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2013年10月10日現在、死者1万5883人 行方不明者2652人(現場医療からの報告)

2013-10-10 | Weblog

警察庁がまとめた東日本大震災(余震を含む)の死者は、2013年10月10日現在で1万5883人となった。警察に届け出があった行方不明者は2652人。


坪倉正治医師

東京大医科研医師(血液内科)、南相馬市立総合病院非常勤医。週の半分は福島で医療支援に従事。原発事故による内部被曝を心配する被災者の相談にも応じている。

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南相馬市立総合病院やひらた中央病院(福島県石川郡平田村)で、被曝検査結果を説明したり、今後の生活について相談を受けたりする外来があります。2011年7月、内部被曝検診がスタートした時に始めたもので、特別な名前はありませんが細々と続いています。

先日の外来で、こんなことがありました。あるお母さんに先日行った内部被曝検診の結果を説明していました。

話をしていて、何か聞かれる度に説明をするのですが、全く話題が定まりません。ヨウ素の話をしていると思ったら、ガラスバッジの話になり、震災直後の出来事の話に。続いて、子供の学校での生活態度について話し始め、東電に提出する書類の話になり、そしてヨウ素の話に戻ってきました。また、同じ話の説明をします。ウンウンと頷いているのですが、どこかソワソワしておられ、正直なところ十分に理解されているとは思えませんでした。

色々な問題や、考え、怒り、悲しみ、後悔のようなものが頭の中で入り乱れて、精神的に参ってしまっているように感じました。

混乱しているというより、頭の中がぐちゃぐちゃになって何もまとまらないという感じでしょうか。実際、以前は提出できていた東電の書類も、「近ごろは集中できなくなって考えがまとまらない。書くことができない」と言われます。睡眠は取れているようでしたが、体重が増え、食生活が偏り、よくよく聞くとご家族や子供との関係もぎくしゃくしてしまって……という状況でした。

もちろん外来で、そのような出来事が多いと言いたいわけではありません。以前と比べ、根掘り葉掘り色々聞かれる方は少なくなり、時間もそれほどかからなくなっています。多くの方が、色々な傷や思いを抱えつつも普通の生活に戻る、戻ろうとしているし、普通の(という表現が適切とは思いませんが)日常が流れています。

ただ、今回ご紹介したような方を、そばにいる人がみんなで、そして地域で守っていく必要があると改めて感じたのです。

そのような方は、外来をしっかり受診したりとか、自分の意見を大にして主張したりとか、インターネットやSNSも含め、大勢の前で誰かを公然と批判したりとかはしません。というか、できないと思います。大多数の方の中に埋もれてしまい、顧みられることも少ないです。

「よく外来を受診してくれた」と伝えました。

「以前は、もっと精神的にひどかったけれども、秋になって季節も変わり、少し話を聞いてみようかなと思うようになった」と、そのお母さんは言いました。

きっと大勢ではないと思います。でも、お母さん方の支援をしているお母さんのところには、今も尚、色々な情報に踊らされ精神的に参ってしまい、やっとの思いで助けを求める方がいらっしゃる話も聞きます。医療は基本的に、待ち仕事です。病院に来てくれる方を診ることはできますが、そうで無ければ無力極まりないです。外来受診、講演会、勉強会、イベント、色々とありますが、すべて来てもらえなければ始まりません。

孤独死の問題と同じにするつもりはありませんが、孤独な人は、「孤独です」と周りに言ってまわることは、まずありません。保健師さんが巡回してうまくいく例もきっとあり、それは一つの方法です。

それに加えて、地域全体として見守り、お互いに認め合うしかありません。医療が介入できる余地があるなら、そのような方にしっかりアプローチできる方法を生み出さなければなりません。

放射線についてナーバスに話をすると、ちょっと変わった人扱いされる雰囲気。一部で、それが行き過ぎるのはさらなる分裂を生みます。データが無ければ判断できません。けれども時間が経過し、科学的では無いから完全に否定する傾向が強くなりすぎるのも微妙です。

「周りのお母さんとか友達に相談しなかったのですか?」 最後に、お母さんに聞きました。何とお答えになったのかは、みなさんのご想像にお任せします。
よくある話だとは思いますが、改めて紹介させていただきました。

相馬でも児童対象のホールボディーカウンター(WBC)検診が進んでいます

 

 

 


嘘つき安倍よ、五輪どころじゃないぜぇ(どうする国際世論の怒り) 

2013-10-10 | Weblog

原発の港湾外の海水でセシウム 福島第1沖1キロ

 東京電力福島第1原発=8月

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東京電力は10日、福島第1原発の港湾外の海水で、放射性セシウム137が1リットル当たり1・4ベクレル検出されたと発表した。陸側から漏れた汚染水の影響の可能性がある。東電は国に通報した。

セシウムが検出された場所は「港湾口東側」と呼ばれる調査地点で、第1原発の沖合約1キロ。8日採取の海水から検出された。この場所を含め港湾外の3地点で今年8月から海水の調査を始めたが、これまでセシウムは検出されていなかった。

安倍晋三首相は東京五輪招致を決めた国際オリンピック委員会総会で「汚染水の影響は港湾内0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」と説明していた。

(共同)

安倍の国際公約はこうして破られる(三つの証)

証その1:大地震再来ならどうなる? 福島原発で液状化が始まっている!

<もともと沼地にたまる汚染地下水>

汚染水の海洋流出対策として、海側には遮水壁を建設中の福島第1原発。だが、この措置だけでは新たな危険を生むと専門家の間で問題視されている。地下水から高濃度の放射性物質が確認された海側一帯は、原発建設時の1960年代に砂岩などで埋め立てられた土地で、もともと地盤が緩い。遮水壁によって敷地内に水がたまると、1~4号機周辺が“液状化”する恐れがあるのだ。

「福島原発が立地するのは、海水から水をくみやすいように、断崖絶壁の土地の崖を切り落とし、低くした地盤です。工事の際、地中の浸透層まで掘ってしまったため地下水がどんどん出てきてしまう。沼地のような状況で、原発を建てるときにも、この問題が指摘されていたのです」(ジャーナリストの横田一氏)

東京電機大理工学部の安田進教授(地盤工学)は、「一般的に日本の原子炉建屋は岩盤の上に立っている。そのため、原子炉そのものが倒れたりすることはないが、周辺の土地に関しては土の性質や状態による」と言う。「福島原発のような埋め立て地は、十分に固めていないと液状化する恐れがある」そうだ。

そこにもってきて、海側に遮水壁をつくったことで、ますます地下水がたまりやすくなり、地盤が軟化しているわけだ。

地震学者は「東日本大震災でM9クラスの地震が起きた以上、いつM8クラスの余震が起きてもおかしくない」と話している。茨城では頻繁に震度4クラスの地震が起きている。原発周辺が浦安のようになってしまったらどうなるのか。配管がグチャグチャになれば、汚染水があふれてしまう。検討中の凍土作戦どころではなくなってしまう。原子炉格納容器の設計に携わっていた元東芝技術者の後藤政志氏はこう言った。

「仮に原子炉建屋やタービン建屋が傾斜したところで、すでにメルトダウンしているし、これ自体は大きな影響を与えないでしょう。心配なのは4号機の使用済み燃料プールです。使用済み燃料が1500本も残っているし、これが傾いたらアウト。そうならなくても、取り出す計画が振り出しに戻ります」

証その2:福島原発に「竜巻」の恐怖

「あの竜巻が福島第1原発を直撃したら……」

不安を感じた人も多いんじゃないか。2日に埼玉、千葉を襲った竜巻は、頑丈にできている中学校の体育館の屋根まで吹き飛ばしていた。

福島地方気象台は1日に、「竜巻注意情報」を2回発表している。3日も、「雷と突風に関する気象情報」を発表して、「落雷、竜巻などの激しい突風、ひょう、急な強い雨」に注意を呼びかけていた。福島で竜巻が吹き荒れる可能性は十分にあるのだ。

実際、福島第1原発に程近い南相馬市では2010年に、小規模の突風が起き、ビニールハウス9棟に被害が出ている。

気象庁によると、いまは地表付近が夏、上空が秋という状態で、寒暖差が激しく、竜巻のもとになる積乱雲が発生しやすい状況が全国的に続いているという。

「福島? 竜巻は、日本全国どこでも起こり得ます。とりわけ台風シーズンの9月、そして沿岸部で多く確認されていますね」(同庁担当者)

心配になって東京電力に問い合わせたら、「竜巻に特化した荷重設定はしていません。それぞれの設備については建築基準法に基づいて設計し、安全性に支障がないことを確認しています」(広報担当者)とのこと。

<燃料棒1533本が大気中で燃え出す>

何とも心もとない。今回の竜巻で被害に遭った600棟以上の建物だって、建築基準法に基づいて建てられたはず。それでも、体育館の屋根まで吹き飛んだわけだ。“ハリボテ”の福島第1原発なんてひとたまりもないだろう。

核廃絶を目指して活動を行っている元駐スイス大使の村田光平氏は、昨年3月の参院予算委公聴会で、こんなことを言っていた。

「(福島第1原発4号機の)核燃料プールが崩壊し、1533本の燃料棒が大気中で燃え出した場合、果てしない放射能が放出される。もちろん、東京は住めなくなる」

首都圏5000万人が避難する大パニック――悪夢が現実になる恐れは十分にある。
「竜巻に限らず、台風もある。ゲリラ豪雨もあり得るのに、東電がどういう具体策を講じているのか、まったく見えてこないし、基準が甘すぎます。最悪の事態を想定しているとは、とても思えません」(ジャーナリスト・横田一氏)

証その3:福島第1原発 汚染水タンク350個が全滅危機

どうしたらこうなるのか。東京電力は福島第1原発のタンクから漏れた放射能汚染水の量を当初「少なくとも120リットル」と推定していたのに、後になって「300トンに達する」と変更した。一気に2500倍に増えたことに絶句だが、汚染水の漏出量はこんなものでは済まない。

東電はダダ漏れになっていた地下貯水槽の汚染水を、6月上旬までに地上タンクに移し替えた。タンクは直径12メートル、高さ11メートルの円柱状で、容量は約1000トン。漏れた300トンは大体、25メートルプール1つ分だ。

実はこのタンクは当初から“ヤバイ”と指摘されていた。部材を溶接ではなく、ボルトでつないで組み立てる構造のため、ボルトが緩んだり、止水用パッキンが劣化すると、汚染水が漏洩するんじゃないかと懸念されていたのだ。

東電によると、パッキンの耐用年数は5年ほど。交換するにはタンクそのものを解体しなければならないが、漏洩が見つかるたびに解体するのは非現実的だ。外側から止水材を塗るなど、その場しのぎの対応に追われることになりそうだ。

問題はボルトとパッキンだけではない。タンクが“鋼鉄製”なのも大きな懸念材料という。日本環境学会顧問・元会長で元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏が言う。

「汚染水は原子炉冷却に使われた水で、当初の海水冷却により塩分を含むものです。鋼鉄製のタンクは錆びやすく、腐食して穴が開き、漏れた可能性があります。安全性を考えるのであれば、東電は鋼鉄製ではなくステンレス製のタンクにすべきでした」

<錆びて腐食、止水用パッキンの寿命はたった5年>

東電がそうしなかったのは、鋼鉄製の方がコストがかからないからだ。さらに言うと、溶接型ではなくボルト型にしたのも、短時間で増設できるから。いかにも東電らしいドロナワ対応といえるが、このボルト式の同型のタンクは敷地内に350個もある。もし、今回と同じ300トンの汚染水がすべてのタンクから漏れ始めたら、10万トンではきかない計算になるから、考えるだけでもゾッとする。

しかも、汚染水は1日400トンのペースで増え続けていて、東電は現在貯蔵可能な約39万トン分のタンクの容量を2016年度までに80万トン分まで増やす計画だ。一方で安普請(やすぶしん)のタンクからの汚染水漏れの手当ても同時にやらなければならない。

今回の汚染水からは、法令で放出が認められる基準(1リットルあたり30ベクレル)の数百万倍に達する8000万ベクレルの放射性ストロンチウムが検出された。300トン分で約24兆ベクレルである。


参考 9/16付投稿ブログから

安倍が国際社会に発した国際公約ともいうべき「完全にブロック」発言。ところが、実際に現場で作業にあたり、誰よりも事故現場の状況を把握している東電が安倍の発言を否定した。あっさりと、「コントロールできていない」と告白した。これで安倍の発言は五輪招致のプレゼン当日に、現場を把握せずにでっち上げたウソごとであることが明らかとなった。

世界では日本の首相など日替わり弁当程度の役職と思われている。10年に7人もの首相がすえかわる国は日本だけだ。だから安倍は、自分の政権が2020年まで持たぬことは自覚しており、自分の発言が国際公約になろうが知ったことではない。次の政権が引き継ぐことぐらいに甘く考えている。この男には途中で投げ出した前科もあり、またその程度の頭しかないようだ。

専門家は

小出裕章氏「汚染水は制御不能。安倍首相の発言は恥知らずだ」

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「放射能は完全にブロックされている」「コントロール下にある」――。IOC総会で、安倍晋三首相は福島第1原発の汚染水問題について、こう豪語した。

首相の言葉はすなわち、国際公約になったわけだが、現地では今も1日400トンもの地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込み、海に漏れている可能性も否定できない。

安倍首相の言う「完全ブロック」とは程遠い状況なのだが、原子力の第一人者はどう見ているか。

<そんなに安全なら自分で現場に行けばいい>

――安倍首相のIOC総会での発言を聞いて、どう思われましたか?

「ほとほと呆れました。一体何を根拠にコントロールできていると言っているのでしょうか。冗談ではありません。福島原発は今、人類が初めて遭遇する困難に直面していて、想像を絶する状況が進行しているのです。そもそも、原発政策を推し進めてきた自民党政権は、原発を安全だと説明してきたが、安全神話は事故で崩れた。それなのに『コントロール』なんて、よく言えたもので、本当に恥知らずです。そこまで言い切るなら、安倍首相自らが福島原発に行って収束作業に当たればいいと思います」

――汚染水の現状をどう見ていますか。

「これは予想できたことなのです。事故が起きた福島原発では溶けた炉心の核燃料を冷却する必要があります。水を入れれば核燃料に触れた水の汚染は避けられない。福島原発は水素爆発で原子炉建屋の屋根が吹き飛び、地震と津波で、施設のあちこちが壊れている。汚染水は必ず外部に漏れてくる。それが原子炉建屋やタービン建屋の地下、トレンチといった地下トンネルにたまり、あふれ出る。誰が見ても、当たり前のことが起こっているのです」

――小出さんは2011年3月の事故直後から、汚染水はタンカーで移送すべきだと提案していました。

「漏れた汚染水が原発の敷地内にたまり続け、今のように周辺からあふれるのは明白でした。それなら一刻も早く汚染水を漏れない場所に移さないといけない。そこで数万トンの容量があるタンカー移送を提案したのです。新潟県にある世界最大の原発、東京電力柏崎刈羽原発には廃液処理装置があります。柏崎刈羽原発は稼働停止中ですから、そこに運んで廃液処理するべきだと考えたのです」

――しかし、提案は採用されなかった。

「汚染水を海上輸送するので、地元漁協はもちろん、国際社会の反発が予想されるし、受け入れる新潟県の反対もあったのでしょう。東電が柏崎刈羽原発に放射性廃棄物がたまり続けることを避けたかったのかも知れません。私は2011年5月に原子炉建屋の周辺に遮水壁を設けることも提案しました。地下水の汚染を防ぐためです。しかし、東電側は『カネがかかり過ぎて6月の株主総会を乗り切れない』と考えたようで、結局、何もしなかった。今になって遮水壁、凍土壁を設置すると言っていますが、バカにしているのかと思いますね」

<汚染水は許容値の300万倍、制御は不可能>

――政府の汚染水対策の柱は「凍土壁」と、汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去装置「ALPS」の増設・改良です。「ALPS」が稼働すれば状況は改善されるのですか。

「動かさないよりも動かした方がいいに決まっている。しかし、汚染水問題の根本解決は困難と言わざるを得ません。なぜなら、汚染水の濃度があまりに高いからです。汚染水に含まれている主な放射性物質はセシウム137、ストロンチウム90、トリチウムの3つだと思います。この実験所をはじめ、国内の原発でストロンチウム90を廃液処理する場合、法令上の基準値は1リットル当たり30ベクレル以下です。しかし、先日、福島原発の地上タンクから漏出した汚染水は1リットル8000万ベクレルと報道されていました。つまり、許容濃度にするには、300万分の1以下に処理しなければならない。私は不可能だと思っています。さらに、トリチウムは三重水素と呼ばれる水素ですから、水そのもので、ALPSで除去することはできません」

――凍土壁は効果ありますか。

「私は遮水壁は鉄とコンクリートで造るべきだと思っています。耐久性があり、最低でも10~20年は持つからです。しかし、造るのに時間もカネもかかる。待ったなしの状況を考えれば、急場しのぎの凍土壁も造った方がいい。ただ、凍土壁が冷却に失敗したら地下に巨大な穴が開く恐れがある上、何年維持できるのか分からない。最終的には、やはり、凍土壁の周囲を鉄とコンクリートの遮水壁で覆う必要があると思います」

――小出さんは最近、水を使った冷却をやめるべきと言っていますね。

「水を使い続ける限り、汚染水は増え続ける。今のような状況は何としても変えなくてはなりません。重要なことは冷やすこと。つまり、冷やすことさえできれば、手段は問わないわけです。東海原発の原子炉のように炭酸ガスを使って冷やす例もあります。ただ、ガスだと今度は汚染ガスの問題が出てくるでしょう。そこで、金属を使うことが考えられます。仮に(融点の低い)鉛などを炉心に送ることができれば、最初は熱で溶けて塊になるものの、塊が大きくなるにつれて次第に熱では溶けなくなる。その後は自然空冷という状態になると思います。ただ、これが確実に有効な対策かと問われると正直、分かりません。金属の専門家などを集めて知恵を絞るしかありません」

<チェルノブイリのように石棺にするしかない>

――福島原発はどうすれば廃炉できるのでしょうか。

「(1986年に事故を起こした)チェルノブイリ原発のように石棺しか方法はないと思います。ただ、チェルノブイリ原発も事故から27年経った今、コンクリートのあちこちが壊れ始めている。福島原発は事故を起こした原子炉が4基もあり、石棺にするにしても、使用済み核燃料プールにある燃料棒は必ず取り出す必要がある。その燃料棒の取り出しに一体何年かかるのかも分かりません」

――簡易型タンクで急場をしのぐだけの東電の後手後手対応にも呆れます。

「現場は猛烈に放射線量が高く、一帯は放射能の沼のようになっていると思います。その中で、貯水タンクを(壊れにくい)溶接型にしたり、漏出がないかどうかを24時間体制で監視すれば、確実に作業員の被曝(ひばく)線量が増える。つまり、作業を厳格にしようとすれば、その分、作業員の被曝線量が増えてしまう。だから、場当たり的な作業にならざるを得ないのだと思います」

――作業員の話が出ましたが、今後、数十年間は続くとみられる廃炉作業を担う作業員は確保できるのでしょうか。

「チェルノブイリ原発では、収束のために60万~80万人が作業に当たりました。27年経った今も、毎日数千人が作業しています。原子炉1基の事故でさえ、この状況です。福島は原子炉が4基もある。一体どのくらいの作業員が必要になるのか見当もつきません」

――それなのに安倍政権は原発を再稼働する気です。

「町の小さな工場でも毒物を流せば警察沙汰になり、倒産します。しかし、福島原発の事故では東電はいまだに誰も責任を問われていません。電力会社が事故を起こしても免責になることに国が“お墨付き”を与えたようなものです。だから、全国の電力会社が原発再稼働に走るのです」

▽こいで・ひろあき 1949年東京生まれ。東北大工学部原子核工学科卒、同大学院修了。74年から現職。放射線計測、原子力施設の工学的安全性の分析が専門。「放射能汚染の現実を超えて」(河出書房新社)、「原発のウソ」(扶桑社)など著書多数。日刊ゲンダイ 9/13

国内世論は

毎日世論調査 首相の汚染水ブロック「そう思わぬ」66%

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14、15両日に行った毎日新聞の全国世論調査で、安倍晋三首相が7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会のプレゼンテーションで東京電力福島第1原発の汚染水について「完全にブロックされている」と発言したことについて尋ねたところ、「そうは思わなかった」との回答が66%に上った。政府は「放射性物質の影響は発電所の港湾内にとどまっている」(菅義偉官房長官)などと発言の正当性を強調しているが、十分に浸透していない。

「発言通りだと思った」と答えた人は8%にとどまり、「分からない」は24%だった。安倍内閣の支持層でも「発言通りだと思った」は11%で、「そうは思わなかった」が58%を占めた。

東電幹部は13日に汚染水について「コントロールできていない」と発言。民主党の長妻昭幹事長代行は15日のNHK番組で首相発言を「世界に間違ったメッセージを発信した」と批判するなど、野党側は追及姿勢を強めている。

また、汚染水対策について「国は費用にこだわらず、あらゆる手段を講じるべきだと思うか」との問いに対し、86%が「思う」と回答した。有権者が汚染水問題を深刻に受け止めていることがうかがわれる。

現場で作業にあたる東電は

汚染水 東電幹部「コントロールできていない」

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東京電力の山下和彦フェローは13日、福島県郡山市で開かれた民主党の福島第1原発対策本部(本部長・大畠章宏幹事長)の会合に出席し、汚染水問題について「コントロールできていないと考えている」と語った。 

山下氏は民主党議員から「すべてのことがコントロールされているのか」と質問されたのに対し、「想定を超えていることが起きていることは事実」と説明。毎日9/13

安倍政府コンサル、原子力期制庁は

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原子力規制庁 次長、首相の汚染水発言「認識に差はない」

原子力規制庁の森本英香次長は10日の記者会見で、東京電力福島第1原発の汚染水問題を巡り、安倍晋三首相が「完全にブロックされている」と発言したことについて「港湾外の測定結果を見る限りこの半年間で有意な変化はなく、首相発言と我々の基本認識に差があるわけではない」と述べた。

ただし、汚染水を含む海水が港湾の内外で行き来している可能性については「ゼロではない」との見方を示した。東電の試算によると、港湾内の海水の約半分が一日で外洋と入れ替わっているとみられている。毎日9/10

 



Radioactive cesium detected in waters off Fukushima nuclear plant

TOKYO, Oct. 10, Kyodo

Tokyo Electric Power Co., operator of the crippled Fukushima Daiichi nuclear plant, said Thursday that 1.4 becquerels per liter of radioactive cesium-137 had been detected in a seawater sample recently taken around 1 kilometer from the power plant.

Although nuclear plant operators are allowed to discharge 90 becquerels per liter into the sea, the reading suggests that toxic water leaks at the Daiichi plant have not been contained within a small area near the facility.

The utility, known as TEPCO, said it had immediately filed a report with the central government, adding that no radioactive cesium was detected in a sample taken Thursday.