雨、24度、98%
恥ずかしいことですが、私は家族の中で一番お箸の使い方が下手です。家人は、お魚を食べる家に育って、見事なまでに箸使いがきれいです。私はというと、お魚と言えばお刺身しか食べない家に育ちました。そして、下手な私が教えた息子は、私なんかより数段上手に使います。息子が、箸を持って食事をはじめたのは、幼稚園前のことです。お弁当が始まりますからね。竹の子供用の箸を用意しました。でも、最後はいつもスプーンかフォークを持っている状態でした。そんな折、買い物についてきた息子が、小間物屋の店先で見つけたのが、プラスチックのサンバルカンかキン肉マンの絵のついた箸でした。色も、まっブルー。私が、絶対に食卓にのせたくない代物です。珍しく、欲しいとせがみます。今晩から、このお箸でご飯を食べなさいね、とプラスチックの絵付きの箸を買いました。いえ、びっくりです。その晩から、ずっとお箸でご飯を食べます。秋になってさんまが出始めました。サンマを一匹そのまま焼いて食卓に出すと、ある程度まで、箸で食べるのです。
息子は、15才一人で日本に戻りましたが、それからも、一緒にご飯をする時は注意して箸使いを観察しています。一匹の魚は家人と同じようにきれいに骨になります。私は、家人と一緒になって以来、秘かに箸使いの練習です。35年経っても、まだ上達しません。3人でお魚を1匹ずつ食べれば、私の魚は、骨に身がついたままかもしれません。
下手ですからね、かえって箸に注文を付けます。先が、ぐっと細いのがいいとか。
お正月には新しい箸をおろしたいと思いつつ、いい箸が見つからずに7年ほど使っているがこの箸です。先は、キッリッと細くて手にも馴染みます。日本に帰る度、箸は必ず探しています。毎日使う物ですから、ごてごてしていない物がいいなあと。
先日、サントリー美術館で「紅型」を観た後、ミュージアムショップに立ち寄りました。そこで見つけたのが、 こちらのお箸。竹でできています。やっと見つけました。このお箸、使い始めは来年のお正月です。
アジアはお箸を使うのが基本の食生活。それでも、食べる物の違いによって、韓国はスッカラというスプーンと一緒に使います。中国もレンゲと一緒に出されます。一番先が細いのが日本のお箸です。 15年ほど前に求めた、インドネシアのお箸。手作りで、頭のところに人の顔が彫られています。先は太いのですが、この箸だけは、長く使いました。さあ、しばらくはお箸探しから解放されます。