開花に気づいてやってくるのは、まず小鳥たち。そしてある朝、すずめが落とした桜の花に気づく小学生の女の子。頭の上は桜色に染まっているのにまだ人々は急ぎ足で駅に向かいます。桜が満開になり、やっと人々は桜を楽しみます。写真を撮ったり、お花見をしたり、夜桜を楽しんだり、やがて桜は散り、駅に向かう人々の朝の光景もいつもと同じになっていきます。
 そんな人々の動きが豊かに絵で語られていて、楽しめます。桜の季節に楽しみたい絵本です。
②『ねこと王さま』 ニック・シャラット作・絵 徳間書店 2019.12
 「うんがわるいこと」のせいで、お城も12人の召使も失ってしまった王さまと、ねこの愉快なお話。
 12人も召使がいたので、王さまの仕事しかしたことのない王さまは、ねこと一緒に暮らす中で、生きていくさまざまなことを一つずつ学んでいきます。
 ねこは人間の言葉を話すことはしませんが、文字を書くことができます。運転免許を持ち、王さまのお金の管理もします。よき友として王さまをささえるねこがなんとも頼もしいです。
 赤を基調としたセンスのよい絵がどのページにもあふれ、王さまとねこの繰り広げる愉快な生活の様子を豊かに語ってくれます。すてきな絵物語です。最後にうれしいおまけもついています。お隣のクロムウェルの奥さんが届けてくれた「ロイヤル・ショートブレッド」の作り方が詳しく載っています。
③『ゆりの木荘の子どもたち』 富安陽子/佐竹美保 講談社 2020.4
 100年以上前に建てられた立派な洋館「ゆりの木荘」は、今は4人のおばあさんと2人のおじいさんが住む「有料老人ホーム・ゆりの木荘」になっています。そこで起きた不思議な物語です。
 モリノさんとサクラさんはどちらも87歳のおばあさん。テラスでおしゃべりをしていると、サクラさんの耳に聞こえてきた手まり歌。どこかで聞いたことがあるような気がして、歌ってみると最後まで歌えてしまいます。いつの間にかサクラさんとモリノさんは10歳の子どもになっていて驚きます。ふたりだけでなく、ここに住む他のお年寄りも子どもに戻っています。いったいなぜ自分たちが子どもに戻ったのか、サクラさんたちの謎解きが始まります。
 子どものときのサクラさんとこのお屋敷の接点が次第に明かになっていくにつれ、緊張感が高まります。77年前の8月3日、時間は午後5時。それは何を意味するのか、「ゆりの木荘」にかけられた魔法とは何だったのか、その謎を解き明かすために、奮闘する子どもたちの物語です。
 さし絵は佐竹美保さん。表紙の絵が印象的です。
 老人ホームには6人のおじいさん、おばあさんが住んでいたはず。でも、表紙には5人の子どもしか描かれていません。その謎も、読後、納得できます。
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寄贈本 8月

2020-08-19 16:13:08 | 文庫のページ
寄贈本
ありがとうございます。
◆堀米薫さんからいただきました。
『みちのく妖怪ツアー ワークショップ編』
       佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫 作 東京モノノケ 絵 新日本出版社 2020.7
 『みちのく妖怪ツアー』のシリーズ3作目。今回は、東北6県のそれぞれの県を家族と一緒に訪れた子どもたちが「子どものための”地元体験”ワークショップ」に参加する話。おなじみの四角美佳(しかくみか)さんが登場します。
 今回もこわい妖怪に出会って姿を消す子どもたち。ただ最後の話に登場する、注連内(しめのうち)誠は、実は1作目に登場した高橋沙奈のいとこで、四角美佳の正体を見破り、これまで姿を消した子どもたちを取り返そうと、美佳たちに勇敢に立ち向かっていきます。
◆子どもの時文庫に来ていた川越あゆみさん(東京在住)からいただきました。
①『あおくんときいろちゃん』 レオ・レオーニ 至光社 国際版絵本2019
②『デブの国ノッポの国』 アンドレ・モロア作 長新太絵 辻昶訳 集英社 1994
    長さんのさし絵が良いです。
③『点子ちゃんとアントン』④『ふたりのロッテ』 エーリッヒ・ケストナー 池田香代子訳
    岩波少年文庫  池田香代子さんの新訳です。高橋健二さんの訳と比べて読むと楽しいです。
⑤『海底二万海里』⑥⑦『神秘の島』上下 ジュール・ベルヌ 清水正和訳 福音館書店
    『二年間の休暇』で知られるベルヌの作品です。どちらも大作です。時間のある時、挑戦してみてください。
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レンゲの会・大人のコーヒーサロン・お知らせ

2020-08-19 15:39:46 | 文庫のページ
レンゲの会
月1回、子どもの本についておしゃべりしています。どなたでも参加できます。
残念ですが、今年度は会食なしで、おこないます。
  8月31日(月) 10:00~13:00
  『ある晴れた夏の朝』 小手鞠るい(偕成社 2018)を取りあげます。
  時間のある方は、小説『アップルソング』(ポプラ社 2014)
  エッセイ『空から森が降ってくる』(平凡社 2019)も読んでみてください。
次回は 9月28日(月)10:00~ 大人向けおはなし会
 初めての方もおはなしを覚えて、どうぞ語ってみませんか。
 語ってくださる方は9月10日(木)まで、おはなしの題名をお知らせください。
 ふだん参加していない方もどうぞご参加下さい。

《大人のコーヒーサロン》
  
9月9日(水)1:00~3:00 (月1回 第2水曜日)

まだまだコロナ禍は収束していませんが、コーヒーサロンは開いていますので、どうぞおしゃべりにいらしてください。
コーヒーを用意してお待ちしています。
 次回は10月14日(水)です。

10月のおもちの会と子ども市は残念ですが、中止します!
今年はコロナ禍でいろいろなことが中止せざるを得なくて悔しいですね。
ブログで急きょお知らせしましたが、8月8日の夜のおはなし会も、申し訳なかったのですが中止しました。そして秋は子どもたちが楽しみにしているおもちの会や子ども市がありますが、今年は取りやめることにします。
子ども市は、約2ヶ月の間、週1回、お母さんたちに集まっていただいてお昼をはさんで長時間準備をするので、今の状況では準備のための集まりを持つことも難しいと判断しました。文庫にとっては、子ども市は大きな行事ですので、残念です。
でも、ふだんの文庫だけは開いていますので、どうぞ遊びに来てください。
文集「なかま」42号もやっとできましたので、どうぞもらってください。
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8月・9月の文庫の日

2020-08-19 14:57:47 | 文庫のページ
8月19日(水)
 4:00 おはなし「だんなもだんなも大だんなさま」「白い家の老人」 松尾
 4:30 クリスタルドロップ
8月22日(土)
 4:00 おはなし「死神の名付け親」 武田
 4:30 おりがみ(ひまわり)
8月26日(水)
 4:00 おはなし「おいしいおかゆ」 松尾
 4:30 紙テープのしおり
8月29日(土)
 4:00 おはなし「ルンペルシュティルツヒェン」 松尾
 4:30 紙テープのしおり
9月2日(水)
 4:00 お話「マメ子と魔物」 松尾
 4:30 びゅんびゅんごま
9月5日(水)
 4:00 おはなし「かにかにこそこそ」 武田
 4:30 びゅんびゅんごま
9月9日(水)
 4:00 おはなし「だめといわれてひっこむな」 松尾
 4:30 おりがみ(トトロ)
9月12日(土)
 第2土曜日は
    文庫お休みです

9月16日(水)
 4:00 おはなし「鳥になりたかったこぐまの話」 佐藤(ま)
 4:30 おりぞめ
9月19日(土)
 4:00 おはなし「お百姓とえんまさま」 中村
 4:30 おりぞめ
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今月の詩 8月

2020-08-19 14:28:31 | 文庫のページ
   きっとだよ
          すすきひろお
 すすきたちは
 にぎやかなのが すきです
 みんなでいっしょに てをふって
 あちこちながめて あそびます

 かぜと うたって
  みぎみて わいわいわい
 とんぼと おどって
  ひだりみて ゆらゆらゆ
 ありんこと おしゃべり
  したみて そよそよそよ
 そして うえみて・・・

 あ
 おひさまだ おひさまだ
 にしのそらを しずしずと
 おうちに かえるところだ

 すすきたちは
 おひさまも だいすきです

 もうかえるの? さびしいな
   みあげて さわさわさわ
 あしたまたね きっとだよ
   せのびして ふわふわふわ

 すすきたちは とびあがり とびあがり
 おひさまに てをふりました
 きっとだよ きっとだよ
 きっときっときっとだよーっ!
   (『のはらうたⅤ』工藤直子 童話屋)

 30度を超す暑い日が続いています。元気ですか。暑さは、まだ当分続きそうです。
 今年はコロナ禍で夏休みが短く、あっという間に学校が始まる感じですね。また忙しくなるかもしれませんが、ほんのちょっとでも文庫に遊びに来ませんか。文庫にあるケン玉やお手玉で遊んだり、おはなしを聞いたり、手作りを楽しんだり、本を手に取ってみたり、少しでも息抜きできるといいなあと思っています。
 今月は『のはらうた』からすすきひろお君の詩を選びました。どうぞ楽しんでください。
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お知らせ 夜のおはなし会は中止にします!

2020-08-03 16:58:38 | 文庫のページ
8月8日(土)の夜のおはなし会は中止にします!
 今年で4回目になる「夜のおはなし会」です。参加者も増え、昨年は21人の参加がありました。
コロナ禍も少しおさまっていろんな動きが少しずつできるようになっていたのですが、最近は宮城でも感染者が毎日増え、ここ1週間では20人を超えました。週末にかけてもっと感染者が増えるのではないかととても気になります。
 このコロナ禍の中では参加者もそう多くはないだろうと思いますが、市内全域から来てくださっていますので、残念ですが、今年は中止することにしました。
楽しみにしていた方、予定に入れて下さっていた方には、本当に申し訳ないのですが、お許しください。
 文庫は19日(水)から通常どおり開きます。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。
 文集「なかま」42号ができましたので、文庫に来た時、どうぞもらってください。昨年9月の水野スウさんの講演記録が載っています。お家の方にも読んでいただきたいと思っています。
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