僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

心配な男

2009年08月28日 | ケータイ小説「パトスと…」
高橋慎一は自他共に認める心配性だ。

酒が好きな彼はいつも肝臓を気にして
ビールを飲みながらもミネラルウォーターを飲む
アルコールを薄めるから良いのだそうだ。

それなら飲まなければ良さそうだが
常に体に負荷をかけていた方が臓器には良いと主張する。

友達と飲む時は対面でなく並んで座る
カウンターの時は良いがボックス席の時でも横に座るので
妖しいカップルのように見られることもある。

なぜって?
対面だと、つばが飛んだりウイルスが直接かかるので
危ないのだそうだ。

慎一がいつも心配していることのひとつに電磁波がある。

携帯電話をかける時
あんな小さな機械から遠く離れた相手に信号が送られる
何万人も同時に通信しているはずなので
その電波は空気中を飛び回っているはずだ

携帯電話だけでなく様々な電波が
昼夜を問わず身体を通り抜けている
というより電波の中を人間は泳いでいると言って良い

遙か宇宙から飛んでくる電波が
スーパーカミオカンデの発光器を光らせるように
身体を突き抜ける電磁波が肝臓の細胞のミトコンドリアを破壊する。


携帯電話が爆発的な普及を始める前
耳に押し当てる事で電磁波が脳に悪影響を与える
と訴えていた科学者は今どうしているのだろう。

慎一は「だからボクはメール党なんだ」と言い
黒エビスを飲み干した。






コメント (2)
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