また一人、市井の賢人を発見した。
号して「読書猿」。
本書は、発想法を集めた実用書であると同時に「人文書」でもあるとまえがきで宣言されるように、古典から最近のビジネス書まで縦横無尽に行き来する。
私個人は、発想法についてはジェームズ・W・ヤングの『アイデアの作り方』で全て尽くされていると感じていたので、たとえば外山滋比古の『思考の整理学』などは同じことを繰り返しているだけだと思い、途中で放り出してしまったクチだ。
しかし、この本では、発想法のエッセンスはもちろん押さえた上で、多様な具体的・実践的手法が紹介される。
その数、42。
とても全てをマスターすることなど能わないが、辞書的に参照することで活かすことができそう。
それにしても、この著者は並大抵の読書家ではない。
おそらくここに収録された数々の技法を用いて本書は書かれているのだろう。