フウラン マンポウ(漫歩)・風蘭と友達、旅と花

カメラ大好き人間の拘りの画像の発信集。

老鴉柿・立ち上がりの美 07.12-(2)

2007年12月12日 | 老鴉柿
  老鴉柿を盆栽に仕立てるには 立ち上がりの美しさがほしい。

老鴉柿・盆栽に挑戦(19)
盆栽には表と裏がある。
正面を決める要素は立ち上がりの振込み模様にある。この形状の美しさで勝手に正面は
決まる。
老鴉柿のように木肌の単純な品種は、この振込みの有無が盆栽の品格を左右する。

直幹模様を除き、振込み形状で正面は勝手に決まるものだが、これに根張りや幹筋が
マッチしない場合が多い。 むしろ振込みが全く無いのが多い。
自然界の寒風・豪雪等の厳しい環境下で自然と出きる模様だが、鉢植えのような過保護の
場合は何年待っても出来る事は不可能な現象である。従って、苗の内の幹がマッチ帽の軸
又は、爪楊枝の軸の太さの時 針金を掛けてこれを作り込むのが一般的だ。
これをすると、成長が止まったり又、止まっている間に遅れて別の場所からより元気な
枝が伸び出し 針金を掛けた幹はドンドン成長が遅れるので、解っているが全くやらない。

単なる盆栽と本格的盆栽の違いは、
「後ろ美人」が重要視され、盆栽の裏側に於いても 根張りや立ち上がりの美しさに
完全なる配慮がされているのが本格的盆栽である。

これらを考慮すると 素材としての根張りの重要性がわかる。
根張りが良いと、振込み模様で正面を決めた時、必ず良い根張りがそこには存在する訳だ。 

従って、根張りとコケ順の良い振込み模様の一体化にて、盆栽品格の70%は決定する、
これを立ち上がりの美しさと云う。

残り20%は正面を決定付ける立ち上がり面、を受けての奥行きのある幹模様であり 
力強さの強調である第1・2曲模様とその枝位置である。
残る10%にはその他大勢の部類にて 一般的に評価の高い枝振りの良さはこの辺に位置
する。
何故かというと、盆栽は20年前後の若い時期に枝振りを決めてしまうと、太くなり過ぎ
てアンバランスになりそのうちに切り落として吹かし直しが必要となるからである
従って、若い内は 枝振りは決めない、位置のみ確保し細々と育てるのだ。

以上が理想である、現実は全く理想にはとどかない。


< 参考 >
画像下2枚は、30数年前 振込みに拘って挿し木より作り込んだ盆栽(さつき)
である。
評価は65点、マズマズの出来だ。


この時もトコトン拘った。永く育てるものだから。
花物なので、同じ品種でも、純白と赤が綺麗に出る素質の良い木を探した。
たった5・6本の素材苗を得る為、挿し木した苗は200本を越した。


ちなみに、同期に作ったものだが素晴らしい物が以前あった。 途中 鉢より畑に移し
地植え栽培したものは 幹立ち上がり部に 根張りに沿った深い波打ち模様が現れ豪壮感
がより引き立つのが出来た。
地植え栽培にするのも盆栽作りの大きなポイントと思っている。

  


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