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中判と35mmフィルム

2018-07-22 06:50:11 | フィルムで行こう
現像液を新しくしたことで、また黒白フィルムの撮影を再開しています。35mm判撮影もカメラが可搬性に優れますのでよく使う傾向にあるのですが、中判フィルムもフィルム装填と取り外しに多少のコツがいるだけで、手持ちでも充分に撮影が行えます。現像液が新しいうちは中判フィルムのように広い面積でも、ごみの付着が少なくて結果に満足できます。

35mm判フィルムがパトローネに入っているために、撮影後は巻き取って取り外しておけば、光がかぶってしまうことはありません。撮影後はポケットに入れて持ち運ぶことが出来ますし、ケースに入れておけばなおさら安心ということになります。世界中どこに行っても35mm判フィルムがありますから、入手に関しても問題がありません。

対して中判の120フィルムは、今ではメジャーなカメラ店でも置いてある所が少なくなりましたし、探すのに一苦労といった感じです。幸い良く行くカメラ屋さんで常時在庫していますから、結構助かっているといった感じです。後は通販しかないのですが、これも時代の流れと割り切って、時間に余裕を持って入手するようにしています。

フィルムの感光剤やベースのプラスチックは同じですから、写りも同じ雰囲気かというと結構違います。35mm判フィルムの描写を期待して中判フィルムを使うと結構がっかりとした感じになりますし、逆に中判フィルムの作品を見ていて、これと同じ様な雰囲気を35mm判でといったことも出来ません。

何しろ35mm判フィルムと6×6判を比較すると、面積的には4倍になります。レンズの焦点距離は半分になってしまいますし、ボケも2倍ほどやわらかくなります。このために、35mm判レンズではパン・フォーカス撮影が簡単に行えるのに対して、中判カメラではいくら絞り込んでも被写界深度が大して広がらないことになります。

フィルムには粒子がありますから、結構柔らかく写るのですが、中判フィルムになると粒子よりもサイズが桁違いに大きくなりますので、ほとんど無粒子といった感じになります。ISO400のフィルムでも35mm判超微粒子フィルムの様になりますから、粒子感を出した荒々しさという表現は、現像プロセスを含めて想定外のことを行わないと実現できません。

代わって35mm判フィルムでは、超微粒子フィルムを用いても、全紙拡大まで持っていくと粒子が目立ってきます。細かく写すことがあまり得意では有りませんので、むしろ撮って出しを程よいサイズで行うと好結果になります。A4サイズの紙が多く出てきましたので、引き伸ばす際はこの位に伸ばすと丁度良い感じになります。

その様な感じですから、中判フィルムは大きく伸ばしたり、拡大トリミングを行って効果が出てくるといった感じです。データ自体が4,000万画素級ですから、パソコンが悲鳴を上げるようなデータ量で処理時間も極端に遅くなります。しかし、この画像をあまり小さくサイズダウンしてしまうと問題が起きてきます。

細かく表現している部分が潰れてしまって、のっぺりとした表現になってしまうことが多くなります。コンパクト・ディジタルカメラで撮影したようになってしまって、35mm判カメラのようなある意味力強さがそがれてしまいます。大伸ばしにすることで始めて真価が現れてくる感じです。同様の考え方で6×6判のフィルムを35mm判フィルムの面積だけクロップすると、力強さが出てきます。

中判カメラ自体、風景描写には圧倒的なメリットを誇る反面、近接撮影ではあまり拡大倍率が上がりません。このために近接撮影ではある程度大きく写して拡大トリミングを行うことがあります。この場合は35mm判カメラと同じ様な描写になりますが、少しボケ味は大きくなる印象です。

適材適所な感じで、色々撮影して描写の雰囲気を覚えておくと、被写体に最適なカメラを選択することが出来て便利です。立体感も出しやすいのが中判カメラですから、撮影に柔軟性が持たせられてとても便利です。コンパクト・ディジタルカメラから中判カメラまで、色々有りますが、使い分ける事が大切と感じています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon MC 150mmF3.5
撮影データ:1/250sec F8 Rollei Retro400S
風に揺れるふうちょうそうの花が咲き始めると夏が来たと言う感じです。背景も良くぼけてくれて立体的に表現できるのが中判フィルムの特徴です。
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