僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

「パトスとエロス」 ipod

2009年03月29日 | ケータイ小説「パトスと…」
辰雄はいつでも微笑みかける準備をしていた。

あっ先日はどうもありがとうございました。お礼も言えなくてごめんなさい。

なんて言われたら、素敵なキーケースだったんで貰っちゃおうと思ったんですが、あなたが確か持ってたのを以前電車で見たもんで…

なんて冗談のひとつも言ってみたら笑うかな?
まさか忘れちゃってないかな?こっちから、あの時はどうも、って言うのも変だしな。

いろいろ考えながらその人の行方を見守った。

その人は辰雄に全く気付かない様子だ。
3つの後が残る耳にピアスはなく、そこにはホワイトのイヤホンが揺れるショートの髪に見え隠れしている。

バッグからパステルピンクのipodを取り出ししばらくの間操作する。
何を聴いているのだろう。今流行のYMOか。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする