たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

桃食べ放題・土産付きだった大菩薩の宿

2011年07月18日 | 富士山見物
◎2011年7月17日(日)―with I男&K女

 上日川峠にあるロッヂ長兵衛。6年前に大菩薩に来た際に、ここで風呂に入って帰ったような気がするが、今も以前もか、ここでは日帰り入浴は出来ない。いったい、どこで風呂に入ったのだろう。宿の建物も、記憶の印象と大分違っていた。福ちゃん荘ではない。あそこは、当時、休業していた。それ以上の記憶が蘇らぬままに、取りあえずチェックイン。外の高台にはテントが数張。学生さんのグループだ。I男の気になる、星空は大丈夫だろう。晩ご飯は18時からということだった。まだ15分ほどある。玄関の土間に、桃が入った木箱が大量に積まれていた。不思議に思っていると、つぶれかけもあるが、適当に勝手に食べて構わぬとのこと。フルーツ街道を通りながら、土産は桃と決めていただけに、賎しい3人組は早速、食べ出した。桃は高いというイメージが強く、食べ放題と言われたら、いただかない手はない。食前の2個ずつ。I男は、プラムもちゃっかりと見つけてきて食べている。

 夕食時に生ビールを飲み、ワインを一升瓶でいただく。I男は疲れが出たのか、アルコールが進まない。K女も嗜む程度だから、オレ一人で飲んでいる形。これでは楽しくもない。残ったワインはK家への土産とした。ワインはダンナさんがお好きなようだ。ここで、I男は早々に大菩薩のバッヂを購入。食後にまた風呂に入ると、外はすっかりと暗くなっていた。自家発電につき、消灯は9時半とのこと。涼しい。蚊もアブもいない。長兵衛さんの話によると、蛍も見られるとか。星を見がてら外に出る。星はまばらで、見栄えはよろしくないが、蛍は確かにいた。都合、10匹は見つけた。どうも、I男は元気がないため、こちらの気分も乗らず、また桃をいただき、消灯となった。ちなみに、宿泊客は12~13人程度だったろうか。桃にガツガツしていたのは、我々だけだったみたいだ。ここで、後で気付いたハプニング。寝る前に布団の中で、患部に軟膏を塗った。電気は既に消えている。軟膏を入れたはずの洗面袋からチューブを取り出し、塗った。いつものようにスーッとなった。ジワジワと効いている感触。そして寝た。翌日、枕元の洗面袋を持って、顔を洗いに行った。洗面袋には、歯磨きのチューブしかなかった。後で荷物を整理していたら、例のチューブはバッグの奥底にあった。自分はいったい、何を塗っていたんだ?

(駐車場から南アルプスを望む)


 朝食は6時半としていた。ゆっくり出ていいだろうとの考え。3時間もあればぐるりと回れるはず。現に、6年前も石丸峠経由で3時間もかからなかった。暗いうちから起こされた。学生グループが騒々しく炊事をしている。明るくなってから、もう寝ているのに我慢できずに外に出た。ひんやりしていた。南アルプスの山々が雲海の上に覗いていた。学生グループが出発した。車がどんどん上がって来る。ハイカーも多くなった。早いところ食べちゃおうと、6時15分に繰り上げ朝食をとった。長兵衛さんの話では、今朝の気温は18℃。こんなところにずっといたい。ふと、昨日のアブジイを思い出してしまった。大弛峠の方が800m程高い。さらに4~5℃は低いだろう。震えているのではないか。出がけに長兵衛さんから声をかけられる。帰る際には寄ってくれ、箱を用意するから、桃を持って行ってもらいたい。残していても仕方がない。何とありがたいお言葉。余程、桃好きな客に見られたのだろう。あと、K女の話術だね。昨日も、外でタバコを吸って戻って来ると、長兵衛さん相手に、息子が6回も大菩薩に来ているのに、自分は初めてだ。富士山がきれいなことも、一言も言わなかったとか、息子は下から延々と歩いて、ここで300円のカップラーメンを買って食べたなどと、身内の話題を話しながら、独特の話芸で長兵衛さんを笑わせていた。

(福ちゃん荘に到着)


 で、長々となってしまったが7時10分に出発。I男もK女も一晩寝たら、元気になっている。昨日の大弛峠以上にハイカーが入っている。ここも、男女ペアが多い。福ちゃん荘に向かう。舗装の林道ではなく山道を行く。じわりじわりと暑くなってくる。一人二日酔いもあっという間に抜けた。20分で福ちゃん荘。昔、ここで赤軍の兵士が凶器準備集合罪で一網打尽になったと2人に講釈したが、いずれも乗ってこない。視点を変え、佐々木譲の『警官の血』に、二代目が公安で潜り込み、通報した様子が出ているけど、それはフィクションだろうと話して、ようやく、K女が乗ってきたが、お義理であることに間違いはなく、それ以上の話の続行はやめた。その後のハイジャックから浅間山荘に至るまで、その系列の動向は得意な世界だっただけに残念だ。せめて、聞くフリをしていてもらえたら、延々と話をしてやったのに。今の世の中、そんな話題、だれも聞かないか。

(富士山)


 福ちゃん荘から大菩薩嶺に向かう。ハイカーの歩きは皆、同じような歩きで、追い抜かれることもあまりない。K女も一気に強くなったものだ。I男は先を行く。富士山がグングン大きくなる。ここからの富士山は国師ヶ岳以上に素晴らしい。2人ともに感動している。あのいやらしいダム湖も、ここではポイントになっている。福ちゃん荘が樹林の間に見えてきた。高圧線だけは邪魔だなぁ。

(雷岩)

(南アルプス)

(5枚合成)

(大菩薩峠)


 雷岩8時30分。ちょっと休んで大菩薩嶺に向かう。あのピークは展望が良くない。寄らずに大菩薩峠に向かう人がほとんどのようだ。犬連れの低中年と独り言をぶつぶつ言うオッサンがずっと前後して歩いている。大菩薩嶺は写真とタバコ1本で早々に切り上げ、大菩薩峠に向かう。ここからの景色は絶品だ。石がごろごろしていて、こういう所はK女が苦手で時間もかかる。

(振り返る)


 大菩薩峠9時44分。日陰に座って大休止。タバコ吸いが片隅に集まって来る。K女にしてみれば迷惑な話。犬連れも独り言も、タバコをかなり吸う。宿から持って来たプラムを食べる。暑いためか、味も落ちてしまった。介山荘でI男は何かグッズを買うのかなと思ったが、何も買わなかった。聞けば、大菩薩嶺、大菩薩峠バッヂともに、長兵衛さんで買っていたそうだ。

(林道下り)


 林道をてくてく下る。犬がストライキを起こして動かなくなった。暑いのだろう。下からどんどん上がって来る。自分らと反対の周回コースが体力も使わずにいいかもしれない。福ちゃん荘で休む。犬は水を飲んだためか元気になった。また独り言が聞こえた。この福ちゃん荘も、岩風呂があるようだし、そこまで車で乗り入れも出来る。安易な山歩きにはいいかもしれない。

(お疲れさま)


 11時到着。4時間歩きか。バスが3台。ハイカーが結構、入っているようだ。ラーメンを作っていたら、長兵衛さんが我々を見つけ、箱を持って来てくれた。中には30個ほどの桃。本当に土産付きになってしまった。ラーメンの後は、かき氷をいただいた。桃の御礼としては少ないものだ。どうせ買って帰るつもりでいたのだから。K女はさらに瓦煎餅を買っていた。側で独り言がぶつぶつ言いながらビールを飲んでいた。あのオッサン、ビールを飲んだはいいが、運転はないのだろうか。下る途中でも追い越すことはなかった。どうやって帰ったのだろう。バスは2時まで出ないはず。

 また、大菩薩の湯になってしまったが、宿泊者限定の300円券をもらっていたので、また立ち寄ることにした。林道を下りながら、この林道、歩いている人が随分といるのに気づいた。歩いたら3~4時間はかかるのではあるまいか。こんな暑い時、とても、あんな真似はできないな。昨日も、今日も、短時間山行ながら実にいい歩きを楽しませてもらった。2人がこりていなけりゃいいが。今回ばかりは、K女も雨女を返上だな。

 今回のツァー、特に大菩薩では、I男はえらく山ガールズに興味を抱いたらしく、自らもやぼったい格好はやめにして、山ボーイルックを揃えると言い出した。早速、ワークマンに行って揃えると言い出したが、次回はどんな出で立ちで歩くことになるのやら。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
« 大弛峠からお手軽山行・国師... | トップ | 塔の峰尾根から石塔尾根歩き... »

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぱるお)
2011-07-19 11:31:49
こんにちは。
9月になったら大弛峠から金峰山に行こうと思っています。
ちょうどアブも少なくなりそうです。参考になりました。

山ガールは本当に多くなりました。
38度越えの日に埼玉の低山(寄居とか小川あたり)ですら日焼け防止の完全武装の山ガールが出没するのにはたまげます。
猛烈な暑さの中ああいった服装で山歩きとは、恐れ入ります。

ところで質問なのですが、カメラは何をお使いでしょうか?
実によく写っているので、参考にさせてもらいたいと思っています。
返信する
はるお様 (たそがれオヤジ)
2011-07-19 12:39:08
はじめまして。こんにちは。コメントありがとうございます。
こんな拙い山行記録でもお役に立てれば、たそがれオヤジも冥利に尽きるというものです。

大弛峠から入ってアブのいる方面は国師側ですね、金峰山側はハエです。ただ、アブジイサンのように、金峰側で顔面を腫らしてしまうケースもありますし、実は、記事には記しませんでしたが、私も金峰山からの下りで、腕と耳をやられました。蚊だとばかり思っておりましたが、今朝になって、ようやく、アブによる腫れであることが判明しました。虫除けスプレーもあまり効果なしでした。

山ガールは比企丘陵にも出没ですか。早速、行ってみましょうかね。私の地元の金山では、今のところ情報はないですね。最近の山ガールは山を選ばず、こだわりなしですか。アルプス系が主流とばかり思っていましたが。でも、この山ガールも、「もどき」を多く見かけますね。格好だけはガールというか。これはこれで、なかなかファッショナブルというか賑やかでいいですがね。

カメラですか。私のはバカチョンですよ。一眼でも何でもない。今回は、PowerShotのG10でした。参考にならず、すみません。
返信する
いえいえ、参考になります (ぱるお)
2011-07-19 14:11:54
早速のご回答ありがとうございます。
PowerShotのG10ですか。かつてお店で展示機をいじった記憶があります。高くて買えませんでしたが、良いカメラなんですね。
近日中に、やけに安いPowerShotの普及機を買うつもりです。
一眼も昔に比べると値段は下がりましたが、重いですから。


金峰山は梅雨の晴れ間を狙っていたのですが、しつこい咳を伴う風邪というか気管支炎にかかりチャンスを逃しました。
刺す虫の出没は知らなかったので、よかったかなと思います。
以前榛名でブユに足をめちゃめちゃに刺され、半月程かゆみが止まらなかった事を思い出します。
割と虫に歓迎される性質なようで、たいへん困ってます。
虫除けネットは必携かも知れませんね。
夏シーズンで混みそうなので、落ち着いた頃ということで9月狙いなのです。

ガールといってもだいぶ年齢は上の方もいるようですが、登山用品店のマネキンのような方達はカラフルで良いと思います。
サポートタイツにスカートなんて以前は見たこと無かったです。
若くてきれいな人も確実にいます。だからどうだということも無いのですが…。
有名どころの山だとさぞかし多くのガールが出没しているのでしょうが、自分はあまり有名どころには行かないので。

金山もよく行きました。ちょうど今頃はヤマユリの見ごろでしょう。
こどもの国の売店で呑龍ラーメンを食べるのが楽しみでした。安くてなかなかうまいんですね。

返信する
はるお様 (たそがれオヤジ)
2011-07-19 20:50:25
たびたびのご足労ありがとうございます。

こどもの国の呑龍ラーメンですか。初耳です。いつか行ってまいりましょう。とは言っても、初老のオヤジが、こどもの国で一人、ラーメンをすすっているのも絵にならない話ですから、金山からリュックサックを背負ってと下りて来て、ふと立ち寄ったといったシチュエーションにしましょう。

私も虫には弱い質です。谷川岳で南京虫だかゴキブリだかよく分からない虫に腹を刺され、3か月ほど、かゆみが抜けなかったことがあります。俗説では、虫に好まれやすい体質として、血液型O型、酒飲み、汗かきとされているようですが、私は三条件をすべて満たしています。これでは仕方がないですよ。外に出れば、虫に刺されるものと覚悟しております。

今、台風が近づいてはおりますが、今年の残暑も厳しいのではないでしょうか。金峰山はいっそのこと、紅葉の時期に行かれたらいかがでしょうか。
返信する
雪なし富士山 (K女)
2011-07-19 22:14:26
こんなに山が綺麗に見えたなんて、奇跡のような日でした、雪なし富士山は何か物足りなく感じるのは私だけでしょうか。別の山に思えてしまうのです。
大菩薩嶺から峠までの道から見える景色は最高でしたね。I男がここでテントを張りたいと思う気持ちが分かります。
2件くらい、山小屋が廃業している光景はさびしさを感じました、交通の便が良くなった影響でしょうか。
ところで、歯磨き粉の治療法はいかがですか、余計に腫れていませんか
返信する
Unknown (ぶなじろう)
2011-07-19 23:03:22
今晩は。
二日連ちゃんの一般コースもたまにはいいんじゃぁないですか。まして、桃食い放題、お土産付きならば、おいらも行きたかった。今週行っても桃無しでしょうね。
ケツに歯磨き粉を塗るのは、余りにもオリジナリティがありすぎです。デンターならヒンヤリスッキリか。ザルツなら塩で染み入っちゃたりして、悲劇です。
大菩薩峠は、30数年前に行ったきり。確か介山荘に泊まったはずです。寝る前に、旅館のように布団を敷いてくれて、パリパリの白いシーツが今でも頭に残っています。夜半の嵐で、小屋が揺れていました。
峠の風景は殆ど変わっていないなぁと思いました。
K女さんとの、少しだけキツイ山行を期待しております。
返信する
山小屋泊で星を見る。 (ハイトス)
2011-07-20 01:07:37
こんばんは。
今回も楽しく面白く拝見しました。
歯磨きはザルツだったら大変だったでしょうね。
ヒンヤリスッキル系で不幸中の幸いか。
それから岩峰群の時はたそがれさんの体調の事はすっかり忘れておりまして、一切そのことに関して配慮がなかったことをお詫び申し上げておきます。
当日はすっかり失念しておりまして、たそがれさんの記事を読んで思い出した次第です。
さて、今回はI男さんのご希望に沿った満足できる星空だったのではなかったのは残念でしたね。
やっぱり山での星空は別物で下界では見えない星が見えたときは感動ものです。
K女さんはタイ語もあやつるのですか、これはまた貴重な人材ですね。
桃のお土産をいただける話術というか人柄がいいですね。
ちなみに我々は今回3日みっちりと南アルプスだったのですが、やはり帰りに桃を食してきましたよ。
今年は桃が豊作なのでしょうかね。
山梨と言えばやはり葡萄と桃ですからね。
ところで山ガールの話題が出ていましたが、我々も大勢の山ガールを見ましたよ。
有名どころは山渓で見るような山ガールが増えているのですねぇ。
それなりに華やいだ雰囲気があり、決して嫌いではありません。(笑)
返信する
K女さん (たそがれオヤジ)
2011-07-20 05:46:18
雪無し富士山は確かに風情が少々欠けましたね。
K女さんは富士山大好きですか?今度は雪有り富士山の見える時期に参りましょうか。
いろいろとスポットを研究してみてください。
歯磨き療法もまたひんやりしていて気持ちがいいですよ。小屋でK女さんから伺ったナメクジ療法ほどの刺激はないでしょうけど。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-07-20 05:50:50
おはようございます。今日はあいにくの台風接近で、せっかくの休日も台無しですね。

歯磨きの銘柄はGUMでした。携帯用の小さいチューブ入りでしたから、手探りでは感触がまったく同じで失態でした。
返信する
ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-07-20 06:01:04
おはようございます。
やはり、南アルプスに行かれましたか。岩峰群でこぼしておられましたね。おKさんのパワーに抗し切れずでしたか。まだまだ先だとばかり思っておりました。記事のアップがないので、やはりでしたか。
百名山路線に切り替えとなると、寂しさも募るところです。記事は楽しみにしております。

腰の病に関しては、今後、ブログ記事では触れないことにいたします。これ以上記していると、アブジイならぬイボジイになりかねませんからね。

ハイトスさんも山ガールはお好きと見受けられる。私の場合、正直、あまり関心なしです。以前から、若い女性の一人歩きは見慣れた光景でしたし、ファッションが伴ったといったところでしょうか。I男が異様な反応を示すのには、戸惑い気味でした。
返信する

コメントを投稿

富士山見物」カテゴリの最新記事