「お前は誰にも愛されていない。お前は生きていてはいけない」というシンプルなものだった。こんなものが意識の核に埋め込まれて50年も彷徨っていたのだな俺ってばとほほ、という感じだ。ま、このエングラム自体は驚くべき発見というわけでもないが、まあ、なるほどなと。別の言い方をすれば「お前が嫌いだ、死ねよ」である。2ちゃんとかにあふれているあれだ、というか、これはメタエングラムで多くの人に埋め込まれていてそこから自我が形成されるから、社会的な抑圧がなければ噴出するものなのだろう。
これはメタエングラムで多くの人に埋め込まれていてそこから自我が形成されるから、社会的な抑圧がなければ噴出するものなのだろう。ああ、当然だな
もう少し日本の思想業界の現実に即して露骨な言い方をすると、七〇年代に入ってからの大学進学率の急上昇に対応して次々と新設された大学・短大で文系の教師の職にありついた元左翼学生たちにとっては、なれ親しんだマルクス主義を自分の学問的ベースにし続けているほうが楽だった――七〇年代に大学、特に私大文系が急増し、(元)左翼が教員として就職しやすくなり、そのまま居着いたのは日本特有の現象である。