今朝は珍しく早起きで、6時に起きた。
そのせいもあってか、昼食後しばらく経つとしんどくなった。
2時すぎに布団に入り、アイマスクをしていたら、いつの間にか眠ってしまった。
その中で夢を見た。
高校か大学の体育館近くという感じの、屋外のコンクリート舗装の道を小走りに進んでいると、あごが急にガキっと音を立てて噛み合わさり、左上の一番奥の歯が割れた。
思わず私は右手で口を押さえるが、割れた奥歯は口から飛び出し、コンクリートの通路の左脇に落ちた。
慌てて私はそれを拾おうとする。
奥歯は真っ二つに割れてしまっている。
しかし、血はついていない。
拾い上げて、左の手のひらにのせ、右手でそれを包むようにして持つ。
歯医者に駆け込んで、治療台に座る。
女性の若い歯科医が診てくれる。
小さな丸顔で目が大きく、ややタレ目でかわいい感じの人だ。
私は口を大きく開ける。
治療が始まり、なぜか上の前歯の歯石取りになる。
私は「ついでだからいいか」と思う。
歯石取りの水流ジェットが前歯で撥ねて、水しぶきが顔にかかり冷たく感じる。
意識がフッとなくなる。
そして、ゆっくりと意識が戻ってくる。
重いまぶたをゆっくりと開ける。
すると、視界はぼやけていて、まるで水中にいるかのようだ。
さらにまぶたを開けると、視界の右側から女性の若い看護師さんが私の顔を覗き込み、「〇〇さん、なんでここにいるか分かる?」と尋ねてくる。
小さな丸顔で少しタレ目のかわいい系美人だ。
私は、「奥歯が割れて、治してもらって・・・」と話し始めるが、話しながら、いや、なんで意識を失っているんだ?と疑問に思う。
視界の左下の方から、女医さんが現れる。
この人も、小さな丸顔で少しタレ目のかわいい系美人だ。
年齢は30代なかばといったところ。
その女医さんが、顔を近づけてきて言う。
「〇〇さん、倒れて、(運ばれてきて)死んで(ここにいるんですよ)」
私ははっとして、「まさか」と思う。
これが死後の世界かと一瞬思う。
病院の手術室が死後の世界?
さすがの私もここでやっと目が覚めた。
何だったんだと思いつつも、不思議と恐怖感はなかった。
そして、恐怖感はなかったなぁと思うと同時に、「あぁ、私はやはりfinalvent先生のようになれないのだなぁ」と感じた。
冷や汗をかき、絶叫しながら目覚める、そんなことに憧れてはいない。
憧れてはいないが、ただ、哲学をかじったものの一人として、世界の深淵を覗き込む能力が私には決定的に欠けているのだなということがよくわかってしまった。
言葉を変えれば、私は「生きる」ということの実感を一生手に入れられないということでもある。
それは、青年期に必死に手に入れようともがいたものであるが、月日とともに少しは分かるのでは、という甘い望みがあった。
老年期を目前に控え、それも虚しいことがよくわかった。
「私は生きることができない」。