辰雄はいつでも微笑みかける準備をしていた。
あっ先日はどうもありがとうございました。お礼も言えなくてごめんなさい。
なんて言われたら、素敵なキーケースだったんで貰っちゃおうと思ったんですが、あなたが確か持ってたのを以前電車で見たもんで…
なんて冗談のひとつも言ってみたら笑うかな?
まさか忘れちゃってないかな?こっちから、あの時はどうも、って言うのも変だしな。
いろいろ考えながらその人の行方を見守った。
その人は辰雄に全く気付かない様子だ。
3つの後が残る耳にピアスはなく、そこにはホワイトのイヤホンが揺れるショートの髪に見え隠れしている。
バッグからパステルピンクのipodを取り出ししばらくの間操作する。
何を聴いているのだろう。今流行のYMOか。
あっ先日はどうもありがとうございました。お礼も言えなくてごめんなさい。
なんて言われたら、素敵なキーケースだったんで貰っちゃおうと思ったんですが、あなたが確か持ってたのを以前電車で見たもんで…
なんて冗談のひとつも言ってみたら笑うかな?
まさか忘れちゃってないかな?こっちから、あの時はどうも、って言うのも変だしな。
いろいろ考えながらその人の行方を見守った。
その人は辰雄に全く気付かない様子だ。
3つの後が残る耳にピアスはなく、そこにはホワイトのイヤホンが揺れるショートの髪に見え隠れしている。
バッグからパステルピンクのipodを取り出ししばらくの間操作する。
何を聴いているのだろう。今流行のYMOか。