たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤城の鍋割山ふたたび。今度はガスで早々に戻る。

2014年07月06日 | 赤城山周辺
◎2014年7月6日(日)

鍋割山登山口(7:15)……鍋割山(8:30)……登山口(9:35)

 でんさんの鍋割山登山口からのお歩きレポを拝見してから、このルート、ずっと気になっていた。先々週、S男さんを誘って歩いてみようと出かけたものの、雨で姫百合登山口からのぶらつきで終わった。今日は、天気は何とか持ちそうだ。行ってみようか。
 鍋割山登山口からのストレートな歩きもいいが、ネットでいろいろ調べると、脇道ルートに鍋破山前不動という石仏があるらしい。これを見たい。今日はそれだけにしておいてもいい。体力にさしたる自信もない自分には、日曜日のロング歩きはちとつらい。というよりも、今はどうしても足尾の山のいくつかの未踏尾根歩きにしか気が向かず、これは天気が保証された日に回すとしても、梅雨時の歩きは、取りあえずは近場で済ませてしまいたいといった気持ちがある。

(登山口付近の駐車地)

(しっかりした道になっている)

(鍋破山前不動方面に向かう)


 赤城国際カントリーの脇をかすめて鍋割山登山口に到着。ここは初めてだが結構奥だ。路肩にはすでに2台。こんなガスが濃い中の歩きをするのは自分だけかと思っていた。長靴を履いて出発。ちょうど、自転車の方がやって来た。縦走でもするのだろう。案内板を確認。ここに前不動ルートは記されていない。やはりマイナールートなのだろう。
 すぐに「鍋割山1.5km」の標識。石の階段が付いている。登って、ほどなく分岐。標識の白文字が消えかかっているが、ここは左だろう。「鍋破山前不動を経て鍋割山(急坂につき要注意)」と記されているようだ。山頂まで標高差500mか。

(ヤブ系のコースだね)


 道はすぐに細くなり、草の露ですぐにジャージのパンツが濡れた。風一つない。視界なし。歩いて間もないのに汗がボタボタ。下には牛舎が多いのか、臭いが漂っている。下からの道が合流して右折。地形図の等高線は混んでいる。これから急になることは明瞭。
 道を登って行く。ところどころでか細くなり、衣類がササの水をさらに吸う。確かに急ではあるが、やっかいなのはズルズルと滑ることだ。登山靴ならもっと滑るだろう。ここはスパ長がいいだろうが、自分のはただのノーマル。ところどころにトラロープも据えられている。汗もさらにかき、もう全身がびっしょりの状態になってきた。

(大岩の下に)

(鍋破山前不動様)

(鬼太郎の世界っぽい)


 大岩の下に不動様が祀られていた。これが鍋破山前不動か。いつの頃のか知らないが、隣の石碑には「文化五年…再建」とある。凛とした不動様だ。なるほど…。このルート、信仰の道でもあったわけか。こんな人気のないところにポツンとある石仏はなかなかの風情だ。しばらく眺め、めったにしないお参りまでさせていただいた。
 これで用事は済んだからもう帰ってもいいのだが、ここをそのまま下るのはためらわれる。急坂下りで転げまわって泥んこになるのが必至。せめて鍋割山までは行こうか。さて、「鍋破山=鍋割山」か?そんな疑問が出た。ここ、それらしきピークになってはいない。「破」も「割」もニュアンスは異なれど同じような意味だしな。
 しばらく行くとまた石碑。しめ縄が施され、「覚明」「一心霊神」「普寛」と記されている。帰宅後に調べようとしたが、山岳信仰と関係があるようだとのこと(あにねこさん記事)。調べる手間が省けた。それ以上は知らなくともいい。

(出遅れのツツジを眺めて)

(一般道と合流)

(いい感じなのだが…)


 そろそろ一般道に合流のようだ。傾斜も緩くなった。出遅れのツツジがチラホラと目に入る。周囲はガスが充満しているから、鮮やかな赤があせて見えもする。近づくと、雫を含んで新鮮なのだが。
 一般道に合流。山頂まで80mの標高差か。周囲はササの原になっていて、上に階段が続いて行く。晴れていたらいい雰囲気だろうが、50m先も見えていない。空に薄く青色が出てきてはいるが、すっきりするまではかなりの時間がかかりそうだ。今年初のトンボを目にして山頂着。

(鍋割山山頂)


 3人グループが休んでいた。ガスの中、薄日が差し込んでいる。3人は荒山高原の方に下って行った。そして、登山口でお見かけした自転車の方が上がって来る。そして、荒山高原の方から単独さん。お二人とも、赤城山にはよくいらっしゃるようで、自転車の方はこの先、車をデポした姫百合駐車場か、地蔵岳まで出て13時のバスに乗るようなことをおっしゃっていた。
 これからどうするか。荒山まで行くことを想定し、その周回コースも調べてきてはいたが、ガスの中の歩きがずっと続きそうだ。それでは面白くもない。山頂に来ても無風のままだ。このまま一般コースを下ることにしよう。
 このコース、自分には、不動様からのコース合流までの区間が最高だった。惜しむらくはガスだが、今さらの話になる。すっきりしていれば、短いながらも気分のいい歩きを楽しめるだろう。あるいは富士山も見えるかも。鍋割高原とか獅子が鼻といったスポットがあるらしいが、自分が下ったところがまさにそれらしいが、標識に気づくこともなく素通りしたらしい。

(こんなところは苦手だ。しばらく続く)


 不動様分岐からの下りは何ともいやらしい。大きな石がゴロゴロしていたり、ロープ付きの長い急斜面が続く。同じ急斜面でも前不動経由の方がまだましかとも思った。ここの下りはスパ長では石で滑って危ないかもしれない。また石のないササ道になる。ここもまたいい感じ。だが、すぐに終わって、また石のある険しい下りになった。
 登って来る方4人ほどと出会った。そういえば、自転車の方がおっしゃっていた。鍋割山登山口はいつも車が満車なんですよって。自分は即席だが、赤城山通の方が歩くコースのようだ。

(ここもまたいい)

(きれいな赤)

(そろそろ終盤)

(到着。短時間ながら疲れた)


 またササ原の下りとなって、牛舎の臭いがしてくる。そして、不動様分岐を通過して登山口に着いた。車は5台。出発時に見かけた車はいずれもすでにない。ガスがさらに濃くなってしまった感じがする。
 短時間の散歩みたいな歩きだったが、かなり汗をかいた。そして、なぜかどっと疲れた。このコース、雪のある晴れた日に改めて歩いてみたい。

(本日の軌跡。といったほどのものでもないが)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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16 コメント

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鍋破山・・・ (瀑泉)
2014-07-07 00:03:57
は,何て読むんでしょうか?
鍋破山前(不動)とあるから,やっぱり此れで「なべわり」と読むんですかネ。
それにしても,でんさんコース,晴れていれば足を延ばす気にもなれるでしょうが,こうガスっていては仕方ないところでしょう。
かく云う自分も,今日は,女峰山に登って来ましたが,鬼怒川方面は多少見えても,日光・足尾方面は全くダメでした。
天気図からは,もう少し良いかと思ったんですがネェ・・・やはり梅雨は難しいですネ。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2014-07-07 05:30:56
瀑泉さんこんにちは。
鍋破山は当初、ナベハと読むのかと思っていましたが、やはり、鍋割山と=のようですから、ナベワリと読むのではないでしょうか。
梅雨時はこんなものかと思っても、皆さんの歩かれたレポを拝見していると、それでも青空は広がっていたりと、どうも、自分には山の選択がヘタなような気がしてきます。
歩いたコース、ガスの中とはいっても、なかなかのコースと見受けました。秋にでも改めて行ってきますが、赤城山そのものが間に合わせ的なところがありますし、またこんな感じの中の歩きになるかもしれません。
瀑泉さんは女峰山でしたか。大方、ちょっとハードなコースを歩かれたことと思いますが、日曜日歩きの山としては、自分にはしんどいですね。
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確かに雪のときはよさそうかも (みー猫)
2014-07-07 07:46:41
おはようございます。
赤城のマイナーコースお疲れ様でした。復路の道は何度も通っているのですが、今回のこの道、いつか訪れてみたいと思いました。昨日は、大倉深沢に行ってまいりました、川歩きの長いこと長いこと…五色沼まで3時間要しましたが最後にまとめて割に容易な滝(笑)深さは膝上2回程度、思ったより水が冷たかったです。谷地平はワタスゲがよかったです。どちらかと言うと帰りの車、高速を使わなかったので大変でした(笑)
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2014-07-07 08:36:29
みー猫さん、こんにちは。
大倉深沢お疲れさまでした。日程が合えばご一緒させていただいたのに残念です。
記事は後で拝見いたします。
今回の脇道の歩き、そうですか。みー猫さんもお歩きになったことはないですか。
でも、正直のところ面白味はないですよ。石仏があるだけのコースで、後はまったく展望のきかない急斜面です。
晩秋や雪の時期もどうなのでしょう。展望といった面では無理があるかも。本コースの方がずっといいでしょうね。せいぜい、お試しあれといったところです。
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不気味な山行 (K女)
2014-07-07 11:07:45
晴れたけど、雨上がりだったので、すごいガスでしたね。

鍋破山前不動様、可愛いと言っては失礼かな、ちょこちょこ動き出しそうな雰囲気です。
たそがれさんなら、作れそうな不動様に見えますが、山名板の次はいかがでしょうか?

読んでいて、こちらも湿気が充満しそう、早い、梅雨明けが待ち遠しいですよね。
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K女さん (たそがれオヤジ)
2014-07-07 12:25:05
K女さん、こんにちは。
作るとは仏様を彫れと?
それは無理でしょう。現世の即物的な欲、煩悩から離脱できないどころかどっぷりと浸っている私には無理なお話です。
ここの不動様、ちょっと華奢な感じがいたしました。もうちょっと筋トレしてみたらといった具合でした。
湿気が充満ならともかく、牛の臭いはしなかったでしょうか。だとすれば、ちょっと描写が弱かったかも。
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Unknown (でん)
2014-07-07 14:14:11
やはりこれをやっつけないと先へは進めないみたいですね~(笑)
6日の赤城山はこんな天気だったのですね、遠く赤城山が島に見えてました。
歩く人の少ない濡れた鍋破山前不動への道を登るのは大変だったでしょう?急ですもんね。
このルートはお不動様があるだけでなく岩場のところにアカヤシオがたくさん見られるので何度か歩いてます。
このお不動様を見たとなると鍋割山の先にある不動尊も見ないといけないですね。
また一つ課題を与えてしまったでしょうか(笑)
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でんさん (たそがれオヤジ)
2014-07-07 17:44:42
でんさん、こんにちは。
本コースのご紹介ありがとうございました。アカヤシオがきれいなんですか?そんな感じはしませんでしたが。もっとも、2か月前だったらということでしょうが。
せっかくいただいた新たな課題ですが、鍋割山と荒山の間は歩いたことがあるのです。
その節、鍋割山の不動尊ですか、見た記憶はあるのですよ。改めて、当時の写真は確認してみますが、見ていれば、確実に写真に納まっているはずです。
何か、もっと面白そうな課題をお願いしますよ。赤城の珍百景とか。
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鍋破山前不動 (ハイトス)
2014-07-07 18:30:14
こんにちは。
鍋破山前不動は知りませんでしたね。
是非一度見に行かなくては。
たそがれさんは器用だから仏像も彫れるのでは・・とK女さんと同意見。
煩悩から離脱するするためにも修行の一環で。(笑)

牛糞の臭いは感じ取れますよ。
赤城南面道路はこの時期特に臭うことが多いですから。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2014-07-07 19:55:13
ハイトスさん、こんにちは。
日曜日は、ハイトス隊と違って、えらく近場で済ませてしまいましたよ。まぁ、それなりの歩きで終わってしまいましたが。
やたらと仏像入門をお薦めいただいておるようですが、私は立体的なものはだめです。千手観音のプラモデルでもあったらご紹介くださいな。どこかの石祠の中にでもそっと安置してきますから。
実は、この赤城、さっさと終わってしまいましたので、帰ってから、また懲りもせずに山名板を作っておったのですよ。
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