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ゾンシェン155ccコンプリートエンジンのオーバーホール その6

2015年12月03日 22時00分49秒 | 輸入横型エンジン編


完全に書くの忘れていたがゾンシェン155cc改4バルブヘッドの組み立て。
とっくに終わってはいるんだけど書いておかないともったいないもんね。

しかしシリンダーはメッキだしピストンは65ミリもある鍛造だから贅沢だよねぇ。









お次はヘッドなんだけど、先にバルタイの事を考えてオーバーラップ状態にしておく。

ちなみこの4バルブはバルタイがやたらズレていると言われており、
モダンさんのブログでも簡単なバルタイの出し方が載ってるくらいだけど、
俺は俺のルールでバルタイを出してみる。

まずピストンをトップに合わせカムはオーバーラップ状態で組み、
そこで1番近いカムスプロケの山にチェーンをかける。









するとホントに1コマズレたくらいになっている。

ちなみにこの状態ならバルブとピストンは当たらないんだが、
良く見るともう少しズレた状態の方がシックリくるから、
ここからは長穴にして完璧なバルタイを出す。









長穴にすると言ってもカムスプロケの素材が超絶硬いから凄い苦労した。
リューターの歯を1本ダメにしたくらいだからねぇ。

んで、このバルタイってのはバルブが完全なオーバーラップで、
ピストンはトップだからバルブとピストンが1番近いんだけど、
ピストンのリセスがあるから逆にここが1番安全な状態。
つまりこうやっていちいちバルタイを出した方が安全なエンジンになると言える。








カムチェーンテンショナーの付け方なんだが、
テンショナーを外した状態ってのは中のスプリングが出切ってるから、
真ん中のボルトを緩めてスプリングをフリーにして出切ったテンショナーを戻してからシリンダーに装着する。
そうしないとシリンダーのネジ穴を痛めるよ。

本体をシリンダーに付けて真ん中のボルトを締めるとバネの力で勝手に良いテンションにしてくれる。
分かれば簡単な構造だな。












そんな訳でエンジンは完成。

今回もポート研磨はしてないし、クランクも無加工の完全に素組みなんだが、
代わりにバルタイはしっかり出したりヘッドとシリンダーの平面研磨などをしたりと、
パワーがどうこうより信頼性を上げて組んだつもり。
チューニングなら俺より上が居るからこっちは耐久性で勝負だ。

このエンジンを使うにあたり気をつける事はケッチンをしないようにする事。
これに尽きるかなぁ。
プライマリキックのエンジンは全部そうなんだけど、
始動でしくじるとプライマリギア近辺が絶対に痛むから、
正しい始動方法を身に付けてほしい。

今回でゾンシェン155ccは終わり。
次は元気に動いてる所を見てみたいし、実際に乗ってみたいね。
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1 コメント

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もう1つ (pit長)
2015-12-04 13:58:42
安心を増すなら、オイルフィルターを更にもう1個追加した方が良いですよ

初めの頃はビックリする位、鉄粉が出ますよ
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