南信州のりもの倶楽部♪

バックオーダーをいただき過ぎたため現在オーバーホールのご依頼は受け入れを一旦停止しています。

モダンワークス製4バルブヘッドを調べる その2

2015年12月07日 20時31分03秒 | 輸入横型エンジン編


前回に続きモダンさんの4バルブヘッドのお話。

バルブスプリングなんだけど不等ピッチになっていて一応上下方向がある。
写真のように巻きが細かい方が下にして組むんだけど、
間違うとサージングの原因になるから気を付けよう。









また分かりにくい写真で申し訳ないけど、
簡単にバルブクリアランス調整をしたらまたオーバーラップ状態にしてみる。

ちなみにオーバーラップと言っても組む場所はそれぞれで、
例えばバルブの両方のリフト量が同じオーバーラップもあれば、
バルブの傘の出方が同じオーバーラップもある。

当然後者はオーバーラップとは言わないかもしれないけど、
タイミングのズレが全く無い場合後者の方が安全だったりする。
バルブの傘ってイン側の方が大きいからその分飛び出すところを、
あえて飛び出させずリセスとの距離を取る組み方だからね。
でもカムチェーンの張りが甘くなってるとやっぱりブローだけど。









ピストンに掘られている矢印は下にして組む。
まぁリセスの大きさで分かるねんだけど一応ね。

ちなみに私がエンジンを組む場合、
初期潤滑不良対策のためにモリブデン入りのペーストを使っている。
ピストンにもサイドにはモリブデンの塗装みたいなのがしてあるからなんだけど、
あれも直ぐ剥がれるからホントに初期のためなんだと思うわ。









ピストンをトップにしてヘッドはオーバーラップ状態で組んだんだけど、
スプロケのズレも無く、カムスプロケの穴の範囲でバルタイが出せた。

カムスプロケの穴の中の範囲で好きなバルタイを出すのはアリだから、
カムスプロケのボルトを緩めて調整するのはオススメ。
当然エンジンをバラさず出来るから逆に試してもらいたいかなぁ。














そんな訳でエンジンは完成。
やっぱり4バルブともなると中華エンジンでも存在感は凄いんだわ。
しかも横型エンジンに乗ってる人のほとんどは4バルブを知らずに終わっているから、
逆に俺なんかは幸せ者だな。




んで、モダンワークスさんとは付き合いが全く無いワタクシがこんな事言うの何だけど、
もしこのヘッド欲しかったら直ぐに買う事。
たった5万円で4バルブなんて安過ぎるし、
圧縮比を気にしなければスタッドボルトが中華ピッチのエンジンには使えるからね。

タイガーエンジンでもロンシン125ccでもWIN120でも中華150ccでも4バルブになる。

多分だけどこのヘッドは早い者勝ち。
モダンワークスさんの事だから売り切ったら終わりかもしれないからお早めにね。
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モダンワークス製4バルブヘッドを調べる その1

2015年12月06日 21時18分31秒 | 輸入横型エンジン編


今日からモダンさんの4バルブヘッドを研究してみる。

まずロッカーアームなんだがローラーロッカーで、
しかもアルミ製だからやたら軽い。
そして良く見てもらいたいのがレバー比が1:1ではなく、
カムのリフト量よりもバルブのレフト量が多くなってるのが分かるね。

ちなみにロッカーアームにはイン側とエキゾースト側があるみたいだから間違えないように、
と言うかアーム自体に刻印があるからすぐ分かるんだけど。









カムを外す場合はベアリングの外周にはまっている大きなCリングを外せば外れる。

まぁ外し方分からずしばらく悩んだんだが(笑)









カムのプロフィールはこんな感じ。

ちなみにこのカムは本家のと交換出来るのかなぁ?
本家のを買ってはみたいがやたら高く人柱になるにはリスキーだから、
もう少し調べてから買ってみるつもり。









バルブを外して分かったんだが、
エキゾースト側よりイン側のバルブ長が長い。
つまりイン側の方がさらにリフト量があるみたいで、
でもバルブスプリングはどちらも同じっぽい。









いつものように平面研磨してみたが、
いつもいじってる中華エンジンと違って磨く必要無かったかも。

ちなみに研磨と言っても0.01ミリ磨くかどうかのレベル。
ヘッド面にストレートゲージを当てて、
1番低そうな燃焼室とカムチェーントンネルの敷居に0.05ミリのシックネスゲージを入れても、
当然入らないくらいのクリアランスで、
それでもキッチリ磨いてると1時間近くかかったりするから、
なかなかの労働量なんだなぁ。



次は組み立てながらまた説明して完成させてみる。
また見て下さいな。
コメント (5)
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GPX125エンジンのオーバーホール その7

2015年12月05日 20時42分01秒 | 輸入横型エンジン編



少し前に初期オーバーホールしたGPX125エンジン。
納品したけど結局エンジンがかからずまた再入庫となった。

このついでにジェネレーターの舐めてしまったネジを交換し、
ヘッドはモダンさんの4バルブに交換になったんだけど、
エンジンがかからなかった原因が分からないから、
先ず圧縮と組み間違いがあるか点検してみたんだけど、
神経質なくらい点検しまくる俺が組んだエンジンだから、
組み間違いも無く圧縮もありバルブも曲がってなかった。
つまり原因は他にあるんだけど、
エンジンがかかる3大条件の良い圧縮は大丈夫みたいだから、
良い点火か良い混合気のどれかが欠けている事になるね。











俺がよくやる擦り合わせ後の点検で、
燃焼室から強い光をあててポートを覗き光が漏れていないか、
それとポートからパーツクリーナーをぶっかけて漏れが無いかを確認している。
当然どちらかがダメなら擦り合わせのやり直しなんだけど、
酷いバルブとバルブシートになると光が漏れるのが直ぐ分かるから擦り合わせ不良が分かりやすい。

で、このヘッドなんだけど1万円で下取りしたいとリクエストしたら売っていただける事になった。
当然中華ピッチのエンジンにしか使えないけど、
ウチは中華エンジンが専門みたいなもんで全く困らないから、
もしGPX125ccエンジンを4バルブにして2バルブヘッドを売りたい方は是非♪










4バルブを組むの前提だったからエンジンが来る前にモダンさんに注文しておいた。
なぜ2つ有るのかは1つが俺のだからで、
写真の部品代だけで10万超えてるんだけど、
それでも安いんだよなぁ。

これは俺の推測なんだけどモダンさんはあまり在庫を持たないと思われるから、
まだ在庫があって欲しいと思ったら無理してでも買っておいた方が良い。
俺も今まで何回後悔したか分からないくらいで、
13万するGPX143cc4バルブフルコンプリートを買っておけばと未だに後悔してるからね。
あのエンジンの内容で13万は安過ぎだからまた作ってくれんかなぁ…
次は絶対買うからモダンワークスさんよろしくお願いします。


次はからはGPX用4バルブヘッドの初期オーバーホールについて書くから、
気になる人と買う予定の人はお楽しみに。






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ゾンシェン155ccコンプリートエンジンのオーバーホール その6

2015年12月03日 22時00分49秒 | 輸入横型エンジン編


完全に書くの忘れていたがゾンシェン155cc改4バルブヘッドの組み立て。
とっくに終わってはいるんだけど書いておかないともったいないもんね。

しかしシリンダーはメッキだしピストンは65ミリもある鍛造だから贅沢だよねぇ。









お次はヘッドなんだけど、先にバルタイの事を考えてオーバーラップ状態にしておく。

ちなみこの4バルブはバルタイがやたらズレていると言われており、
モダンさんのブログでも簡単なバルタイの出し方が載ってるくらいだけど、
俺は俺のルールでバルタイを出してみる。

まずピストンをトップに合わせカムはオーバーラップ状態で組み、
そこで1番近いカムスプロケの山にチェーンをかける。









するとホントに1コマズレたくらいになっている。

ちなみにこの状態ならバルブとピストンは当たらないんだが、
良く見るともう少しズレた状態の方がシックリくるから、
ここからは長穴にして完璧なバルタイを出す。









長穴にすると言ってもカムスプロケの素材が超絶硬いから凄い苦労した。
リューターの歯を1本ダメにしたくらいだからねぇ。

んで、このバルタイってのはバルブが完全なオーバーラップで、
ピストンはトップだからバルブとピストンが1番近いんだけど、
ピストンのリセスがあるから逆にここが1番安全な状態。
つまりこうやっていちいちバルタイを出した方が安全なエンジンになると言える。








カムチェーンテンショナーの付け方なんだが、
テンショナーを外した状態ってのは中のスプリングが出切ってるから、
真ん中のボルトを緩めてスプリングをフリーにして出切ったテンショナーを戻してからシリンダーに装着する。
そうしないとシリンダーのネジ穴を痛めるよ。

本体をシリンダーに付けて真ん中のボルトを締めるとバネの力で勝手に良いテンションにしてくれる。
分かれば簡単な構造だな。












そんな訳でエンジンは完成。

今回もポート研磨はしてないし、クランクも無加工の完全に素組みなんだが、
代わりにバルタイはしっかり出したりヘッドとシリンダーの平面研磨などをしたりと、
パワーがどうこうより信頼性を上げて組んだつもり。
チューニングなら俺より上が居るからこっちは耐久性で勝負だ。

このエンジンを使うにあたり気をつける事はケッチンをしないようにする事。
これに尽きるかなぁ。
プライマリキックのエンジンは全部そうなんだけど、
始動でしくじるとプライマリギア近辺が絶対に痛むから、
正しい始動方法を身に付けてほしい。

今回でゾンシェン155ccは終わり。
次は元気に動いてる所を見てみたいし、実際に乗ってみたいね。
コメント (1)
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ギアが飛ぶならこれをチェック

2015年12月02日 21時11分59秒 | 輸入横型エンジン編



この間エンジンを組んでる時の事。

クランクケースを閉めてミッションの確認をしていたんだが、
中華エンジンによくある2速へのシフトダウンでニュートラルにスコンと入ってしまい、
それがまたホントに軽々と入ってしまい、
コレはさすがにドラムストッパー交換じゃダメかなぁ…
と思いながらもいつものように国産のストッパーを買って付けてみたんだけど、
いやぁ、凄いね。
コレだけで本当に直ってしまった。

今まではニュートラルに入るか入らないか、くらいだったけど、
今回のは見事にギア飛びするから諦めてたんだが、
やっぱりこれで直るんだねぇ。

ギア飛びの原因はストッパーの2ヶ所の穴の位置が悪く、
シフトダウンでドラムを進め過ぎるからで、
もし3速からのシフトダウンでニュートラルに入ってしまう場合は、
騙されたと思って先ずシフトドラムストッパーを国産品に交換してみよう。
コレだけで修理出来たエンジンを何機も見てきたから、
むしろ自信があるくらいだ。

んで、今日は超多忙で趣味は何も出来ず、
さらにまた酔っ払ってるからここまで。
今週はすでに予定がいっぱいで、
雪降るかもしれんからまた忙しくなりそうだ。

これからエンジン3機作らなきゃなんだけど時間が作れない…

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