おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

追悼 長友啓典氏

2017年05月24日 | 日記--感じたことなど
今年の3月、グラフィックデザイナーの長友啓典氏が他界された。
僕は新聞でそのことを知った。
病気と戦っておられたのは知っていたが・・・




長友氏と初めてお会いしたのは2002年だったと思う。黒田征太郎氏とK2というデザイン事務所を開いておられた。二人の天才の名と共にK2は業界では知らないものがいなかった。そんな大御所に、僕の初めての作品集である『GENESIS』とその写真展のポスターまでデザインして頂いた。東京都写真美術館で開かれた個展『GENESIS』のオープニングでは、ユーモアを交えた素晴らしいスピーチをして下さった。金髪でシャンパン片手に豪快に笑う姿が懐かしい。
高名さに関わらず本当に気さくな方だった。『おれは土門拳になる』『天狗の棲む山』のデザインも全て長友氏だ。僕が今も大切に使っているマークもご好意で作って下さった。『神の宮』もお願いしたかったが、事情があって叶わなかった。残念だ。
僕が会員として所属しているエンジン01でも積極的に活動しておられた。なんでも“楽しい”に変換して周りまで楽しくさせる特殊な才能を持っておられたと思う。やはり大阪生まれの血だろうか・・・

デジタルへの移行で、写真同様グラフィックデザインの世界も大きく変わった。パソコンの画面上で簡単にやり直しや加工が出来る。情報も世界中から集まる。そんな時代にホンモノを追求するのは難しいのかも知れない。
長友啓典氏は間違いなくホンモノだった。仕事も遊びも生き様も。
ご冥福を心よりお祈りする。