まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 9月

2023-09-26 23:01:27 | 文庫のページ
新しく買った本
①『きのう きょう あした』 マレーク・ベロニカ マンディ・ハシモト・レナ訳 風涛社 2008
 『ラチとらいおん』でおなじみのハンガリーの絵本作家マレーク・ベロニカの絵本です。
 人形劇のチケットを2枚もらったペーテルは3日後、ノーラと一緒に人形劇を見に行くことになるのですが、小さなノーラには「3日後」の時間の感覚が分かりません。1日がどのくらいの長さか、昨日と今日と明日の流れがどうなっているのか、曜日が7日あるのはどうしてかなど、ノーラに分かるように語るペーテルの話が興味深いです。
 動きのある絵も登場する子どもの表情も豊かで印象的です。センスのよい色づかいが心に残ります。
 2006年、ルーマニアに出かけた際、帰りに立ち寄ったハンガリーで、偶然、広場のミニブックショップでサイン会をしているベロニカさんにお会いしました。
②『ゆくえふめいのミルクやさん』 ロジャー・デュボアザン 山下明生訳 童話館出版 1997
 毎朝、4時に起きて、新鮮なミルクや卵、チーズなどをダックスフントのシルビアと一緒に町の奥さん方に届けるミルクやさんの話です。
 ミルクやさんはどんな天気の日も、休みなく奥さん方と天気の話をかわしながら仕事を続けます。ところが今日はミルクやさんの車はどの家の前でも止まらず、町を通り抜けて、田舎道を走り始めます。分かれ道で唱える言葉が愉快です。ミルクやさんが一体どこへ行くのか、陽気なミルクやさんの言葉を信じるしかありません。
 たどり着いたところは大きな湖のある静かな森。ミルクやさんのすてきな休暇の始まりです。森で過ごした幸せな時間をお土産に元気に町に戻っていくミルクやさんがなんともさわやかです。デュボアザンの味わいのある絵が楽しめます。
③『クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし ルース・ソーヤ再話 上條由美子訳 岸野衣里子絵 福音館書店 2020.10
 心優しい年老いたひとりの女性がクリスマス・イブに妖精に夢をかなえてもらうすてきなお話です。
 その女性の名はオーナ。彼女は赤ん坊の時に村の一軒の小屋の戸口に捨てられた、いかけ屋が置いて行った子どもでした。美しい娘に成長しますが、いかけ屋の娘だというだけで結婚はかなわず、他人の小屋で、家事をしたり、子どもの世話をしたりして生涯働き続けます。自分の小さな小屋を持つことが彼女のたった一つの夢でしたが、それも叶いません。
 大凶作がアイルランドをおそった年のクリスマス・イブに、年老いたオーナは村からずっと離れた沼地にやってきます。彼女を待っていたのはたくさんの小さな妖精たち。妖精たちは彼女がずっと夢見ていた小さな小屋を作り始めるのです。その小屋にはクリスマスの不思議な魔法がかけられていました。
 優しい色づかいの絵が印象的です。
④『ラスト ラン』 角野栄子 角川書店 2011
 もう一度バイクで思いっきり走りたいと考えた74才のイコさんの人生最後の冒険物語。i赤いバイクに黒革のライダースーツを着込んだ表紙のイコさんはかっこいいです。
 12才の時の母の写真を手がかりに、5才の時に亡くなった母の実家のある岡山に向かいます。母が亡くなって69年もたつのにその家は残っていました。イコさんはそこでふうちゃんという不思議な女の子に出会います。イコさんにはふうちゃんが見えるのですが、他の 人にはふうちゃんの姿は見えません。12才のふうちゃんは、自分はゆうれいだといいます。74才のイコさんとゆうれいのふうちゃんの奇妙なバイクの旅が始まります。
 ふうちゃんが誰なのか、イコさんはすぐに気がつきますが、ふうちゃんも最後イコさんが自分の誰なのかを知ることになります。
 深くて愉快な感動の物語。角野さんの自伝的作品です。
 
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寄贈本 9月

2023-09-24 18:55:02 | 文庫のページ
寄贈本
 ありがとうございます。

■長野ヒデ子さんからいただきました。
①『てんごく』 新美南吉/長野ヒデ子 のら書店 2023.5
 今年は新美南吉(1913~1943)の生誕110年です。長野ヒデ子さんはこれまでも新美南吉の作品に絵をつけています。『狐』(1999.3)、『あめだま』(2003.4)は文庫にもあります。
『狐』を描いた頃からずっとこの「天国」という詩を絵本にしたいと考えていたという長野さん。この詩は1931年(昭和6年)頃に作られた詩です。南吉の詩が絵本になるのは初めてです。「おかあさんたちは/みんな一つの、天国をもっています。」で始まる詩です。長野さんの生活感あふれる暖かみのある絵で描かれ、すてきな絵本になりました。
 愛知県半田市にある新美南吉記念館で10月23日まで「南吉と長野ヒデ子の母の世界展」が開かれています。『てんごく』『狐』(新美南吉/長野ヒデ子)、『おかあさんがおかあさんになった日』『おとうさんがおとうさんになった日』『おばあちゃんがおばあちゃんになった日』(長野ヒデ子)の原画が展示されています。
②『絵本のまにまに』 長野ヒデ子 石風社 2023.3
長野さんの2冊目のエッセイです。1冊目のエッセイ『ふしぎとうれしい』が出たのは2000年です。2000年以降に新聞や出版社、その他さまざまなものに発表したエッセイが収めてあります。人との出会いが興味深く、その人脈の広さに驚きます。どうして絵本作家になったか、どんな思いで絵本や紙芝居を作っているかなど、楽しく、深い長野さんの言葉に感動できます。
 80歳を超え、ますますお元気に活躍している長野さんです。文庫では15周年、18周年にお招きして講演していただきました。2001年12月には2000回目の文庫の日を祝って、講演会と原画連もさせていただきました。
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レンゲの会と大人のコーヒーサロン 9月・10月

2023-09-24 18:14:36 | 文庫のページ
レンゲの会
月1回、子どもの本についておしゃべりしています。
どなたでも参加できます。
今年度も会食なしでおこないます。
13:00~14:00はコーヒータイム
 9月25日(月)10:30~13:00 大人向けおはなし会
 ・あのつく話・あくびがでるほどおもしろい話(松岡享子) 松尾
 ・神さまのくれた寿命(宮城の昔話)           桜井
 ・そうずがわのばさま(新庄の昔話)           東海林
 ・蜘蛛の糸(芥川龍之介)                佐藤(し)
 ・おおみそかのおきゃく(越後の昔話)          佐々木
 ・羊飼いの花たば(旧チェコスロバキアの昔話)      武田
 ・岩じいさん(中国の昔話)               岩田
 ・白鳥の女王(ロシアの昔話)              笹森
 ・おどってすりきれたくつ(グリムの昔話)        松尾

次回は10月23日(月)10:30です。

 松岡享子さんの創作の絵本・児童書を取りあげます。
 お好きな松岡さんの絵本・児童書をお持ちください。

≪大人のコーヒーサロン≫
 10月11日(水)1:00~3:00(第2水曜日)

 9月は新しい方がお一人参加しました。子どもの頃、泉区の文庫に通っていたという、2歳のお子さんのいる若いお母さんです。「ままぱれ」を見て、来てくださいました。6人でおしゃべりを楽しみました。
次回は11月8日(水)1:00です。
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文庫からの連絡

2023-09-22 15:13:51 | 文庫のページ
文集「なかま」第45号がやっとできました! 9月22日完成します。
 20日の文庫の日には間に合いませんでしたが、25日のレンゲの会にお渡しできそうで、ほっとしています。
 昨年10月の45周年記念講演会でお招きした若菜晃子さんの講演記録が載っています。改めて内容の濃いお話だったと思っています。たくさんの方に読んでいただきたいです。
 年々、子どもたちのページが少なくなって残念です。でも小さい人たちの絵本との出会いは驚きと感動に満ちていて、うれしくなります。お忙しい中、「ひろば」のページに原稿を寄せてくださって皆様に感謝しています。文庫に来たときにどうぞもらってください。
積み木パズルに挑戦しよう! 2年生のまほちゃんと積み木パズル
 文庫で積み木パズルを始めたのは2006年ですので、もう17年も文庫で楽しんでいます。形の違う7つのパーツを組み合わせて立方体を作る、ロシアのニキーチンの本に出ている遊びです。はじめは難しくてなかなかできないのですが、やっているうちにだんだんできるようになります。夢中になって取り組む子どもの姿をこの17年間、たくさん見てきました。
 そして今、2年生のまほちゃんががんばっています。今年の5月から文庫に来ているのですが、6月になんと新しい組み方を2つも見つけてくれました。昨年9月に新しい組み方が2つ見つかり、もう新しい組み方はないだろうと思っていたのですが、まだ見つかることに驚きます。いま現在、466通りの組み方が見つかっています。新しい組み方がもしかしてまだあるのでしょうか。文庫に来ると必ず挑戦を続けるまほちゃんです。
「ままぱれ」9月号、どうぞもらってください。今回取り上げた絵本です。
①『どんどんばしわたれ』 こばやしえみこ案 ましませつこ絵 こぐま社
②『パパ、お月さまとって!』 エリック・カール 偕成社
③『おおきなおおきなおいも』 市村久子原案 赤羽末吉作・絵 福音館書店
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9月・10月の文庫の日

2023-09-22 14:58:12 | 文庫のページ
9月20日(水)
 4:00 おはなし「とんびの染屋」 笹森
 4:30 おりがみ(ねこの封筒)
9月23日(土)
 秋分の日で文庫はお休み
9月27日(水)
 4:00 おはなし「ブラックさんとブラウンさん」 松尾
 4:30 おりがみ(10ページのノート)
9月30日(土)
 3:50 46周年を祝って特別おはなし会
 4:40 紙ひものかご・くいつきへび他
10月4日(水)
 4:00 おはなし「おいしいおかゆ」 松尾
 4:30 牛乳パックの変身箱パズル
10月7日(土)
 4:00 おはなし「三びきのくま」 松尾
 4:30 牛乳パックの変身箱パズル
10月11日(水)
 4:00 おはなし「おおかみと七ひきのこやぎ」 武田
 4:30 おりがみ(ピカチュー風船)
10月14日(土)
 第2土曜日は文庫お休み
10月18日(水)
 4:00 おはなし「ワニと農夫」 笹森
 4:30 こけし人形
10月21日(土)
 4:00 おはなし「おだんごぱん」 武田
 4:30 おりぞめ
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46周年のおはなし会と手づくりの会

2023-09-21 15:56:40 | 文庫のページ
文庫の46周年を祝って
  9月30日(土) おはなし会 と 手づくりの会

まつお文庫は1977年10月1日(土)に誕生しました。今年で46年になります。
  46周年をどうぞ一緒にお祝いしてください。
 2019年までは毎年おもちの会を開いて、お祝いしてきましたが、今年もやっぱり中止です。
 来年こそはおもちの会を開きたいと思っています。

3:50~4:40 おはなし会 おはなし会は時間を早めて3:50から始めます。
   ・短いお話 ふたりのあさごはん(にしゆうこ)  松尾
   ・おはなし アナンシと五(アフリカの昔話)   中村
   ・おはなし エパミナンダス(ブライアント)   武田
   ・おはなし マメ子と魔物(イランの昔話)    松尾
   ・絵本 『パンのかけらとちいさなあくま』リトワニア民話/堀内誠一 福音館書店
   ・パネルシアター これはジャックのたてた家(マザー・グース)
4:40~5:40 手づくり
    牛乳パックのこま・新聞紙のヨーヨー・紙ひものかご・くいつきへび

 時間の許す限り、好きなものを作ってください。
 むずかしいものもありますが、挑戦してみてください。
 お家の方もお子さんと一緒に手づくりを楽しんでみませんか。
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今月の詩 9月

2023-09-21 15:42:17 | 文庫のページ
   すすき
              工藤直子

 すすきが
 しんしんと のびて
 秋になる

 あそこ……あそこ……
 あそこ……と
 すすきは
 風のゆくえを指さす

 すすきの指にさそわれて
 人々は 頭をめぐらせ
 ついに おおきな空をみつける
     (『てくがくのライオン』
             工藤直子 理論社)
 お彼岸が近いというのに、まだまだ暑いですね。最低気温が20度にならないと咲かないといわれている彼岸花。この暑さの中で気になっていましたが、やっと2本だけ芽を出しました。一日、5センチぐらいずつ伸びています。すごい勢いです。
 月下美人は例年に比べて花の数が少なく、8月初めに3個咲き、これで今年はおしまいと思っていたのですが、先日、小さなつぼみが16個も見つかり、驚いています。植物の生命力はすごいですね。
 今月の詩は工藤さんの「すすき」という詩を選びました。秋の情景を見事に切り取っています。
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