モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

国芳展、行ってきました

2010年04月30日 | 日々のできごと
国芳展を観てきました。
府中市美術館へ。

歌川国芳。
葛飾北斎や歌川広重らと同時代(江戸時代末期)に活躍した、浮世絵師です。

展示物は歴史的なシロモノなのですが、浮世絵ってのはそもそも当時の大衆文化。
畏まって眺める美術品とは違って、好きなイラストレーターの作品展に来たような気持ちで見るのが、当て嵌まっているような気がします。
猫や人間で文字を書いたりして、遊び心、満載です。
今で言う「お笑い芸人」的な楽しみを、江戸の人々は国芳の作品に求めてたのではないかと、私は思います。
単純に面白かったり、シャレが利いてたり。
もちろん、絵の才能は確かなものです。・・・て、私は絵画を語れやしませんが、でも、国芳の絵を観てその迫力に「おおおっ」と感嘆したのは、確かです。
「フツーじゃないカンジ」が、します。

もちろん、ネコ好きな私としては、国芳の描く猫にも食いつきます。
別段、かわいいカンジのネコではないんですけどね。
むしろ、ぶちゃむくれてるカオのネコだらけだったりします。
が、「ネコの気持ち」が伝わってくる絵なのです。
擬人化した絵などもあるせいか、表情豊かなネコだらけで、擬人化されてないネコにもつい微笑んでしまうような愛らしさがあります。
ネコに限らず、金魚とかカメとか化物とかも、表情豊かで愛嬌があります。

ちなみに、当時の錦絵(浮世絵の中でも、多色刷り=カラーの物は錦絵と呼ばれました。国芳作品は、錦絵が多いです)は、かけそば1杯くらいの値段だったそうです。
なんてこったい。
今や買おうとしたら物凄い金額であろうあの作品を、(現代換算で)文庫本1冊と同じくらいの感覚で買えたってことですよね。
当時がうらやましいです。
私が江戸時代に生まれていたら、歌川国芳の新作を楽しみに日々を過ごし、発売されたら真っ先に買って、眺めて眺めて部屋に飾りまくったことでしょう。

とりあえず、実物は諦めて図録をゲット。
部屋で眺めております。
国芳展、非常に満腹でございました。