おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

伊勢へ参る  2009年2月2日

2009年02月02日 | 日記--感じたことなど
今日、伊勢神宮の『第62回式年遷宮』にまつわる行事の一つ「萬度麻奉下式(まんどぬさほうげしき)の撮影に行った。これは、神宮の表玄関である宇治橋の架け替え工事の前に、擬宝珠内(橋の欄干にある飾り)に納められている「萬度麻」を取り出す儀式だ。*萬度麻は、橋のお守り。
神宮では、20年毎に遷宮が行われる。出雲大社の遷宮は、お屋根や傷んだ箇所の修造が主だが、神宮ではお社はもとより前述の宇治橋や鳥居、御神宝類まで全てが新調される。それは、建物の老朽化で建替えが必要ということもあるが、それよりも、神様のお住まいが常に清浄で新しくあることは、神の生命力が蘇り活性化すると考えられ、それとともに日本もまた新しく生まれ変わるという祈りが込められている。また、作り替えることによって、日本の至宝とも言える伝統工芸や技術を衰退させることなく後継に伝えるという役目も担っている。
自然の摂理に従えば、悪い事をすれば必ずその報いを受けるという。現代の世界的な不況は、環境のことも考えず消費生活を満喫して来た僕たちへの警鐘ではないだろうか。
ただ、“起ることはすべて善き事の為に起る”と敬愛する恩師の一人は宣う。
ならば、この厳しい時代の先には、必ず光明が待っているはずだ。
「天の下造らしし大神」と称えられた大國主大神様をお祀りする出雲大社と、“国譲り”によって受け継がれた天照大神様をお祀りする伊勢神宮。日本の礎であり、心の故郷であると言っても過言ではない大社と神宮が2013年という同じ年に遷宮を迎えるのは果たして偶然だろうか・・・
僕たちの社会も、遷宮とともに生まれ変わるべきかも知れない。

この時代に生き、両遷宮の撮影を許された写真家として、遷宮の真意を内外に伝えることが僕の使命だ。今は、まだ写真を公開出来ないが、近いうちに発表しようと思う。お楽しみに。

【遷宮とは】神社の本殿を造営・修理する際、ご神体を移すこと。