まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本② 6月

2021-06-18 12:32:25 | 文庫のページ
新しく買った本 6月その2
⑦『はじめてであうすうがくの絵本 1』
⑧『はじめてであうすうがくの絵本 2』
 安野光雅
 福音館書店 1982
3冊シリーズの2冊です。『1』には『なかまはずれ』『ふしぎなのり』『じゅんばん』『せいくらべ』、『2』には『ふしぎなきかい』『くらべてかんがえる』『てんてん‥‥」『かずのだんご』『みずをかぞえる』が入っています。どちらも読みごたえのある1冊です。
興味深いのは最後の安野さんの解説です。取り上げた絵本それぞれについてかなり詳しい、専門的ともいえる解説がついていることです。安野さんの絵本が今読んでも面白いのは根っこに考えることのおもしろさがあるからだと改めて思います。しかもそれを絵で語っているところがすごいです。
10月のレンゲの会で安野さんの絵本を取り上げるので、いろいろ集めていて、出会った本です。
⑨『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』 岡田淳 理論社 2021.5
「こそあどの森の物語」全12巻が完結して4年、スキッパーやこそあどの森に住む個性豊かな人々にまた会うことができ、うれしい作品です。
こそあどの森には大人が5人と子どもが3人暮らしています。もう一人、旅に出ることの多い博物学者のバーバさんもいます。今回はこの5人の大人たちの子どもの頃のすてきな話に出会えます。
トワイエさんの子どもの頃の写真を見たことがきっかけで、スキッパーとふたごは子どもの頃の写真とそれにまつわる話を大人たちから聞いて回り、たくさんの感動をもらいます。バーバさんが帰ってきたら、自分たちも3人一緒の写真を撮ってもらおうと考えます。
今、朝日新聞で、『福岡伸一の新・ドリトル先生物語 ドリトル先生 ガラパゴスを救う』が連載されています。ドリトル先生が博物学者だったことを改めて思い出しました。いつも名前や手紙でしか登場しないバーバさんはもしかして岡田淳さんのドリトル先生へのオマージュではないかと気づきました。
今年はシリーズ6巻目の『はじまりの樹の神話』が劇団四季でミュージカルになります。楽しみです。
⑩『いつも誰かがいてくれた 生い立ちの記1』 かつおきんや 能登印刷出版部 2008
昨年4月に92歳で亡くなられた児童文学者かつおきんやさんの「生い立ちの記」3冊シリーズの1冊目です。
1927年(昭2)に金沢で生まれたかつおさんは、1933年、父の仕事の関係で茨城県に移り住みます。小学校入学から3年生の2学期末までの約3年間の子ども時代を自分の記憶をもとに、家族や友だちへの聞き取りも含め、丹念に調べて書いています。
家族も友達も実名で登場しますが、かつおさんご自身はKとして登場します。たくさんの兄弟姉妹の中で育った引っ込み思案のKが、すぐ上の兄や友だちとの触れ合いの中で、「少年倶楽部」に夢中になったり、海を越えた向こうに思いをはせたり、スキーを楽しんだり、学芸会で『出世豊太閤』を諳んじて発表したり、外に向かって世界を少しずつ広げていく様子が興味深く語られています。最後の章では石川県で生まれ育ったKの両親のそれまでの物語、茨城県に移り住むことになったいきさつなども知ることができます。
かつおさんを知る上でとても貴重な本です。
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新しく買った本① 6月

2021-06-18 11:45:32 | 文庫のページ
新しく買った本 6月その1
①『じゅんばん』(1973)特製版2004 安野光雅さく 福音館書店
1973年12月号のかがくのともで出た絵本のハード版。
トランプを使って絵を見ながらさまざまな遊びが展開します。何階もある建物の家の位置や劇場の座る場所、家の番地がどんなふうに並んでいるか、絵を見ながら、その仕組み(順番)を考えることができます。絵の内容も素晴らしく、頭のいろいろな部分が刺激されます。
②『まほうのくすり』(1974)特製版2004 安野光雅さく/遠山啓監修 福音館書店
のっぽの小人くんと太っちょの小人くんが作った2種類の魔法の薬。縦に伸ばしたり縮めたりする薬と横に伸ばしたり縮めたりする薬です。この薬の混ぜ方を変えるとどうなるのか。物の形が縦横無尽に変化する様子を絵で楽しむことができます。
③『てんてん‥‥』(1974)特製版2004 安藤光雅さく/遠山啓監修 福音館書店
のっぽの小人くんと太っちょの小人くんが登場して、小さな点と点がたくさんつながって一本の線ができ、文字になり、形ができる様子を興味深く語ります。電光掲示板の字も、絵画も刺繡の絵も、テレビの画像も写真も、小さな点と点からできていることに納得できます。絵が楽しめます。
④『くらべてかんがえる』(1972)特製版2021 安野光雅さく/遠山啓監修 福音館書店
右と左のページの絵をよく見て、どこが違っていて、どこが同じか、比べて楽しめる絵本です。なかなか難しいページもあります。
1971年5月号のかがくのとも『くらべてみよう』を、題名と表紙の絵を新しくして、翌年、ハード版で出版されています。
⑤『ふしぎなきかい』(1971)特製版2021 安野光雅さく/遠山啓監修 福音館書店
1971年11月号のかがくのともで出た絵本のハード版。
ふたりの小人くんの発明した機械は、左の入り口から何かを入れると右の出口から違ったものになって出てくるというふしぎな機械です。たとえば丸ごとのリンゴを入れると半分になって出てきたり、カラスを入れるとガラスが出てきたり、どう変化して出てくるか、その関係性がわかるとより楽しめます。絵が豊かに語ってくれます。
⑥『もじあそび』(1974/1993新版) 安野光雅さく 福音館書店2021.2
ひらがな46文字を使ってさまざまなものの名前ができていることを楽しく絵で知ることができます。文字を並び替えるとまた違ったものの名前になったり、文字数が多くなるとその並び替えも何通りにもなり、愉快です。
「いろは」うたは46文字全部を使って作った一つの文です。安野さんも兆戦していますが難しそうです。「いろはにほへどちりぬるを‥」は見事ですね。もじパズルも絵を見て挑戦してみてください。
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寄贈本 6月

2021-06-18 10:59:31 | 文庫のページ
寄贈本 ありがとうございます。
♣内田麟太郎さんからいただきました。
①『ともだちいっしゅうかん』 内 田麟太郎/降矢なな 偕成社 2021.4
「ともだち」シリーズの番外編。友だちと過ごすキツネの一週間が豊かに語られています。見返しのくりのき村の地図も楽しいです。
②『どろんこおばけになりたいな』 内田麟太郎/石井聖岳 アリス館 2021.5
どろんこの中で、ぞうも子どももお化けも「どろんこおばけ」になって大満足です。みんないい表情です。内田さんの言葉遊びも楽しめます。
③『空よ!』詩画集 内田麟太郎/後藤美月 アリス館 2021.5
内田さんの初めての詩画集。これまでの詩集から選んだ10篇と書き下ろしの1篇を加えて11篇の素敵な詩が収めてあります。後藤さんの絵も素晴らしく、すてきな詩画集です。
♣小山恭子さんからいただきました。
『たいせつなたからもの』 みさきひかる/マナティ 太陽出版 2021.5
作者のみさきさんは小山さんのお友だちです。初めての幼稚園でお友だちとうまく遊べないソランのもとにやってきたリンリンはソランを季節の旅に誘います。4月から3月までの季節を旅しながらソランの心が元気になっていく様子がすてきに描かれています。絵もいいです。
♣汐崎順子さんからいただきました。
『おはなし会で楽しむ手ぶくろ人形』 保育と人形の会編著 児童図書館研究会 2021.3
軍手を使った人形の作り方と演じ方、それにその人形を使ったおはなし会のプログラムの実例もたくさん載っています。実践に役立つうれしい本です。
♣佐藤しげ子さんからいただきました。
『ハル 哲学する犬』 クォン・デウォン/Barunson/蓮池薫訳 ポプラ社 2009
しげ子さんが感動して届けて下さった本です。生きづらい世界で涙している人の背中をそっと押してくれるすてきな言葉に出会えます。絵からも感動をもらえます。広大で豊かな自然の美しさが透明感のある美しい色で画面いっぱいに描かれる場面は感動的です。
♣名古屋の水内喜久雄さんからいただきました。
『準備中』 水内喜久雄/内田新哉挿画 夢ぽけっと 2021.6
震災の時に、お世話になった方です。水内さんの初めての作品。軽井沢にある「準備中の喫茶店」に集まる個性豊かな人々のすてきな物語です。この喫茶店がなぜ20年も準備中なのか、いつ開店するのか、謎を秘めた展開にドキドキさせられます。人に優しくなれる、大人の夢物語のような作品です。本全体からコーヒーの香りが漂ってきて、コーヒーが飲みたくなります。
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