寄贈本 ありがとうございます。
■武田節子さんからいただきました。
『みちのく妖怪ツアー 謎解き編』 佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫/東京モノノケ 新日本出版社 2023.7
2018年に出た『みちのく妖怪ツアー』シリーズの6冊目。東北6県に伝わる妖怪にたくさん出会える興味深いシリーズです。でもちょっと怖い話。
県内で子どもの本の書き手として活躍する堀米さんたち3人が一緒に一冊の本を作るという試みに挑戦した意欲作といえます。今回はそこに謎解きが加わり、おもしろいです。ただ妖怪に興味を持ち、妖怪に本当に出会ってしまう5人の子どもたちの最後が気になります。最後の優くんの話は、ちがった展開でほっとできます。
新しく買った本①
①世界みんわ絵本 《アメリカ》『ノガモのうた』 木島始/スズキコージ ほるぷ出版1992
昔話としても、黒人民謡としてもアメリカではよく知られているお話のようです。とても不思議なお話です。
鉄砲撃ちの男が野ガモの群れを見つけ、一羽の野ガモを撃ち落とし、家に持ち帰っておくさんに料理を頼みます。不思議なことに野ガモは鉄砲で撃たれても、羽をむしられても、鍋で煮られても、歌い続けます。野ガモが繰り返し楽しそうに歌う歌が印象的です。
スズキコージさんの描く野ガモの群れの迫力に圧倒されます。食べられそうになる仲間を助け出すシーンは特に画面全体に野ガモの力がみなぎります。お話の最初で鉄砲を構えて野ガモを撃つ力強い男の絵の構図が見事です。男にとってはよほどショッキングな出来事だったのでしょう、気の毒に最後、男の力強さはすっかり影をひそめてしまいます。
②『マルスさんとマダムマルス』 ささめやゆき ひだまり舎2023.5
1972年から73年にかけて、ささめやさんはノルマンディ半島の先端に位置する、地図にものっていない海辺の町で暮らします。それから25年後の1997年、その頃を思い出して絵を描き、出版したのがこの絵本(出版工房・原生林)です。その後出版社がなくなり、絵本も幻の絵本になってしまいます。ところが25年後の2022年、この絵本を復刻したいという出版社が現れ、今年出版になりました。その海辺の町で出会った出来事や人々との思い出を静かなタッチで描いた絵本です。
マルスさんとマダムマルスは大家さんです。マルスさんは毎日、家の修理に明け暮れ、マダムマルスはクッキングに余念がない、そんな静かなたたずまいのご夫婦です。変わらないものと変わりゆくものの中で絵を描き続ける若いささめやさんの姿が見えてくる、絵も文章もすてきな絵本です。
仙台文学館で今も開催されている「ささめやゆき物語」のチラシの絵はこの絵本の一場面です。
■武田節子さんからいただきました。
『みちのく妖怪ツアー 謎解き編』 佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫/東京モノノケ 新日本出版社 2023.7
2018年に出た『みちのく妖怪ツアー』シリーズの6冊目。東北6県に伝わる妖怪にたくさん出会える興味深いシリーズです。でもちょっと怖い話。
県内で子どもの本の書き手として活躍する堀米さんたち3人が一緒に一冊の本を作るという試みに挑戦した意欲作といえます。今回はそこに謎解きが加わり、おもしろいです。ただ妖怪に興味を持ち、妖怪に本当に出会ってしまう5人の子どもたちの最後が気になります。最後の優くんの話は、ちがった展開でほっとできます。
新しく買った本①
①世界みんわ絵本 《アメリカ》『ノガモのうた』 木島始/スズキコージ ほるぷ出版1992
昔話としても、黒人民謡としてもアメリカではよく知られているお話のようです。とても不思議なお話です。
鉄砲撃ちの男が野ガモの群れを見つけ、一羽の野ガモを撃ち落とし、家に持ち帰っておくさんに料理を頼みます。不思議なことに野ガモは鉄砲で撃たれても、羽をむしられても、鍋で煮られても、歌い続けます。野ガモが繰り返し楽しそうに歌う歌が印象的です。
スズキコージさんの描く野ガモの群れの迫力に圧倒されます。食べられそうになる仲間を助け出すシーンは特に画面全体に野ガモの力がみなぎります。お話の最初で鉄砲を構えて野ガモを撃つ力強い男の絵の構図が見事です。男にとってはよほどショッキングな出来事だったのでしょう、気の毒に最後、男の力強さはすっかり影をひそめてしまいます。
②『マルスさんとマダムマルス』 ささめやゆき ひだまり舎2023.5
1972年から73年にかけて、ささめやさんはノルマンディ半島の先端に位置する、地図にものっていない海辺の町で暮らします。それから25年後の1997年、その頃を思い出して絵を描き、出版したのがこの絵本(出版工房・原生林)です。その後出版社がなくなり、絵本も幻の絵本になってしまいます。ところが25年後の2022年、この絵本を復刻したいという出版社が現れ、今年出版になりました。その海辺の町で出会った出来事や人々との思い出を静かなタッチで描いた絵本です。
マルスさんとマダムマルスは大家さんです。マルスさんは毎日、家の修理に明け暮れ、マダムマルスはクッキングに余念がない、そんな静かなたたずまいのご夫婦です。変わらないものと変わりゆくものの中で絵を描き続ける若いささめやさんの姿が見えてくる、絵も文章もすてきな絵本です。
仙台文学館で今も開催されている「ささめやゆき物語」のチラシの絵はこの絵本の一場面です。
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