南信州のりもの倶楽部♪

バックオーダーをいただき過ぎたため現在オーバーホールのご依頼は受け入れを一旦停止しています。

真夏のエンデューロでは保険証と遺言状を忘れずに

2008年07月07日 14時34分28秒 | イベント、ツーリング参加
やぁ。昨日のレースで小学生より体力無い事が分かってしまった「のりもの倶楽部」南信州版です。
って言うか今生きてブログ書いてる事に感謝しなければ。

昨日、日本一ゆるいと言われる「ガルルフェスティバルin長和」に行ってまいりました。
我がチームでは、CR80にToo'sさんとその奥さん、
CR125にスーさんと僕の、2台体制でのエントリー。
共に完走のみを目指します。

この日は雨の翌日と言うこともあって凄い蒸し暑さ。
路面はレースの名前通りユルユル。
参加した事を後悔しました、あの時に…

上の写真はドライバーズミーティングの時の物で、
スタッフの方は何やら変なズラ被ったり女装したりしてる人多数。
雰囲気だけはユルイけど初心者の僕にとって内容はハードな物で、
90分クラスで1周出来なかった人もいるみたいです。
当然僕もその一人…

※ ここで貸していただいたバイクの写真を入れようと思いましたが
  チームの方に迷惑がかかるといけないので自粛

僕とスーさんは話し合いの結果、3周したらピットインを繰り返す作戦で、
まずはスーさんが先行で走ります。
しかしユルイ路面と渋滞のため2周でピットイン。
2周走れただけでも僕にとっては神ですけど。

ライダー交代していよいよ僕がコースに出るものの、
初めてのCR125でしかも凄いパワー。
アクセルを半開にするのがやっとで、
坂道でパワーバンドを外れると大変な事になります。
当然僕は坂を登りきれずに何回かバイクを押してもらいました。
そしてここから僕の地獄が始まります。

コースを半分くらい走った所でいよいよ気持ち悪くなり、
バイクを木に立てかけて休憩。
気分は一向に収まらず、水すら持ってないので、
まずは体温を下げようと服を脱ぎ捨て横になる。
ここで何人かが通りすぎて水を恵んでくれたりするも、
なぜか飲む気にならず、一人ぼっちになった所で、
Too'sさんの携帯へ電話とメールをして助けを呼ぶも、
本人は走ってるみたいで応答なく、
ここでいよいよ体が麻痺し始める。

森の中では目の前をライダーが走り去って行く以外無人。
2ストの未燃焼ガスの臭いが吐き気を加速させる。
助けを呼びたくても誰も居ないし連絡先も分からない。
水も無く孤独感を感じながら木漏れ日を眺め、
気が付いたらもう体は痙攣で動かなくなり、ここで早くも死を覚悟する。

体温が上がりすぎると色々な症状が出てきて、
まずは筋肉の硬直だったかな。
指なんか一本一本が逆関節ではないけど変に曲がり、
鼓動と息が速くなります。
風邪で体温が上がりすぎると間接が痛くなるでしょう。
アレをもっと酷くしたような感じです。

とりあえず携帯電話は持っているので、
嫁に最後の電話しようと試みるが体は動かず、
さらに指が変な方向を向いて携帯すら持てないので諦める。
当然悲しいのだが、体中の水分は枯れ涙も出ない。
遺言くらい書いておけば良かったと後悔したね。

そこで何と目の前を歩いて通る人を発見。
顎の関節も動かないが「世界の中心で愛を叫ぶ」のワンシーンのごとく
全力で「助けて下さい!」と叫ぶ。
僕の人生で初めて「助けて下さい」と言ったと思う。
叫んだつもりだったけど、か弱い声に何とか気付いてくれたらしく、
さらにその方は4リッターくらいの焼酎の容器に水を持っていて、
体や顔に水をかけてもらい、スタッフの方に連絡を取っていただくが、
お礼をしたくてももう言葉が出ない。

話は反れるけど、体にかけてもらった水が、
僕のシャツから蒸発して湯気が出てるのが見えました。
もうこの時点で嘔吐と顔面蒼白を通り過ぎて、
かなりの発熱と意識障害が出てたんだから、
もしこの人が水を大量に持ってなかったらヤバかっただろうな。
本当に運が良かっただけだと思う。

しばらくして手持ちの水が尽きた所で担架が到着。
今まで意識が切れたら死ぬと思っていたので意識だけは死守してきたが、
いよいよ途切れ始めてここからは断片的にしか覚えていない。

担架に乗せられて運ばれる最中、事あるごとに声をかけてもらうが、
遠くで意識はあるものの言葉は当然出ず体はピクリとも動かない。
体は激しく乾燥し始めて痛みも感じなくなり、
ここで意識が途切れ、いよいよ三途の川がクリアに見え始める。
僕の見た三途の川は意外と整備されていて、
コンクリートの橋がかかっており、
川の向こう側ではビルが立ち並んで川沿いを多くの車が走っていた。
河川敷では子供達がサッカーをしている。
なので僕の見たのは三途の川ではなく、
もしかしたら荒川土手だったかもしれない。
意識障害が出てりゃこんなもんだよ、人間なんて。

その後、なぜか体に冷たさを感じて目を開けると、
赤いテントの屋根が見えて、僕を多くの人が囲んで手当てをしてくれている。
ここでやっと「助かった…」と思えた。
スタッフの方の処置は慣れたもので、
少しずつ体が動く余ようになり、
少しだけ会話もできるようになるまで回復。
しかし大事を取って救急車が呼ばれ、病院に担ぎこまれる。

…はずだったのだけどなぜか救急車は発進しない。
耳元では隊員の方が電話でもめているらしく、
付き添いで乗ってくれたToo'sさんは苦笑いしている。
この日は休日で病院の方も満床のためか受け入れを拒否しているようだ。

でもこの時は体力も結構回復していたので、
心では「もう良いですから降ろしてください」と言いたかったけど、
隊員の方が強引に押し切り運ばれる事になる。
その後病院で採血と点滴をしてもらい、
2時間もいない間で何事も無かったかのごとく回復。
手厚くお礼を言い、Too'sさんに電話をして迎えに来ていただいて、
とりあえず会場まで帰る。

会場では閉会式の最中だったのだけど、
夕方になっても蒸し暑く、また顔や手が麻痺しはじめたので、
実はこの時の記憶はあまり無かったりする。
しかしチームの方やスタッフの方にお礼を言いたかったので、
とりあえず閉会式が終るまで待つけど、結構長かった気が…

ココで携帯電話を見たら地元からと思われる電話から不在着信があったので電話したら、
さっき担ぎこまれた病院からで料金を払ってなかったから電話があったみたいだ。
ここでこの日一度目の生き恥を晒す。

閉会式が終わり、スタッフの方にお礼を言いに行ったのだけど、
その方はマイクを持った進行役の方で、
会話全てをマイクが拾ってしまい、会場の人が一気にこちらを見る。
ここで「今日救急車呼んだのは僕ですよ」って事が多くの人に知れ渡ってしまい、
本日2度目の生き恥を晒す。
そこですかさずカメラマンの方が記念に写真を撮ってくれて、
「ガルル買うので是非載せてください!」と言ってみる。
もうどうにでもなれ。

全てが終ったらチームの方とお別れをして病院に戻り、
料金を払って高速でそそくさと帰ったのでありました。
これが僕が昨日体験した熱中症ストーリー。
いかがだったでしょうか?

で、体験してみて知ったのだけど、
人間はあっさり熱中症にかかります。
そして手当てが遅れれば当然命を落とすでしょう。
僕も少し舐めてたかもしれないですねぇ。
なので真夏に運動する人は、朝飯と水分補給を絶対忘れないでもらいたいです。
エンデューロならこれからはキャメルバッグが必需品になるでしょう。
中に入れる物も、ただの水とかではなく、
スポーツ飲料でないと体の塩分濃度が下がるので気を付けた方が良いです。

それと熱中症にかかってしまったら絶対病院に行く事。
僕は採血をされてる時不思議に思い、看護婦さんに質問してみたのですが、
熱中症にかかると筋肉が破壊されて、血中のCPKと言う数値が急上昇するらしいです。
そして熱中症は手当てが遅れると脳梗塞や心筋梗塞で確実に命を落とします。
僕は生きてるのでまだマシですが、
下手すると腎臓の機能障害になり、
短期間でも人工透析する事になるみたいですよ。
なのでしばらくはちゃんとおしっこが出るか観察して、
もし出ないようだったら急いで病院に行くよう言われました。

そんな訳で昨日のレースは、
スーさんは検討するも僕が足を引っ張ってしまいリタイア。
まぁ、僕が人生をリタイヤしなかっただけでもまだ良かったかな。
そして昨日熱中症で倒れて救急車で病院に運ばれたのは全国で180人もいて、
中には無くなってしまった方もいると今日のお昼のニュースでやってました。
僕もその中の一人になってたかもしれないですね。

でもこれだけは言える。
「生きていて良かった! 生きてるって素晴らしい♪」



にほんブログ村 バイクブログ バイク カスタム・整備へ ← 今回で3度目の生き恥を晒してみる。


※チーム員のみなさん、主催スタッフの方々に多大なる迷惑をおかけしました。
心よりお詫びと感謝とお礼を申し上げます。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする