元ブランキー・ジェット・シティの浅井健一(愛称ベンジー)と奈良美智の作った絵本があると知り、びっくりして購入したものの積読だったものをようやく読む。
内容は2005年のSHERBETS(浅井健一のバンドの一つ)で発表された同名の曲の歌詞に、奈良が絵をつけたもの。
書誌情報がついていないのでググったところ、2019年の発行のよう。
出版社が裏表紙に「いまこそ響かせたいLove&Peaceなメッセージを奈良美智さんの絵でまっすぐに!」と書いているが、そんなにナイーブなものではないと思う。
確かに、ベンジーの書く詩は純真だ。
奈良の描く絵もカワイイ。
しかし、である。
奈良の描く子供の顔はいつものように不機嫌だし、この絵本の中では、爆弾を落としてさえいる(そう、爆弾を落とすのは「大人」ではないのだ)。
これはそんなに「やわな」表現ではない。Love&Peaceの一歩先に踏み出ている。
私はそう思う。
そもそも、Love&Peaceだけなら、いわさきちひろのような純真で毒のない(彼女の画風を批判する意図はない)絵でも良かったはずだ。
正直にコメントすると、ベンジーの言葉には若かりし頃の輝きはもうない。
そう、「悪いひとたち」の歌詞のような。
しかし、「悪いひとたち」の歌詞を超えてきたからこその、なんというのだろうか、ひとつの「戦略としての無垢」のようなものがある。
いわく言い難いが、大きな感動を呼ぶものではないが、時代遅れでヒッピー的な幼稚な全能感に耽るような作品ではないことだけは確かだ。
もはや、ジョン・レノンの「イマジン」にすがりつく時期は終わったのだ。