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小島教育研究所

教育関連ブログです。数学を筆頭に学問全般に渡る有用な情報を提供致します。
東海生、名高生、半高生に最も読まれています。

第22回日本数学コンクールについて。

2011-04-26 | 日本数学コンクール

今年も、日本数学コンクールが夏休み中(8月7日)に実施されます。詳細は「日本数学コンクール」で検索ください。

数学オリンピックにしろ、数学コンクールにしろ、4,5時間をかけてじっくりと問題に向かい合うことはとても大切で、貴重な体験となります。日頃は、短時間で(せいぜい4,50分)での解答が当たり前の数学の試験。腰を落ち着けて、じっくりと構えた学習の大切さを学べる数少ない機会です。

ところで、皆さん、問題作成の裏側をご存知でしょうか。結構厳しいです。問題のネタ、題材はそうそうあるものではなく、かつ考えて楽しものとなると、砂漠で金を探すようなものです。日常の業務の傍ら、題材を常に探すくらいでないと、問題は作成できません。筆者の体験からすると、表彰式(例年11月3日)当日、進行を見ながら、あるいは今年の問題の解説をしている最中に、次年度の問題の着想を得ることが多々あります。5,6年前は正解にたどりつけても2,3人とか、正解者なしのような状況でしたので、このところ、しっかりどの生徒も手が出て、それなりの作業学習が出来る題材を選んで出題するようにしています。

ようやく、コンクールのまとめができ、昨年のコンクールの参加者や各学校に配布され始めました。「シャッフルの数理」いかがでしたでしょうか。解説をしだすと、色々な解法があり、楽しいのですが、中高生に分かりやすく解説するとなると、準備が大変です。1時間にまとめるのは大変ですが、何とかまとめて、今年の「数理ウェーブ」での発表しようかと検討しております。

請う、ご期待。


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第21回日本数学コンクール無事終了。

2010-08-10 | 日本数学コンクール
 恒例の日本数学コンクールが終わると立秋。暑さも少し和らいで来ました。参加下さった生徒の皆さん、お疲れ様でした。スタッフの皆様ご苦労様でした。まだまだ採点、評価作業が有り、11月3日表彰式まで気が抜けません。

 夏の一日、数学の問題に真剣に取り組んだこの経験が、参加者の生徒諸君の将来の糧となることを切に希望いたします。遠方からの参加の方も何名かあり、会場の設営を検討せねばならぬことも今後の課題です。時、まさに高校野球は甲子園大会。この日本数学コンクールが良い意味での数学甲子園になればと次の10年に向けて祈念する次第です。

 わざわざ、遠方から参加された親子連れ。お母さんが息子さんにかけた言葉が印象的でした。「コンクール、十分楽しんでいらっしゃいよ!」この言葉はこれまでの日本数学コンクールの問題傾向を如実に表しています。「頑張る」のではなく「楽しむ」ことに日本数学コンクールの性格が良く現れています。

 また、学校単位で参加下さったケースもあり、引率に当たられた先生方、誠にありがとうございました。

 最後に、主催者の名古屋大学の教職員の方々並びに、愛知、岐阜、三重、大坂の数学研究会の先生方(現職、OB)、ご後援頂いているNHK名古屋、中日新聞はじめマスコミ関係の方々など、多くの方々の協力があり、無事8月8日のコンクール大会が終了いたしました。

 コンクールの開始当初より、その紹介に協力頂いた東京出版発行雑誌「大学への数学(8月号)」編集後記に、日本数学コンクール出題者のお一人として活躍される大沢健夫名古屋大学大学院多元数理研究科教授の近著「寄り道の多い数学」(岩波書店刊行)が紹介されています。編集長もかつて日本数学コンクールの受験者であったことが分かり、大数が一気に身近に感じられるものとなりました。是非ご一読下さい。

 さあ、次は論文賞。みんな「頑張って!」ではなく「大いに問題を楽しんで!」下さい。

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8月8日は第21回日本数学コンクール。

2010-08-06 | 日本数学コンクール
 この夏、何か記念になるイベント参加を考えている君に。

 「数学の問題を考えるのって、結構楽しい。」という言葉が毎年聞かれる、第21回日本数学コンクールが8月8日(日曜日)に名古屋大学他で実施されます。詳細は「日本数学コンクール」とweb検索下さい。
 日本数学コンクールも昨年20周年をむかえました。次の10年の初めの一歩の年。
 「心頭滅却すれば、数学の問題も楽し。」
 あなたも是非参加を!

 ※当日参加も可能とのこと。受付を少し早めにお受けください。
  参加費用は一人1,000円です。

追伸:大学入試における推薦入学、AO入学の条件として、この「日本数学コンクール受賞経験」が極めて有効であることを申し添えます。

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「寄り道の多い数学」(日本数学コンクール問題&解説)出版のお知らせ。

2010-07-21 | 日本数学コンクール
 岩波書店よりこの6月に日本数学コンクールで出題された問題をベースにした書籍が出版されました。著者は大澤健夫先生(名古屋大学大学院多元数理研究科教授)です。分かりやすい読み物になっていますので、中高生から大学生・一般の方にお読みいただけます。
タイトルは「寄り道の多い数学」です。同じ岩波からは「物理の散歩道」シリーズが出ていますので、今後のシリーズ化が早くも楽しみです。

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8月8日(日)第21回数学コンクール開催(於:名古屋大学他)

2010-07-18 | 日本数学コンクール
 今年も日本数学コンクールの時期が参りました。小学5年生以上の中高生の皆さん。夏の暑さにも負けず、数学コンクールでいい汗かこう。解答時間はゆったり6時間。自分の気に入った問題を時間をかけて解答しよう。普段の学校のテストとは異なり、じっくり時間をかけて数学的な考察を楽しもう。
 早いもので、日本数学コンクールが誕生し、21回目の夏を迎えました。幾多の変遷を経て次の10年を迎えようとしています。そもそも、東海地区の数学の先生方と名古屋大学の先生方が、数学の若い才能の芽を発掘しようと始めたのがこの日本数学コンクールです。若い目は着実に芽吹き、世代を超えはじめています。この日本数学コンクールに挑戦者として参加していた方々のなかから、出題者としてコンクールに関与される方が登場しはじめました。
世代を超えたコンクールに変貌を始めた今年がその元年といえます。
 もちろん、コンクールが継続実施できたのは、多くの方々のご協力、ご支援があってのこと。
 昨年まで、論文賞部門で3年連続金賞を受賞した東海高校数学研究会。伝統をみごと後輩たちが引き継いでくれるか、大いに楽しみです。
論文賞の締め切りは、8月31日です。

 では、皆様多数ご参加下さい。

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第21回日本数学コンクールについて。

2010-04-26 | 日本数学コンクール
 今年も数学コンクールの季節が近づいて参りました。
 第21回日本数学コンクール実施についての概要は以下の通りです。
 1.実施日時 平成22年8月8日午前10時から午後4時30分
 2.会  場胃 名古屋大学工学部1B情報館
 3.受験対象 小学生5年生以上、中学生、高校生
 4.表 彰 式 平成22年11月3日 野依記念館にて
 5.主催:名古屋大学
   後援:愛知県、岐阜県、三重県、大阪府、名古屋市、大阪市各教育委員会
      中日新聞、NHK名古屋、東海TV他

 多数の方の参加が望まれます。


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日本数学コンクール設立趣意書(原点に還ろう)

2009-11-09 | 日本数学コンクール
    日本数学コンクール委員会
(Japan Mathematical Concours Comission)
        設立趣意書
 平成2年(1990年)9月8日 日本数学コンクール委員会

 最近の日本の産業・経済発展は目覚ましく、世界の注目するところであり、新世紀に向けて更に一層の発展と世界への貢献を考えるとき、理数科学を含む諸科学や高度技術の進歩に必要な数学や数学的思考力の育成が必要であろう。

 一方我が国の現状を見るに、進路の分かれ道である高校は、優れた数学教育のカリキュラムを目指しながら、大学入試などに圧迫されて、そのことが必ずしもうまく機能しているとは言い難い。平生からゆっくり考えさせるなど、大学入試などの改善も考えられるが、一律にそうするには種々の困難があろう。そこで、数学教育にも多様化や個性化が必要になってくる。

 今年京都で開催されたInternational Congress of Mathematiciansでの日本の数学者森重文教授がフィールズ賞を受賞したことと、Internatianal Mathematical Olympiad に日本が初参加したことは意義深い。優秀な生徒を見つけるばかりでなく励まし、数学の問題解決力をのばすことは、コンクールに参加した多数の生徒等の数学教育に役立つものと我々は考える。

 世界には、国内選抜を始め地域別選抜や、それと直接関係のない数学コンテストなど種々の数学コンクールが競い合っている国も少ない。しかし、日本には、上記国際コンクールの国内選抜が今年開催された以外に、高校生を含む全国展開の数学コンクールはなかった。

 そこで、我々は下記のような特徴をもった時間的にも解法的にも自由なコンクールを目指して、下記委員を含め40余名の大学・高校教員で日本数学コンクール委員会を発足させることになった。

 平成2年(1990年)から新たに”日本数学コンクール”を開催する意義と特色を上げる。

1.若い才能の発見

 日本の高等数学教育の内容に沿うものであるが、解法的には自由なコンクールで多方面での才能を調べる。これによって、21世紀の新しい科学・技術の基盤を担っていく夢とロマンを秘めた若い人材を発掘していきたいと考えている。

2.数学的才能の発展

 数学的才能には、通常の試験で試される決められた範囲の技巧で決められた時間内に与えられた問題を解くというものの外に、もっと本質的なものがあるように思われる。それはこれらの技巧自身を自ら作り出し、それによってその問題を含む一つの分野を開拓してゆく力であろう。これを試すために、時間にあまり制限を設けずに、多面的に本当に考える問題を与える。

3.多彩な才能の評価

 優秀な数学的才能を持った生徒や隠れた才能の持ち主に励みを与えるために、各種の賞を設ける。

4.新しい数学の発見

 数学的本質に根ざした楽しい問題や、特別訓練しない中学生にも意味がわかる問題なども含めるため、高校数学のカリキュラムには必ずしもとらわれない。一般の批判を受け、それに耐える数学コンクールにするため、問題は広く公表する。一般の人にも頭の体操として楽しんでいただきたいと考えている。

5.参考書などの持ち込み可
 参考書、ノートなど持ち込み自由のコンクールであり、弁当・コーヒーもかなり自由に飲食できる。

  

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第20回数学コンクールの結果

2009-11-05 | 日本数学コンクール
第20回日本数学コンクール表彰式が11月3日(火曜日)午前10時より名古屋大学野依学術記念館にて行われました。

・表彰式 演  奏:東海高校オーケストラ部員4名
     開会挨拶:名大大学院多元数理学科教授 大澤 健夫
     総長挨拶:名大総長          浜口 道成
     来賓挨拶:愛知県教育委員会      小島 寿文

     表彰状授与(コンクール、論文賞の順)

     コンクール(高校生部門)

     大 賞:大手前高校3年 澤田 晃一郎
     優秀賞:東海高校1年  杉本 暁彦
         東海高校2年  武藤 康史
         高津高校1年  バセダ メヘディ 保
         大手前高校2年 藤澤 卓馬
         岸和田高校3年 石川 勝巳

     コンクール(中学生部門)

     大 賞:愛知教育大学付属岡崎中2年 丸山 泰
         東海中学3年        中西悠馬
     優秀賞:東海中学3年        久留宮 徹
         東海中学3年        青木 雄大

     論文賞

     大 賞:南山高校3年        武田 久輝
         東海高校数学研究会   2年武藤 康史 因田 知弘
                     3年片岡 武典 石田 哲也
                       只野 之英 館 祐樹
                       服部 貴也


 コンクールならびに論文賞に参加してくださった全ての方々へ。

 受賞者された方々、おめでとうございます。来年は今年以上の成績を上げられるよう、さらに1年精進してください。
 惜しくも、入賞を逃した方々、来年は入賞できるよう、さらにご精進下さい。
     
  

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第20回日本数学コンクール無事終了致しました。

2009-08-10 | 日本数学コンクール
8月9日 日本数学コンクール無事終了致しました。参加いただいた生徒諸君、お疲れ様でした。スタッフの皆様、ご苦労様でした。11月3日表彰式で会いましょう。

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1991年第2回日本数学コンクール 問題と講評より 御挨拶

2009-07-17 | 日本数学コンクール
1991年 名古屋大学理学部数学科四方教授による挨拶文です。


御挨拶


「よくやってくれましたね。有難う。」これがいまの正直な感想です。
実は、コンクールのすぐ後で方々の大学で大学院の入試が行われたのですが、「コンクールの問題の方が難しかったようだね」という評を何人からか聞きました。こんな凄い問題に、クーラーも効いていない教室で、あの暑い一日を取り組んでくださった方々のファイトに本当に感謝しています。幸いにも賞を差し上げられた方々はまだいいのですが、そうでなかった方々にはチョッピリ申し訳ないと思っています。
 でも賞だけがすべてであるはずはありません。多少キザッぽくて、そして、昨年も同じことを申し上げた記憶があって、ここで書くのはイヤなのですが、一番大切なことは、こうした答えもないような問題に対して全力を投じて頑張って頂いたという事実そのものなのです。そして、6時間の苦闘の後で、ヤッタゾという気持ちとか、何かサッパリとしたようなものが心に残った残ったとすれば、ケチクサイ賞とかなにかではなく、それこそが私どもが差し上げられる最高の贈物だという気がしてならないのです。
 これから大人になると分かることなのですが、学問の世界はおろか、人生なんて答えのない問題のかたまりなのです。それも超難問ばかりです。私自身エラそうなことを言えるがらではありませんが、きっと、一番大切なことは、それをうまく解決してモウけることではなくて、全力をつくして頑張るということなのです。
 とすれば、あの日、あの難問に最後まで取り組んでくれた方々、そして、なにかヤッタゾという気持ちをもって帰ってくれた方々には、目には見えないでしょうが、学問の世界へのパスポートを、私どもの最高の贈物を、受け取って頂いたように思うのです。どうか、せっかく手い入れたこのパスポートを失くさないでください。モウかるかどうかは保証しませんが、21世紀は諸君のこのファイトの上にこそ築かれて行くと信じているのですから。
 最後になりますが、この事業を蔭から支えてくださっている皆様に心からお礼申し上げます。また厳しい財政事情は次の方々からのご支援、ご協賛によって辛うじて切り抜けることができました。特にお礼申しあげます。

   「数学と数学教育を考える会」を代表して  四方 義啓

        -ご支援を頂いた方々ー

 名古屋大学創立50周年記念財団      松下電器名古屋研究所
 テレビ愛知               三菱電機株式会社
 中日新聞本社              日立製作所
 名古屋ライオンズクラブ         富士通中央研究所
                     オリピンピア

本年20周年を迎える「日本数学コンクール」の第2回問題と講評より再録しました。

四方教授の思いは、今に続いています。

 当時の生徒諸君がその後どの様な人生を送られたのか、気になる所でした。幸い、第18回日本数学コンクール開催日当日、第2回の大賞受賞者のお一人であるS氏(当時東海高校2年生)が奥様とともに来名され、久々にコンクール会場を見学されました。

当日、その後の人生について、話された一部をご紹介致します。

「現役で東大理Ⅰに合格、数学科に進み確率論をK教授に学びました。卒業後は外資系金融企業に就職し、その企業からアメリカ合衆国のコロンビア大学大学院に派遣留学させていただきました
日頃は確率微分方程式を駆使して、金融商品を開発しています。
 今日こうして久しぶりに、数コンに参加してみまして、ここが自分のホームポジションなのだと、実感を新たにしました。後輩の皆さんにも数学の楽しさを満喫していただけたらと思います。私自身、数コンを通して、他校生と知り合いになることができ、その後の人生で大切な交友関係が築けたことも、お伝えしたいですね。」

貴方も、是非、日本数学コンクールに参加、挑戦しませんか。


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