不思議なタイトルの本である。
「青空としてのわたし」とは何か。
それは現代人の心に深く巣食っている主客二分の自我を解体したあとに現れる、エゴのない認識主体と言えるだろうか(いや、主体という言葉を使うと主客の対立に戻ってしまうが・・・)。
やさしい文体で仏教のアップデートを説く(仏教3.0)。
その人柄は誠実で、日本仏教の希望と言ってもいいだろう。
著者の他の本でも書かれていることだが、今の日本仏教は心の問題を扱う病院(寺院)もあり、医者や看護師(僧侶)もいるが、肝心の医療技術が失われていると説く。
まさにそのとおりだと思う。
そして、著者は、日本仏教(仏教1.0)からテーラワーダ仏教(仏教2.0)を経由して、いま新たに〈仏教3.0〉と呼ぶべき境地に到達した。
それは、失われた(あるいははじめから無かった)医療技術を現代仏教にいわば再インストールするようなものだ。
著者の予想する来たるべき日本仏教は、これまでの否定ではなく、あくまでも「アップデート」。
それは、浄土系なら南無阿弥陀仏のリニューアルであるし、日蓮宗なら南妙法蓮華経の、禅宗なら座禅の、真言宗なら密教の教えのそれである。
それぞれの教えがそれぞれのまま、アップデートすることによって、真の救いの道が開かれうる。
無用な対立はせずに、多くの仏教者が著者の意見に耳を傾けてくれることを希望せずにはいられない。