『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマー新書)に続いて一気読み。
ド直球なタイトルからは正直何が書かれるのか想像できなかったが、読んでみるとまさに愛の現象学と呼ぶべきもので脱帽。
「真の愛」とは「存在意味の合一」と「絶対分離的尊重」の弁証法であると。
竹田現象学の手法を具体的に血肉化している点はすごい。
著者は哲学に出会う前に、宗教的恍惚を伴う「人類愛」にとらわれたが、それは儚くもすぐに崩壊。
そこから哲学の徒となり、20年の月日を経て、ここに愛の現象学を打ち建てた。
竹田青嗣の撒いた種がここにひとつ花開いた。