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参院選 組織票を背に安倍自民の悪巧み 夕方6時に繰上げ投票率の低下を狙う(更新7/20)

2013-07-20 | Weblog

日本という国はほんとうに不可解だ。国政選挙であれば、全国のどの投票所でも投票時間は、同じく公平であるべきだ。いわば、朝7時から夜8時までの13時間は、一票の権利に基づいた国民の時間であり、行政に与えられた時間ではない。それが商いのような感覚で、遅くまで開けていても客入りが悪いといって、早仕舞いしてしまうとは、なにごとだ。それも、国民には投票を熱心に呼びかけておきながら。これでは不正選挙と呼ばれても致し方ない。

 

更新:投票所の7割が「午後6時まで」に繰り上げ

21日投開票の参院選では、岡山県内の岡山市、倉敷市、早島町を除いた24市町村が全域で投票時間を午後6時まで(瀬戸内市の一部は午後4時まで)に繰り上げる。

 岡山市も北区の旧建部町が午後6時までで、繰り上げがある投票所の総数は全投票所の7割近くにあたる539。大半の市町村選挙管理委員会は「夜間の投票者数が少ない」ことを理由に挙げるが、「投票機会の拡大」という公職選挙法の趣旨に反するという指摘も出ている。

県選管などによると、1997年の公選法改正で、投票所について「午前7時に開き、午後8時に閉じる。ただし、市町村選管は、投票に支障がないと認められる特別の事情のある場合に限り、閉じる時刻を4時間以内繰り上げることができる」とした。総務省によると、参院選での全国の全投票所に対する繰り上げ率は34・76%(速報値)で、県内(68・23%)は約2倍となっている。

笠岡市の場合、2012年の市長・市議選から「期日前投票も定着した」として、繰り上げた。市議選の投票率は、前回の08年に比べて67・23%から1・47ポイント上がっており、繰り上げの影響はないと主張。07年の県議選から繰り上げた勝央町も、同年は68・45%と、03年から10・15ポイントもアップしており、「大半の有権者が夕方までに投票を済ませている」とする。

一方、玉野市は「投票と開票の結果を早く公表したい」などの理由から、11年市議選から繰り上げを実施。投票率は07年の71・49%から7・71ポイント下がった。

総務省は「特別な事情がない限り、繰り上げるべきではない」とし、参院選を控えた5月末には都道府県選管の選挙担当係長を集め、市町村選管にも午後8時までの実施を呼びかけるよう求めた。同省は「選挙権は重要な権利」と強調し、今後も呼びかけを続けるとしている。


記事朝日(天声人語):

与党のポスターは威勢がよろしい。〈不景気と貧乏神を追ひはらふは政友会〉。

野党も〈整理緊縮/真面目で押し行く民政党/内に漲(みなぎ)る堅実味〉と向こうを張る。

1928年、普通選挙法に基づく最初の衆院選での攻防である

▼男子に限られていたとはいえ、有権者の数は急増した。投票へ行こうと呼びかけるポスターも多彩だ。内務省は〈投票スレバ明(あかる)クナリ棄権スレバ暗クナル〉。カラーの資料写真を眺めるだけで楽しい(玉井清『第一回普選と選挙ポスター』から)

▼このときのような盛り上がりを今回の参院選に求めるのは難しくても、民主政治の土台となる一人一人の選挙権の重みは変わらない。ところが、それにしてはと首を傾(かし)げたくなる事態が起きている

選挙当日の投票終了時刻は午後8時だ。少しでも多くの人が投票できるようにと98年に2時間延ばした。これを1時間なり2時間なり繰り上げる投票所が回を追って増えている。今回は全体の約35%にも。公選法がいう「特別の事情」があると市町村が判断しているからである

▼確かに郡部などでは夜に投票する人は少ないかも知れない。しかし、ゼロとは限るまい。立会人の負担軽減、経費の節約。色々事情はあろうが、投票機会を減らすほどに「特別」かどうか。例外はありうるとして、3分の1を超えても例外か

▼もちろん私たち有権者も問われている。28年衆院選の際の東京市の啓発ポスターにはこうある。〈幸福も禍(わざわい)も一票から/決して棄(す)てるな尊き一票〉