汚染灰「人の住めない福島に」 桜田・文科副大臣が発言
福島第一原発事故で放射能に汚染されたごみを焼いて出た焼却灰の処理をめぐって、桜田義孝・文部科学副大臣〔63歳)が千葉県北西部の市長や国会議員らとの懇談会の席上、「(焼却灰は)原発事故で人の住めなくなった福島に置けばいい」と発言していたことがわかった。
桜田氏は朝日新聞の取材に対して、発言を認めたうえで、「灰を一時保管している地元は困っている。そういう(=福島に置けばいいという)考えがあるのでは、という思いから、出席者に質問するつもりで発言した。私個人がそういった主張をしているわけではない」と説明した。
この会合は、5日に同県野田市であった東葛行政懇談会。汚染灰の置き場に困っている県内6市から、市長や議長、県選出の国会議員も参加した。桜田氏は自民党県連会長。複数の出席者によると、発言は、汚染灰の早期処理を要望した自治体側への返事だったという。別の国会議員が発言の撤回を求めたが、「見解の相違だ」として取り合わなかったという。
汚染灰など指定廃棄物の処分は、保管している都道府県内で行うことが放射性物質汚染対処措法の基本方針で定められている。
原発事故をめぐっては、自民党の高市早苗政調会長が6月に「死亡者が出ている状況ではない」と発言したのに対し、福島県や与野党から批判が噴出し、発言の撤回に追い込まれた。