Kindleにて。
Amazonで何冊か仏教関連の本を買った後、おすすめに出てきてレビューで評価が高かったので買った本。
たいへん平易に書かれており、ひじょうに読みやすい。
基本は、昨今流行りのテーラワーダ系のようだが、筆者は特定の宗派には属しておらず、単身で活動しているらしい。
「こころ」が「反応」しないようするにはどうすればよいか。
基本は、
①言葉で確認する。②感覚を意識する。③分類する
その上で、
(1) 貪欲、(2)怒り、(3)妄想、の三つに分類する
であるという。
「言葉で確認する」というのは、ヴィパッサナー瞑想でいうところのラベリングであり、「感覚を意識する」というのもヴィパッサナー瞑想の基本だ。
今まで読んだヴィパッサナー瞑想やテーラワーダ系の本と違うのは、その後に「分類する」が来るところだ(ひょっとしたらこれも基本のうちなのかもしれないが)。
いくつか引用しよう。
「悩みはいつも「心の内側」に生じます。だから、悩みを抜けるには、「心の外」にあるカラダの感覚に意識を向けることがベストの方法なのです。」
「ブッダの考え方をまとめると、「反応する前に、まず理解する」ということになります。」
「正しい理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。動揺しない。何も考えない。じっと見つめているだけです。そういう徹底したクリアな心で、自分を、相手を、世界を理解することを、「正しい理解」と表現しています。」
等々。
筆者はヴィパッサナーという言葉は使わないが、その説くところは同じようなものと言ってよいだろう。
また、個人的に目を引いたのは、自己啓発よく言われるアファメーションについては批判的で、端的に「わたしはわたしを肯定する」でいいと説く。
さらに、次の指摘は平易な表現ながらも慧眼だなと思った。
「過去を引きずる」というのは、仏教的には「記憶に反応している」状態
また、ユニークなこんな主張もあった。
目を閉じる──これは人生の基本にすえるべき、重要な心がけ
確かに視覚情報があふれる現代に、目を閉じるというのは案外大切なことかもしれない。
実践的な仏教を求める人にはとても向いている本だと思う。