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サーベロRcaのフレームに対する一考

2013-04-25 22:00:55 | フレーム調査
サーベロRacが面白い。


まず、サーベロのHPに載っていたこの解析。(コンター図)

赤い所が正圧で、青い所が負圧。正圧は前から押してくるような空気抵抗で、負圧は後ろに引張られるような抵抗になる。


注目は、シートポストの所。

狭い脚の間(股間)を通った、流速の速い空気の流れが、シートポストを直撃していますね。

TTバイクは、よくシートポストを流線型にして、サドルから垂直に立てているモデルが多いもんですが(P3とか)、これは、流速の速い股間からシートポストを離して、且つ空気抵抗を下げる狙いなんですね。

これは、メタボライダーには、哀しいお知らせですね。

メタボになり、太ももが太くなると、より股間が狭くなり、流速が上がります。メタボライダーは、
ガニ股でTTした方が、空力的には有利なのかも・・・。



予想外だったの、はオシリの所。

先に書いた通り、負圧の発生箇所は「尾てい骨あたり」だと思っていたのですが、どうやら、「ケツの穴下あたり」に負圧が発生するようです。

きっと、サドル下の股間を通った速い空気の流れに引きずられて、負圧発生ポイントが「尾てい骨付近」から「ケツの穴付近」に移動したと思うのですが、となれば、先の屁ブーストは、リアルに「ケツの穴付近から噴射」した方が、効果は高いと思われます。いっそ、サドルに穴を空けて、そこから噴出した方が、より効果的かもしれません。
絶対にUCIが認めないと思いますが…。


その他は、お腹の下も負圧ですね。
TTでは、「多少なりとも、だぶつく普通のジャージ」ではなく、「ピチピチのワンピース」を着てくる訳ですね。
いっそ、胸の辺りにディンプル加工した方が、抵抗は減るかもしれません。

これは、メタボライダーには朗報ですね。出っ張ったお腹のお陰で、負圧が発生しません。
なので、痩せているTTライダーは、出走前に、大量に水を飲んで、お腹を膨らませておくと、タイムが上がるかもしれません。
でもって、後でお腹が痛くなったら、折角、ケツの穴付近に穴が開いているのですから、「必殺、屁ブースト(中身アリ)」で更にタイムを稼ぎましょう。・・・失格になると思いますが。



で、本題は、Rcaの話。

Rcaはそのシートポストを、半円形状にしてきたんですね。

これは、先に書いた、コーダ・トロンカですね。後ろをズバッと切ることで、空気抵抗を増やさない(層流の剥離を遅らせる)狙いです。
本当は流線型がいいのですが、そうなると、リアタイヤがシートチューブから離れてしまうデメリットがでちゃいます。これで、ディメンジョンに影響を与えることなく、空気抵抗は上げないとの、まぁ、苦肉の策なんでしょうね。(HPには、上手く書いてますが)


次は、空気抵抗ではなく、フォークのコラムの表面処理の話。これも苦肉の策ですね。

多分、フォークを軽量化する為に、含有量の多いカーボン樹脂(CFRP)を使っているんだと思うんです。具体的には、カーボンの繊維長を長くする長繊維カーボンなんかを使えば、引張り強度は上がり、軽量化ができます。

この長繊維カーボンのデメリットは、表面精度。悪いんですよ。
表面精度が悪いと、軸受けとなるコラムとしては、イマイチです。ちゃんとベアリングに当たらないので、局部的に面圧が上がってしまうかもしれません。

これを解決する為に、カーボン樹脂の上に、金属メッキをして、表面性状を整えてやる。まぁ、理屈としては、理解できますが、樹脂の上に強度の出る、密着性の良い表面処理って大変だったでしょうね。


とまあ、サーベロRcaも、感想としては、「よく考えた最適解の一つ」なんでしょうね。発想の飛躍はありません。

これで、値段はフレームだけで147万円。
うーん、値段だけは、飛躍してるかも・・・。


今日はここまで