雨、19度、92% 福岡
私が毎日身に付ける腕時計、手巻きです。腕時計を買って貰った中学の初めから考えると、自動巻の腕時計を使ったのは10年間程のことです。自動巻は便利です。電池さえ入れ替えると動き続けてくれます。なのに手巻きや体の振動で巻き上げる時計にまた戻ってしまいました。手巻きを選んだのではなく、好きだなと思って求めてから、手巻きだと分かった時計です。
しかも、ここ2年身につけている小ぶりな腕時計は、半日できっかり2分、一日で4分進みます。あまりにも正確に進みます。一日巻いてやらないと、もう止まっています。まあ、手のかかる奴です。縦の長さは2センチ程でしょうか、私にしては小さな時計です。ずっと、男物やボーイズサイズを使ってきましたが、重たくなってきました。たかだか時計ですが、重たいと感じるようになったのです。
毎日身に付ける時計です。すっきりした時計を探しました。ダイヤモンドがついたような時計は、私にはちっとも似合いません。すっきりして、自己主張の少ない時計、探すときはフェイスで選びました。ところが、裏返してみると、 時計の中が小さな窓からみえています。小刻みにムーブメントが動いています。これを見た途端、機械好きの私は、これっと決めました。裏側のこの小さな窓、当然ですが、裏がこんなになっているなんて誰も分かりません。身に付ける時に、ちらっと私だけが見ます。自己満足のなにものでもありません。
この時計を求める時、これが最後の腕時計になるだろうと思って求めました。考えたら、時計時計、と随分買い求めたものです。宝石には興味があまりありません。自分の身に沿ってくれる時計、私の時間を一緒に歩いてくれる腕時計です。この時計、22年間続けた仕事を辞めた後に自分へのお疲れさまの意味で買いました。これからの私の時間を一緒に過ごしてくれる腕時計です。一日2回巻いてやり、その度に2分針を戻してやります。私の小さな毎日の仕事です。