東京大学では、昨年より秋入学を検討してきましたが、社会的情勢からその実現は現段階では困難と判断し、見送ることとしました。「やはり」という結果に終わりました。秋入学実現には、社会の会計年度との「同期」が不可欠なのです。今でこそ、日本では4月入学が当たり前になっていますが、学制がしかれた明治初期からしばらく、入学は秋であったのです。明治政府が模範とした欧州各国が秋入学であったことが主たる要因でした。
しかし、国全体の会計年度は4月始まりなので、いつしか学校も会計年度を4月始まりに合わせるようになったのです。
秋入学を断念した東大ですが、留学生の便宜を図って、1年を4学期制に改めることを発表しました。これは期の半ばでの留学生の受け入れもスムーズにできますし、東大生が海外に留学する場合も、メリットが多くあります。近年、東大生の海外留学が激減していることを憂えているのは、東大の中枢部の教授達ではないでしょうか。大学院(修士課程、博士課程)を海外で体験することは、とても貴重なことです。武者就業は若いうちから始めることが重要。
海外の大学院などの高等教育機関で研鑽を積むことは、当事者のメリットばかりか、有為な人材の教育、育成の観点からも、日本にとって、とても大切なことです。