チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

種が付いた花の本

2012年12月17日 06時02分23秒 | 

曇り、21度、93%

 私が香港に来た、1980年代の終わり頃は、アメリカの出版会社は日本にグラビアの印刷を発注していたようです。日本の印刷会社のそのてに技術は、優れたものに違いありません。発色が良かったり、製本でも丁寧です。

 ところが、1990年代に入ると、その日本の印刷会社は、香港に工場を構えました。人件費と、流通の利便性からでしょう。相変わらず、アメリカのグラビアを主体とする本は、この日本の印刷会社が請け負っていましたから、香港で印刷され、アメリカで売られていたわけです。日本の会社は、検品をきちんとしますよね。それで、その印刷工場から出た2級品というか、ちょっと企画はずれの本を集めて売っている店が、ワンチャイにありました。トラム通りに面した、間口の狭い店で、地元の本はちゃんとしたものを売っていました。

 この店で、売られている企画はずれの本は、しばらくするとアメリカから入って来て、洋書の本屋の店頭に並びます。そのワンチャイの店で求めた、2冊の本です。

 色別に花が集められています。あと赤と青の花の本がありましたが、落丁があったりで、求めたのは黄色と白の花の本だけでした。

  この白の花の本は、見出しの黄色の花の本と比べてもらうと解りますが、初めからビニールの表紙が付いていませんでした。中は白い花ばかり。アメリカの雑誌、HOUSE&GARDENなどでエディターを勤めたひとが書いた本です。

 この白い花の本にも、黄色い花の本にも、裏表紙を明けると、 こんな袋が付いていました。これは黄色の花の方です。いろんな黄色の花の種が入っています。

 1995年、初版のこの本、私が求めたのもその頃です。求めた次の年、白い花の種をプランターにまきました。でも、ほとんど花をつける前に消えてしまいました。当時の家は日当りが悪かったせいもあります。15年以上前のことですから、当然この黄色い花の種は、もう使い物になりません。

 サンフランシスコのCollinsという出版社の本です。種を付けるなんて、なんだか素敵な本です。

 2000年に入って、だんだん私がブラビアの本を買うことが少なくなりました。それでも、花や料理の新刊が出ていれば、必ず立ち読みをします。その後、日本の印刷会社がどこに行ったかは知らないのですが、本の裏書きには、中国で製造と出るようになりました。確かその頃、だから10年以上前に、ワンチャイにあった本屋さんは店仕舞しました。企画はずれの本が手に入らなくなったからではなく、きっと家賃の高騰からでしょう。

 最近のアメリカのグラビアの本は、シンガポール製造、と書かれたものもあります。日本にいると、いい印刷物を目にしているのが当たり前です。でも、カラー写真の写りの良さなどは、日本の印刷技術の粋ではないかと思います。

コメント
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