寄贈本
3月にいただいた本です。松岡享子さんからいただきました。ありがとうございます。
『子どもと本』 松岡享子 岩波新書(2015.2)
子どもの本の作家であり、翻訳者であり、語り手であり、東京子ども図書館の理事長である松岡さんが、どうして子どもの本にかかわる仕事につかれたか、子ども時代から今日までを振り返って書かれた、とても興味深い本です。昔話についての考察も深く、現在の日本の公共図書館をめぐるさまざまな問題についての指摘も厳しく、松岡さんがこれまでかかわってきた子どもと本についての豊かな想いに触れることができます。
5月9日には、仙台で松岡享子さんの講演会があります。
新しく買った本
①『おばあちゃんがおばあちゃんになった日』 長野ヒデ子 童心社 2015
あこちゃんの家に赤ちゃんが生まれ、お父さんもお母さんも大忙し。そんな時、孫のためならどんなことでも引き受けるおばあちゃんがやってきて、手伝ってくれます。頼もしい存在です。そんなおばあちゃんをすてきに描いています。『おかあさんがおかあさんになった日』『おとうさんがおとうさんになった日』に続く絵本です。世の中には、元気でパワフルなおばあちゃんがいっぱいいて、うれしくなります。おばあちゃんの応援歌です。
②『カエルになったお姫さま お姫さまたちの⑫のお話』
アニー・M・G・シュミット 西田由美訳 徳間書店 2014
オランダのお話です。お姫さまや王子さまが登場する愉快なお話が12話収めてあります。遊園地で遊んでみたいと思った王さまや、池のカエル全部の皮で緑の帽子を作ろうとしたお姫さまや、ツグミの卵から生まれたお姫様など、困難に巻き込まれるお姫さまや王さまたちが登場しますが、結末はどれもハッピーエンドです。特に表題作の「カエルになったお姫さま」の結末は感動的です。『パン屋のこびととハリネズミ』も同じ作者の本です。
③『ベイジル ネズミの国のシャーロック・ホームズ』
イブ・タイタス/ポール・ガルドン 晴海耕平訳 童話館出版 2013
イギリスのネズミの国に住む名探偵ベイジルと助手のドーソン博士(医師)の物語です。双子の女の子が誘拐され、ベイジルたちは見事な推理で事件を解決します。それもそのはず、ベイジルはシャーロック・ホームズを尊敬し、日夜、シャーロック・ホームズの部屋に忍び込んでは、探偵の勉強を続けているのです。作者のイブ・タイタスはシャーロック・ホームズの大ファンだそうです。ポール・ガルドンのさし絵も楽しく、物語の世界を豊かに伝えてくれます。『ねずみの父さんとアナトール』もおふたりの絵本です。
④『消えた犬と草原の魔法』
フィリッパ・ピアス/ヘレン・グレイグ さくまゆみこ訳 徳間書店 2014
2006年に亡くなった『トムは真夜中の庭で』の作者、ピアスの最後の児童文学です。2008年にクレイグのさし絵で出版になりました。犬のベスがいなくなって悲しんでいるティルの前に不思議なおじいさんが現れて、ベスを探す手伝いをしてくれます。おじいさんのアドバイスと不思議な力によってとうとうベスを見つけることができます。おじいさんの存在は不思議で気になりますが、困ったときにはきっと協力者が現れるという子どもたちへのメッセージを感じます。ピアスの娘さんとクレイグの息子さんが結婚し、孫はおふたりの共通の孫です。その孫たちに贈る作品です。
⑤『新しいおとな』 石井桃子 河出書房新社 2014
石井桃子さんの「これまで単行本で読めなかった貴重な文章を収めた本」のシリーズ、4冊目です。子どもと子どもの本について、かつら文庫や児童図書館員について、子どもの本の出版についてなど、1951年から2007年までに書かれた興味深い文章が収めてあります。家庭文庫研究会の会報や『母の友』、朝日新聞などに連載されたものなど、貴重な資料も多く、子どもと子どもの本についての石井さんの熱い思いに改めて圧倒されます。50年以上もたっているのに、今読んでも少しも古くないことに改めて驚きを感じます。子どもと子どもの本にかかわるものにとって必読の書と言えます。
3月にいただいた本です。松岡享子さんからいただきました。ありがとうございます。
『子どもと本』 松岡享子 岩波新書(2015.2)
子どもの本の作家であり、翻訳者であり、語り手であり、東京子ども図書館の理事長である松岡さんが、どうして子どもの本にかかわる仕事につかれたか、子ども時代から今日までを振り返って書かれた、とても興味深い本です。昔話についての考察も深く、現在の日本の公共図書館をめぐるさまざまな問題についての指摘も厳しく、松岡さんがこれまでかかわってきた子どもと本についての豊かな想いに触れることができます。
5月9日には、仙台で松岡享子さんの講演会があります。
新しく買った本
①『おばあちゃんがおばあちゃんになった日』 長野ヒデ子 童心社 2015
あこちゃんの家に赤ちゃんが生まれ、お父さんもお母さんも大忙し。そんな時、孫のためならどんなことでも引き受けるおばあちゃんがやってきて、手伝ってくれます。頼もしい存在です。そんなおばあちゃんをすてきに描いています。『おかあさんがおかあさんになった日』『おとうさんがおとうさんになった日』に続く絵本です。世の中には、元気でパワフルなおばあちゃんがいっぱいいて、うれしくなります。おばあちゃんの応援歌です。
②『カエルになったお姫さま お姫さまたちの⑫のお話』
アニー・M・G・シュミット 西田由美訳 徳間書店 2014
オランダのお話です。お姫さまや王子さまが登場する愉快なお話が12話収めてあります。遊園地で遊んでみたいと思った王さまや、池のカエル全部の皮で緑の帽子を作ろうとしたお姫さまや、ツグミの卵から生まれたお姫様など、困難に巻き込まれるお姫さまや王さまたちが登場しますが、結末はどれもハッピーエンドです。特に表題作の「カエルになったお姫さま」の結末は感動的です。『パン屋のこびととハリネズミ』も同じ作者の本です。
③『ベイジル ネズミの国のシャーロック・ホームズ』
イブ・タイタス/ポール・ガルドン 晴海耕平訳 童話館出版 2013
イギリスのネズミの国に住む名探偵ベイジルと助手のドーソン博士(医師)の物語です。双子の女の子が誘拐され、ベイジルたちは見事な推理で事件を解決します。それもそのはず、ベイジルはシャーロック・ホームズを尊敬し、日夜、シャーロック・ホームズの部屋に忍び込んでは、探偵の勉強を続けているのです。作者のイブ・タイタスはシャーロック・ホームズの大ファンだそうです。ポール・ガルドンのさし絵も楽しく、物語の世界を豊かに伝えてくれます。『ねずみの父さんとアナトール』もおふたりの絵本です。
④『消えた犬と草原の魔法』
フィリッパ・ピアス/ヘレン・グレイグ さくまゆみこ訳 徳間書店 2014
2006年に亡くなった『トムは真夜中の庭で』の作者、ピアスの最後の児童文学です。2008年にクレイグのさし絵で出版になりました。犬のベスがいなくなって悲しんでいるティルの前に不思議なおじいさんが現れて、ベスを探す手伝いをしてくれます。おじいさんのアドバイスと不思議な力によってとうとうベスを見つけることができます。おじいさんの存在は不思議で気になりますが、困ったときにはきっと協力者が現れるという子どもたちへのメッセージを感じます。ピアスの娘さんとクレイグの息子さんが結婚し、孫はおふたりの共通の孫です。その孫たちに贈る作品です。
⑤『新しいおとな』 石井桃子 河出書房新社 2014
石井桃子さんの「これまで単行本で読めなかった貴重な文章を収めた本」のシリーズ、4冊目です。子どもと子どもの本について、かつら文庫や児童図書館員について、子どもの本の出版についてなど、1951年から2007年までに書かれた興味深い文章が収めてあります。家庭文庫研究会の会報や『母の友』、朝日新聞などに連載されたものなど、貴重な資料も多く、子どもと子どもの本についての石井さんの熱い思いに改めて圧倒されます。50年以上もたっているのに、今読んでも少しも古くないことに改めて驚きを感じます。子どもと子どもの本にかかわるものにとって必読の書と言えます。
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