大学の教員の仕事の一つに、教育実習生の学校訪問というのがある。
実習校に行って、謝意を述べ、授業を参観し、学生に感想を言うのだ。
一昨日は、名古屋音楽大学電子オルガン専攻のOさんの出身高校での、
音楽の授業を観に行った。
かなりレベルの高い進学校なのか・・・・?
学生は非常に行儀良く、音楽室はとても清潔に保たれ、私語もほとんどなく
良くできたクラスだった。
Oさんは言葉もしっかりし、教材は暗譜できていて、指導の手順もとてもよかった。
「ふ~~ん!なかなかイイ先生やってるじゃん!」
と思っていたのだが、そのうち、ふっと気が付いた。
「ん・・・・?普段の彼女の明るい、フレンドリーな感じがないな~!
要求するばかりになっている・・・・」
そりゃ、そうか知れない。
1時間の指導要領と手順が決められていて、
それに従って授業展開ができているかどうかをチェックされて・・・。
「おそらく、彼女にもジレンマがあるだろうな~?」
と思いつつ、一つの想念が浮かぶ。
ひょっとすると、教育の現場で一番大切なのは・・・・
学生の一人ひとりが、
「ああ~!あの先生は、私のことを本気で心配してくれている。
先生は私を、愛してくれているんだ!」
という実感をもてるかどうか?
ではないかな~?
教師の愛情が感じられたら、音楽も好きになり、やる気も起きるだろう。
もちろん、目の前で展開されている、教育実習の時だけの話しではない。
自分に置き換えて考えた。
「オマエは,一人ひとりの生徒に愛情を持って接しているか?」
リコーダーと合唱指導の授業のあいだ、ずっとそのことを考えていた。
授業終了後、Oさんには、授業展開の良さをほめると共に、
「一人ひとりの生徒が、あなたの愛情を感じられるかどうか?」
という問題提起をした。
充分納得してくれたのがうれしかった。
「愛情を持って、生徒に接する!」
自分に言い聞かせる、この頃です。
* * * * *
そして、Oさんは、昨日次のようなメールをくれた。
<先生今日、実習で合唱指導をしていた時に、何だか生徒との一体感を感じました。私自身がオーバーに楽しんでみただけで、生徒の反応はすごく良くて、通じ合ったような感覚になって、この瞬間、音楽やっていて本当によかったって思いました。こんなにも幸せな気持ちになれるとは思わなくて、実習でこういうのを味わえてよかったです。醍醐味ってやつですかね、味わってしまいました(^-^)V>
うれしかった。
ちなみに、去年の学校訪問のブログは、
2006年6月16・17・22日に書いています。
そちらも見てね~!