モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

気付かないままなら病気ではないのが病気

2012年07月22日 | ツレの下垂体腺腫

病気ってなんだろう・・・と考えることが、最近多いです。

もちろんきっかけは、ツレの病気です。

100万人に6~8人と言われている先端巨大症。
この数字、実際のところはもっと居るんじゃないか?とも言われていると、よく聞きます。
つまり、放置して気付かないままで居る人も多いのではないか、と。

ツレの場合も、「MRIを受けてみよう」と思わなければ未だに脳腫瘍を放置してしまっていた可能性もあるのです。
頭痛や視覚障害といった症状が無かったわけですから、気付けたことがフシギなくらいで。
なんで判明したかというと、入眠時の息苦しさ・胸がもやもやするカンジがある件で内科を受けてその検査の中にMRIというメニューを選択したことと、どうやら先端巨大症をうっすらと疑っていたことがある様子。
(先端巨大症って、どうやら認知度はそこそこ高いんですよね。
先日の「ザ・世界仰天ニュース」で「顔が変わっていく病気」として取り上げられたのをたまたま観ていた友人がいまして、「あぁ!あの病気なのか!」と言っていました。
ツレも、そんなふうにどこかで情報は仕入れて知ってはいたわけです。)

自分で検査を受けない限り、なかなか「先端巨大症」とは気付けない。
下垂体腫瘍についてもしかり。
つまり、検査を受けて腫瘍があることが分かるまで、自分の状態に気付けないわけで、気付かずにいる間は「病気」とは認識されないわけです。

似たようなことを、自分についても思うことがあります。

例えば、胃カメラ検査。
検査を受けて何も無ければそれで良いわけですが、「検査を受けずに何も分からないままでいれば、それって病気じゃないよな」と思ったことがあります。

・・・おかしなコト言ってますかね??

なんと言うか・・・見えなければ無いも同じ、と言うか・・・・。
病気であると気付いてしまったばっかりに治療も必要になるし、病気なのだという自覚も生まれて、投薬や食事制限など日常生活が少し変わってしまうわけです。
もし私がいつお迎えが来ても良い年齢だったら、今更検査などは受けず、好き勝手に食べたいものを食べ、やりたいことをやるだろうなーと考えたことがあるのです。

そう思うと、病気であることを知る事ができてしまう医療の進歩というものに思いを至らせずにはいられないのです。
「不思議だなぁ」と思うことがあるわけです。
ニンゲンにとって、見えないもの・知らないものは「無い」と同じであることが。
それが自分の体のなかの「病」であっても、見ようとしなければ「無い」と同じなんですよね。


しかし、早くに分かることで夭折することなく人生を楽しめる時間が長くなるわけで、医療の進歩には大感謝です。
そこは疑いようもなく。
もしツレの病気が分からないまま治療をせずにいたら私は早々に「遺されて」しまう可能性は高かったわけで、医学の進歩にとても感謝しています。
しかも「難病指定」されて、治療費の面で本当に助かってます。
その認定のために、センパイ患者さん達の働きかけ・努力があったことにも感謝です。
「先端巨大症」の認知度が高いことにも感謝です。これも、センパイ患者さん達がマスコミに出てくれていたからだと思います。


病気って、認めるのはとても勇気のいることなのだと思います。
「病院、キライ」って人は多いと思いますが、その理由は、自分が病気だと知りたくないからだと思います。
私自身、しょっちゅう腹痛だの頭痛だのダルさだの低体温だので不調だらけなのにそれをキッチリ解明するために病院巡りをする!なんてことはサッパリしてません。
不定愁訴は西洋医学の範疇じゃないだろうと思っているのも理由の一つですが、やっぱり、検査して変なのが見つかっちゃったらどうしよう、という気持ちもあります。

なのでこんなこと言えた立場じゃぁないのですが。。。

先端巨大症じゃないかな??と思った人には、早く検査を受けにいってほしいです。
腫瘍は、早くに手をうったほうが良いです。

ツレの場合、残存腫瘍があります。
今更言ってみてもどうしようもないことなので私としては後悔のしようは無く、またツレに対しても「どうしてもっと早く・・・」と言う気持ちは不思議と微塵も無いのですが、客観的にみれば早期発見・早期治療が望ましいのは分かります。
なので、もし今、「もしかして自分も先端巨大症かもしれない」と思ってる人がいたら、背中を押したいです。
また、手足だけが大きい人、顎や額がゴツくてそれが親兄弟と似てない人・昔はそうじゃなかった人がいたら、先端巨大症を疑ってみては?と伝えたいです。

難病指定の認定を進めてくれた先輩方にこの感謝の気持ちを恩返ししたいと思ったとき、やるべきことは、潜在的な先端巨大症の人の役に立つことではないかと思うのです。

100万人に6~8人と言われている先端巨大症。
実際のところはもっと居るんじゃないか?とも言われていると、よく聞きます。
放置して気付かないままで居る人。
そのために出来ること、何か無いかなと考えています。

認知度をもっと上げることが第一、なのかなぁ。

視覚障害が起きて眼科に行ってみたけど原因が分からなくてあちこち彷徨ったあげく、原因は下垂体腫瘍だった、という話も聞いたことがありますし。
彷徨ってる期間はツライだろうなぁと思うと、ツレのようにサクっとMRIを受けられたらいいのにな、と思いますし。

認知度を上げるには・・・うーん、どうしたら良いんだろう・・・。