慶應義塾大学の入学式。開式の辞とともに、オーケストラによる演奏が始まった。その音量といい、美しい響きに、圧倒されるところから、入学式が始まった。演奏しているのは、慶應義塾大学ワグネル・オーケストラ。曲目は、「ニュルンベルグのマイスタージンガー」(ワーグナー作曲)だった。入学式を飾るにふさわしい、華々しくも、荘厳な楽曲で、多くの人を魅了してやまない名曲だ。
いよいよ、自分も、慶應社中の一員となるんだといった感慨もひとしおだった。塾長、来賓の挨拶と続き、圧巻は塾歌だ。
塾歌
一、
見よ みよ
風に鳴るわが旗を かぜになるわがはたを
新潮寄するあかつきの にいじおよするあかつきの
嵐の中にはためきて あらしのなかにはためきた
文化の護りたからかに ぶんかのまもりたからかに
貫き樹てし誇りあり つらぬきたてしほこりあり
樹てんかな この旗を たてんかな このはたを
強く雄々しく樹てんかな つよくおおしくたてんかな
あゝわが義塾 ああわがぎじゅく
慶應 慶應 慶應 けいおう けいおう けいおう
往け ゆけ
涯なきこの道を かぎりなきこのみちを
究めていよゝ遠くとも きわめていよよとおくとも
わが手に執れる炬火は わがてにとれるかがりびは
叡智の光あきらかに えいちのひかりあきらかに
ゆくて正しく照らすなり ゆくてただしくてらすなり
往かんかな この道を ゆかんかな このみちを
遠く遥けく往かんかな とおくはるけくゆかんかな
あゝわが義塾 ああわがぎじゅく
慶應 慶應 慶應 けいおう けいおう けいおう
起て たて
日はめぐる丘の上 ひわめぐるおかのうえ
春秋ふかめ揺ぎなき はるあきふかめゆるぎなき
学びの城を承け嗣ぎて まなびのしろをうけつぎて
執る筆かざすわが額の とるふでかざすわがぬかの
徽章の誉世に布かむ しるしのほまれよにしかむ
生きんかな この丘に いきんかな このおかに
高く新たに生きんかな たかくあらたにいきんかな
あゝわが義塾 ああわがぎじゅく
慶應 慶應 慶應 けいおう けいおう けいおう