万治の石仏を後にして、今日の宿である扉温泉へ移動の途中、
和田峠を通った。
ボクは、「和田峠~~~~ッ!」と思わず大きな声を出してしまった!
中学1年生のとき、鉱物好きだったボクは、
1泊2日の鉱物採集旅行に行った。
いちばん上の姉が同伴してくれた。
1日目
兵庫県宝塚の家を出発→山梨県大月の近くの竹森鉱山跡の水晶採集→諏訪湖に移動し宿泊
2日目
和田峠の柘榴石を探し→岐阜赤坂金生山の古生代の化石を採り→宝塚に帰る
という、強行軍!
新幹線がない時代だから、ホントに強行軍だったと思う。
今にして思えば、姉はよく付き合ってくれたものだ。
子供の頃に、鉱物博士や考古学博士になりたかったボクは、
いろいろ本を読んでいた。
愛読した崎川範行先生(確か・・)の日本の鉱物に関する著書の中の、
和田峠に関する文章を今も覚えている・・・
「・・・・丸子行きのバスに乗り、和田峠の東餅屋で降りて、少しバス道を引き返し、
小川の砂をさらえると、キラキラとした黒褐色の柘榴石が・・・・・」
冷たい水に足首までつかって、普通の砂に混じった、
キラキラした柘榴石を夢中になって探した!
美しいものは1月の誕生石ガーネットになる。
もちろん、そんな凄いものではないが、
あんなにキラキラした美しい結晶が生まれる、自然の神秘への憧れは、
子供のときも、今も変わらない。
今では、新しくトンネルが2本出来、道路事情が変わっていたが、
出合った人に聞いて東餅屋のバス停に行くと、
中学校のときに、柘榴石の採れる場所を教えてもらった茶店が、
ほとんど当時の、そのまんま東餅屋!残っていた!
茶店の老主人に聞くと、今はもう柘榴石は採集禁止になっているらしい。
この東餅屋の茶店の写真を、その後フランス人と結婚し、
今はパリに住む姉に送ることにした。
最近大きな病気を患った姉は、可愛い弟と二人で行った鉱物採集旅行を、
覚えているだろうか?
鉱物採集旅行の帰り道、
ボクの夢と喜びをいっぱい収めたリュックはかなりの重さだった。
きっと姉は、覚えているに違いない!