マナー研修講師養成研修で、講師の方から聞いた話。
テーマは、応対マナーを身に付けるために必要なものは年齢や経験ではなく、相手の心に気づくこまやかな気持ちだ、ということ。
とあるテーマパークの某レストランのウェイトレス(女子高生)に届けられた、若い夫婦からのお礼の手紙。
お互いにそのテーマパークが大好きだったふたりは、そのテーマパークでデートを重ねて、結婚しました。将来の夢は、子供を連れてそのテーマパークに遊びに来ること。
やがてふたりは、かわいい女の子を授かりました。
もう少し大きくなったら、一緒に遊びにに行けるね。
そう言っていた矢先。女の子はインフルエンザにかかり、脳炎で亡くなってしまいました。
悲嘆に暮れるふたり。
特に、奥さんは塞ぎこんで生きる気力も湧きません。ようやく回復したダンナが、元気を出してもらおうとそのテーマパークに誘っても、まったく行く気がありません。「あそこに行けば元気をもらえるから」と言っても出かける気持ちになれません。
数年経ったある日、奥さんがようやく「・・・行ってみようかな」と口にしました。喜んだダンナは、さっそくふたりでそのテーマパークに足を運び、そこの某レストランの予約をします。
メニューを見ていたダンナはふと、その中にお子さまランチがあることを発見します。でももちろん、それは12歳以下限定メニューと明記してありました。
ダンナは何の気無しに、オーダーを取りに来たウェイトレス(女子高生)に声をかけます。
「お子さまランチって頼めないんですよね」
お子さまランチは12歳以下限定です。
そう答えていいはずです。
でも、そのウェイトレスはこう言いました。
「お客様、何故でしょうか?」
そこでダンナは、話す気があったわけでは無いけれど、ふたりの想い出と娘のことを話します。
と、ウェイトレスは言うのです。厨房に退がって質問するでもなく、上司に確認するでもなく、若い夫婦に言うのです。
「喜んでお持ちいたします!」
それから、二人掛けのテーブルにつく夫婦の横でごそごそと準備をしていたかと思うと、ふたりはそのウェイトレスに呼びかけられます。
「こちらへどうぞ」
そこはファミリー席。ふたりの椅子のほかにもうひとり、子供のぶんもセッティングしてあります。そして若いウェイトレスの女の子は、空いている椅子に声をかけて戻っていきました。
「いま持ってくるから、もう少し待っててね」
しばらく後、お子さまランチを運んでくると、ウェイトレスは子供の席にそれを配膳して、とびきりの笑顔を浮かべます。
「今日は楽しんでいってね!」
あのとき、確かに、私たちは娘と一緒にあのレストランに来ていました。素敵な想い出を、ありがとうございました。
手紙はそう結ばれていたそうです。
これからみんなの前で発表をしなきゃいけない受講生を前にこんな話をする講師も罪深いけれども(笑)、仕事中に(しかも研修で)こんなに心を動かされるエピソードを頂くことができて、ほんとうにシアワセ者だー。
テーマは、応対マナーを身に付けるために必要なものは年齢や経験ではなく、相手の心に気づくこまやかな気持ちだ、ということ。
とあるテーマパークの某レストランのウェイトレス(女子高生)に届けられた、若い夫婦からのお礼の手紙。
お互いにそのテーマパークが大好きだったふたりは、そのテーマパークでデートを重ねて、結婚しました。将来の夢は、子供を連れてそのテーマパークに遊びに来ること。
やがてふたりは、かわいい女の子を授かりました。
もう少し大きくなったら、一緒に遊びにに行けるね。
そう言っていた矢先。女の子はインフルエンザにかかり、脳炎で亡くなってしまいました。
悲嘆に暮れるふたり。
特に、奥さんは塞ぎこんで生きる気力も湧きません。ようやく回復したダンナが、元気を出してもらおうとそのテーマパークに誘っても、まったく行く気がありません。「あそこに行けば元気をもらえるから」と言っても出かける気持ちになれません。
数年経ったある日、奥さんがようやく「・・・行ってみようかな」と口にしました。喜んだダンナは、さっそくふたりでそのテーマパークに足を運び、そこの某レストランの予約をします。
メニューを見ていたダンナはふと、その中にお子さまランチがあることを発見します。でももちろん、それは12歳以下限定メニューと明記してありました。
ダンナは何の気無しに、オーダーを取りに来たウェイトレス(女子高生)に声をかけます。
「お子さまランチって頼めないんですよね」
お子さまランチは12歳以下限定です。
そう答えていいはずです。
でも、そのウェイトレスはこう言いました。
「お客様、何故でしょうか?」
そこでダンナは、話す気があったわけでは無いけれど、ふたりの想い出と娘のことを話します。
と、ウェイトレスは言うのです。厨房に退がって質問するでもなく、上司に確認するでもなく、若い夫婦に言うのです。
「喜んでお持ちいたします!」
それから、二人掛けのテーブルにつく夫婦の横でごそごそと準備をしていたかと思うと、ふたりはそのウェイトレスに呼びかけられます。
「こちらへどうぞ」
そこはファミリー席。ふたりの椅子のほかにもうひとり、子供のぶんもセッティングしてあります。そして若いウェイトレスの女の子は、空いている椅子に声をかけて戻っていきました。
「いま持ってくるから、もう少し待っててね」
しばらく後、お子さまランチを運んでくると、ウェイトレスは子供の席にそれを配膳して、とびきりの笑顔を浮かべます。
「今日は楽しんでいってね!」
あのとき、確かに、私たちは娘と一緒にあのレストランに来ていました。素敵な想い出を、ありがとうございました。
手紙はそう結ばれていたそうです。
これからみんなの前で発表をしなきゃいけない受講生を前にこんな話をする講師も罪深いけれども(笑)、仕事中に(しかも研修で)こんなに心を動かされるエピソードを頂くことができて、ほんとうにシアワセ者だー。