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歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Takumar 50mmF1.4

2019-11-21 07:07:21 | タクマー・レンズ
かなり評判のアトムレンズで、トリウムレンズを使用してコンパクトな大口径レンズを実現しています。スーパータクマー前期型では、トリウムレンズを用いない少しファットなレンズも存在していましたが、SMCペンタックスレンズまではトリウムレンズを使用していた模様で、放射線量も多少違っているのですが、レンズが見事に黄変しています。

初期のスーパータクマーが一番含有量が多かったと思われ、放射線量もかなり多いのですが、SMCタクマーに変わったころから含有量もかなり減ってきて、黄変の度合いもかなり少なくなっています。SMCペンタックスMレンズからはレンズ構成の改良が進められましたので、トリウムレンズは使われていないと考えています。

かなり話題になるアトムレンズなのですが、放射線量からするとSMCタクマー35mmF2の方がかなり強くて、黄変度合いもかなり大きいので敬遠されてしまったという感じです。しかし、このレンズもSMCペンタックスMレンズからは大幅な構成変更が加えられましたので、アトムレンズではなくなりました。

黄変の度合いがそれほどでもないのですが、昼間に撮影しても夕方の雰囲気に写ってしまいます。現代ではホワイトバランス効果が高いディジタルカメラばかりですので、AWBのモードにしてしまえば見たままそのままの結果になってしまいます。黄変してしまったレンズも現代のディジタルカメラでは難なく使えます。

放射線量という観点からすると気持ちの悪いレンズであり、体への心配もあるのですが実際のところは1年間ほど肌身離さず皮膚にレンズ後端をくっつけていれば、それなりの影響があるかもしれないといった感じです。普通そんなことはしないですし、あまり関係はなさそうなのですが、小さなお子様からは遠ざけておいた方がよさそうです。

黄変の方も夏の日差しをレンズ後端に当てれば、かなり軽減されます。トリウムレンズはレンズ後端部分に位置していますので、私自身も一番紫外線量が強くなる梅雨明け直後に試したところ、かなり薄くなりました。2日間くらいかけて外に置いておいたのですが、効果はある程度あるようです。

流石にトリウムレンズを使ったニッチな標準レンズなのですが、写りの方はいまいちしっくりとこない部分があります。描写性能を追求しすぎたという感じで、確かに細かな部分までよく写るレンズなのですが、ボケの柔らかさや変形といった雰囲気描写の部分ではあらが目立ってしまいます。特に流れボケになってしまう傾向が強くて、撮影時には注意が必要です。

それからすると、同じトリウムレンズを使っているのですが、程度の軽いSMCタクマー55㎜F1.8のレンズの方が自然な描写をしてくれる印象です。過ぎたるは及ばざるがごとしといった感じで、力みすぎといった描写を感じるレンズです。しかし、遠景や中景の描写ではち密に描写してくれますので、ボケ味という観点が出てくるシーンの撮影では背景に注意する必要があるということになります。F1.4の大口径レンズの特徴がよく出ていて、立体感をかなり良く出してくれるレンズなのですが、ぼけた背景の形によっては注意する必要がある印象です。

絞り開放からある程度解像感が出せているレンズであり、夜のスナップ撮影も被写界深度が浅くなる事を認識していれば、かなり使えます。今回は、水場のミゾソバという少し薄暗い雰囲気を想定していましたので、このレンズを持ち出しました。背景にざわざわしたものを持ってこないと、ふんわり一様なボケを得ることができます。今年のミゾソバの撮影もかなり良い雰囲気で撮影する事が出来ました。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-1 SMC Takumar 50mmF1.4
撮影データ:1/250sec F2.8 ISO200
夏の盛りに白い花を咲かせていたやぶみょうがも、今では黒い実をいっぱいつけています。実が黒く熟すと秋が深まってくる印象です。
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