まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

今月の詩 ㋉

2018-10-24 16:47:22 | 文庫のページ
   まっかな秋
           薩摩 忠

 まっかだな まっかだな
 つたの葉っぱが まっかだな
 もみじの葉っぱも まっかだな
 沈む夕日に照らされて
 まっかなほっぺたの きみとぼく
 まっかな秋に かこまれている

 まっかだな まっかだな
 からすうりって まっかだな
 とんぼの背中も まっかだな
 夕焼け雲を 指さして
 まっかなほっぺたの きみとぼく
 まっかな秋に 呼びかけている

 まっかだな まっかだな
 ひがんばなって まっかだな
 遠くのたき火も まっかだな
 お宮の鳥居を くぐりぬけ
 まっかなほっぺたの きみとぼく
 まっかな秋を たずねてまわる
         (『まっかな秋』銀の鈴社)


 秋が深まってきました。今月は薩摩忠さんの「まっかな秋」を選びました。この詩には曲がついているので、知っている人もいるかもしれませんね。真っ赤に彩られた秋の情景が浮かんでくる詩です。先日、太白山自然観察の森を久しぶりに歩いてきましたが「まっかな秋」にはちょっと早かったようで、残念でした。
♣♧♣♧♣それで、美しい「まっかな秋」が出てくる絵本を探してみました。まずは、バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』の秋の場面はいかがでしょう。「ちいさいおうち」の周りで木々が黄色や赤に色づき、豊かな秋を見せてくれます。曲線で描かれた丘や畑がどこまでも続いて、美しいです。マーク・シーモントの描く『木はいいなあ』(ユードリイ作)の秋の場面も美しいです。子どもたちが落ち葉の上を歩いたり、転がったり、たき火をしたり、楽しそうです。『にぐるま ひいて』(ドナルド・ホール文)のバーバラ・クーニーの描く秋も印象深いです。家族が一年じゅうかけて作り、育てたものを秋になると父親が荷車に積んで、ポーツマスの市場に売りに行きます。秋の真っ盛りの中を10日もかけて、歩いていく父親。横長の見開きの上半分に、真っ赤に彩られた山々や丘がいくつも連なって描かれ、美しいです。日本の絵本では林明子さんの描く『もりのかくれんぼう』(末吉暁子作)の黄葉が美しいです。兄の後を追って生垣の中に入ったけいこは突然、金色に彩られた秋の森に迷い込んでしまいます。ため息が出るほど美しく黄葉した森が何ページにもわたって描かれます。けいこはこの森で動物たちや「もりのかくれんぼう」と出会い、楽しい時間を過ごします。
♧♣♧♣♧11月になったら、卸町のケヤキ並木も美しく色づくことでしょう。楽しみです。
 
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