2022年9月17日(土)
ブログ記事にもしなかったが、まめに近場の山は歩いていた。地元の金山を別ルートで2回、桐生の吾妻山、赤城の五輪尾根。2時間ほどのハイキング、残暑厳しき折、大汗かいての低山歩きに新たな発見や見どころもあったものではないが、五輪尾根については10年前に吹雪の中を歩いて途中から下山したこともあり、今回は以来の2回目だった。通しで五輪峠から出張峠まで歩いた。これも2時間少々の歩きだった。心地よい風が通い、ほんの少しの紅葉も見つけ、気分良く歩けた。そのつもりもなかったが、さすがに鈴ヶ岳までは足を延ばせなかった。足をなまくらにさせたくない目的で歩いている。
仕事を辞めたら急にヒマになったはいいが、これまでルーズだった金銭感覚がシビアになった。遠出したいが金がかかる。せめて高速の休日割引は利用したい。車中泊は遠慮したい。さりとて宿代も惜しく、娘の家に泊まるのを前提につい計画してしまった。
気持ちとしては仙台神室岳と山形神室岳の周回に仙人大滝の見物を加えたかったが時間的に無理。犬の散歩を済ませた後の出発だし、11時過ぎの歩き出しになる。残念だが、神室岳はあきらめるしかない。どうせ、紅葉には早過ぎる。滝見だけにしておくことにした。仙人大滝ついでにハダカノ沢大滝(瀑泉さん記事には仙人沢「左俣大滝」とある)でも観られれば幸いだが、瀑泉さんに限らず、他の方の記録を見ても、サルのように器用に倒木を利用して上に出て大滝を見上げるのは自分には無理だろう。おそらく、抱きついたままに固まってしまう。
(仙人沢登山口。このあたりは北蔵王エリアというらしい。右に青年の姿が見える。あの格好で暑くないだろうかと思った)
仙人沢登山口には地元の車が一台だけ。仙台神室まで150分の看板がある。すでに10時55分。準備をしていると若いハイカーがやって来て、周回し終え、これから笹谷峠まで車道を歩いて帰るとのこと。地図を確認すると、笹谷峠の標高は906m、ここは750mだから、終了後の150m登りはつらいように思える。自分が周回するなら、楽そうなこちらからの歩きを選びたいが、そうでもないことが後でわかった。その先は知らないが、少なくとも仙人沢沿いの登山道は悪路だった。滝見を無視すれば、笹谷峠からのピストンが賢明かもしれない。
(普通の登山道が)
(すぐにこうなった)
(右下に仙人沢)
沢の出合いまでは普通の登山道とばかりに思っていたが、それは出だし部分だけで、後はずっと崩れかけの狭いトラバース道が続いた。崩れたところや際どい個所にはロープがあちこちに張られている。悪いことに泥濘もある。右下に仙人沢が見えるようになると、高度感は結構あり、垂直に近い。嫌らしい道だ。確かに、さっきの青年の靴は泥だらけになっていた。
沢との距離が近づいたところで道は幾分ましになり、平地も出てくるようになってほっとするが、沢を渉るところもあり、靴を濡らさない飛び石は難しいかもしれない。こちらは沢靴で来ているから気にはならないが。
(前滝)
(滝ツボ)
ここで最初の滝が真下に見えた。「前滝」というらしい。滝の前に行けないものかとキョロキョロしていると、下る踏み跡があり、さらにその下にはロープまで取り付けられていた。落差は5~6mほどのものだろうが、こういう勢いのある直瀑は好みだ。流れの両サイドは柱状節理の岩盤になっている。滝つぼもしっかりあり、落ちの流れはきれいだ。正直のところ、目的の仙人大滝にはさほど期待はしていない。ネット記録の写真を見る限りは、落差はあれど流れが細い。豪快な滝にも思えなかった。今日の仙人大滝がどういう具合かは知れないが、この前滝を観ただけでも、もし仙人大滝にがっかりしたとしてもカバーはできそうだ。しばらく見とれていた。早速、タバコまで吸ってしまった。
(深い滝ツボが見えた)
(正面に回る)
(滑り落ちれば気持ちが良さそう)
(滝の上の渡渉点)
登山道に戻る。次に目に入ったのは円くて深い滝ツボ。沢に降りる。もしかして、これがウォータースライダーの滝かと思ったら、まさにそうだった。滝そのものはナメのようで、無鉄砲な子供の頃だったら、上から流れ落ちてみたろう。角度も25度くらいのものだ。ここは右から簡単に上がって登山道に復帰したが、登山道には渡渉地点にロープはあるものの、ここもまた確実に濡れる。
(こんな登山道が続けば苦にもならないだろうが)
(沢の渡渉は避けられない)
しばらくは沢を避けながらの歩きになる。もう危うい歩きはない。渡渉するところは何か所かある。こちらを周回するハイカーはあまりいないのか、たまに不明瞭にはなるが、テープとブリキの案内板で迷うことはない。結果的には、そのまま沢を歩いた方がよかったかもしれないが、つい登山道に出てしまい、後で失敗したなと残念な思いになる。このまま沢を上流まで歩いて行くには好みの渓相でもなかった。
(この滝は正面から見ずに残念だった)
(せめて落ち口)
登山道はまた右岸側の高巻きになり、やがて沢に合流。右下は6mほどの滝になっていた。下に降りたかった。少し戻ってみたが、下るにはかなり厳しい。高低差もさることながら、激急の斜面は草むらになっていて、どこに危険があるかもわからない。仕方なく見下ろすだけで我慢した。やはり、沢通しで歩けばよかったか。下るのは無理としても登山道に戻る登りなら何とかなったろう。だが、実際には下る踏み跡があったらしく、見落としただけのことだった。あくまでも後で知ったこと。
(二段小滝)
低い段差のある小滝を通過。この辺で件の左俣からの沢が合流してきていたはず。そちらの大滝は帰りに寄ることにしていたから、ここでは様子を見に行ったりはしていない。ここから沢歩きのつもりでいたからヘルメットをかぶった。まだ早かった。そもそも、今回の歩きにヘルメットは不要だった。それどころか、沢にはまったく風が通わずに蒸し暑く、ここまででもかなりの汗をかいていたが、ヘルメットをかぶったら、余計に暑苦しくなり、頭から汗がボタボタと落ちてくるようになってきわめて不快。頭に手拭いを巻くとさらに暑くなったので外した。
(ボケたが、こんなところや)
(こんなところを通過)
(大滝との分岐。沢沿い左が大滝)
(標識)
ヤブの小道、崩壊地が続く。気分的に飽きた頃に登山道は沢を越えた前方に続いていた。仙人大滝はそちらには行かず、左の上流に向かうのではないのかと思っていると、やはり、ネット記事で見かけたブリキの案内板があり、仙人大滝は沢の上流になっている。沢沿いに小道が続いていたが、せっかく沢靴で来ているのだしと、沢を上流に向かった。
(大滝への途中で。あまり歩きたくない気分)
(仙人大滝が見えた)
ほんの少しのナメはあったが、さして面白みもない沢だ。ほどなく、左から歩道が合流し、前方に細い流れの滝が見えた。ヤブがかぶった鬱陶しい沢を直進すると、仙人大滝の前に出た。ここまで出発からほぼ一時間。かかり過ぎのような気もする。前滝で時間をとられてしまった。帰宅後に瀑泉さんのブログを改めて拝見すると、本流で見るべき滝をいくつか見逃してしまったようだ。登山道に気をとられて歩いてしまった。今さら後悔しても始まらない。
(仙人大滝)
(滝ツボは浅い)
(落ち口。青空ではないのですっきりしない)
(ゴツゴツの岩壁)
(左に続いている)
(もういいか)
仙人大滝はやはり細い滝だった。水量はいつもこんなものなのだろうか。ただ、きれいな滝ではある。滝を囲む岩盤には圧倒されるものがあり、その間を水が静かに、可憐に落ちている。岩盤と対比しながら眺めていると、この滝の良さがわかるような気分になる。だが、自分好みの強烈な荒々しさはまったくない。まぁ、好みの問題だ。せっかくだし、滝を観ながらランチタイムにした。
(下って)
(登山道合流点。ここからは靴を濡らさずに神室岳に行けるようだ)
だらだら観ていても水流が太くなるわけでもないので引き返す。もうヘルメットは要るまい。帽子にチェンジする。20分ほどいたか。帰りかけたら青年がやって来た。トレランぽい。挨拶だけで会話は交えなかったが、時間的に、おそらく両神室岳周回の帰途での立ち寄りだろう。出発時の青年、この青年と、まだ二人にしか会ってはいないが、こちらの登山道を利用するのは若い方が多いのだろうか。面白くもない沢だったので、すぐに歩道に上がり、ほどなく登山道の渡渉点に合流した。こちらの方が速かったみたい。
しかし、ここまでの登山道の状況からして、時間的にもっと早かったとしても、さらに仙人滝に寄らずとも、そのまま仙台神室岳に果たして行けたろうか。地図を見る限り、神室岳に続く破線路はこの先もトラバース道で、1022m標高点からようやく尾根歩きになるが、すぐにまたトラバース道に戻るようで、やがては仙人沢の源流近くを通って、山形神室からの尾根に上がるようだ。自分なら途中で嫌気がさして引き返すことになるかもしれない。どうしても周回するなら、やはり反対回りが賢明のようだ。
(左俣の沢に入る)
(こんなのでは景観も期待できず、歩きづらかろうと戻る)
ともかく、次は左俣の滝。分岐の沢(ハダカノ沢)は、往路では気にもかけなかったがすぐにわかった。結果は5分も歩かずに戻った。力量不足もあるが、自分には苦手な渓相だった。大きな石がゴロゴロし、上流から流れ込んだ木の枝が堆積していて進むのも面倒で、あっさりとやめた。沢そのものも狭苦しい感じがした。せめて大滝下の4mほどの滝と、それに寄りかかる、攀じ登れるらしい倒木だけでも見ておきたかったが、この沢を先に行く気はすぐに失せてしまった。今思えば、荒れた登山道と、見どころの滝はいくつかあれど、自分にはあまり魅力を感じなかった仙人沢はもういいやという思いがあったようだ。それでなくとも、今朝は寝起きから寝不足で体調はよろしくなかった。
(スライダー滝が気になってしまう)
登山道に復帰して戻る。先に若そうなハイカーの後ろ姿がちらりと見えた。仙人大滝で出会った青年だろう。降りられそうにないさっきの滝を観て、とぼとぼと帰る。我ながらあわれな気分になっている。
(登山口に戻った。汗びっしょり、身体もぐったり)
駐車場に着くと、大滝で出会った青年が後ろからやって来て、さっきはどうもと言いながら笹谷峠の方に駆けて行った。左俣から戻って見かけた若そうなハイカーは別人だったようだが、出会ったハイカー3人ともに周回だった。地元ナンバーの車はまだあった。
もう1時近くになっていたから、休憩込みの3時間程度の歩きだったようだ。最近の歩きタイムと変化はない。それでもぐったり疲れてしまった。暑さと身体のだるさとやる気のなさだろう。
(仙人沢にかかる国道の橋の傍らにこんな石碑があった。ここから入る人もいるらしく、沢沿いに踏み跡が続いていた)
(橋から見えた小滝)
(上の滝)
(下の滝)
(途中で見かけた林道入口にあった看板。「有耶無耶の関」というのが気になった)
(次は古道歩きもいいか)
娘の家までは高速を使うまでもなかった。一般道で向かった。途中、<支那そば>の看板を掲げた店があったので入ってみた。店内には知らないタレントの写真やら色紙がずらりと並んでいた。支那そばという懐かしい名前で食べてみたはいいが、子供の頃のごちそうだった支那そばの味を思い出すことはなく、中華そばという名前にしたとしても、自分には「?」の味でしかなかった。醤油ではなく煮干し味を選択したのがいけなかったのか。
何だか、今日は満足した滝見でしたでは終わらなかった。明日に期待することにしよう。
ブログ記事にもしなかったが、まめに近場の山は歩いていた。地元の金山を別ルートで2回、桐生の吾妻山、赤城の五輪尾根。2時間ほどのハイキング、残暑厳しき折、大汗かいての低山歩きに新たな発見や見どころもあったものではないが、五輪尾根については10年前に吹雪の中を歩いて途中から下山したこともあり、今回は以来の2回目だった。通しで五輪峠から出張峠まで歩いた。これも2時間少々の歩きだった。心地よい風が通い、ほんの少しの紅葉も見つけ、気分良く歩けた。そのつもりもなかったが、さすがに鈴ヶ岳までは足を延ばせなかった。足をなまくらにさせたくない目的で歩いている。
仕事を辞めたら急にヒマになったはいいが、これまでルーズだった金銭感覚がシビアになった。遠出したいが金がかかる。せめて高速の休日割引は利用したい。車中泊は遠慮したい。さりとて宿代も惜しく、娘の家に泊まるのを前提につい計画してしまった。
気持ちとしては仙台神室岳と山形神室岳の周回に仙人大滝の見物を加えたかったが時間的に無理。犬の散歩を済ませた後の出発だし、11時過ぎの歩き出しになる。残念だが、神室岳はあきらめるしかない。どうせ、紅葉には早過ぎる。滝見だけにしておくことにした。仙人大滝ついでにハダカノ沢大滝(瀑泉さん記事には仙人沢「左俣大滝」とある)でも観られれば幸いだが、瀑泉さんに限らず、他の方の記録を見ても、サルのように器用に倒木を利用して上に出て大滝を見上げるのは自分には無理だろう。おそらく、抱きついたままに固まってしまう。
(仙人沢登山口。このあたりは北蔵王エリアというらしい。右に青年の姿が見える。あの格好で暑くないだろうかと思った)
仙人沢登山口には地元の車が一台だけ。仙台神室まで150分の看板がある。すでに10時55分。準備をしていると若いハイカーがやって来て、周回し終え、これから笹谷峠まで車道を歩いて帰るとのこと。地図を確認すると、笹谷峠の標高は906m、ここは750mだから、終了後の150m登りはつらいように思える。自分が周回するなら、楽そうなこちらからの歩きを選びたいが、そうでもないことが後でわかった。その先は知らないが、少なくとも仙人沢沿いの登山道は悪路だった。滝見を無視すれば、笹谷峠からのピストンが賢明かもしれない。
(普通の登山道が)
(すぐにこうなった)
(右下に仙人沢)
沢の出合いまでは普通の登山道とばかりに思っていたが、それは出だし部分だけで、後はずっと崩れかけの狭いトラバース道が続いた。崩れたところや際どい個所にはロープがあちこちに張られている。悪いことに泥濘もある。右下に仙人沢が見えるようになると、高度感は結構あり、垂直に近い。嫌らしい道だ。確かに、さっきの青年の靴は泥だらけになっていた。
沢との距離が近づいたところで道は幾分ましになり、平地も出てくるようになってほっとするが、沢を渉るところもあり、靴を濡らさない飛び石は難しいかもしれない。こちらは沢靴で来ているから気にはならないが。
(前滝)
(滝ツボ)
ここで最初の滝が真下に見えた。「前滝」というらしい。滝の前に行けないものかとキョロキョロしていると、下る踏み跡があり、さらにその下にはロープまで取り付けられていた。落差は5~6mほどのものだろうが、こういう勢いのある直瀑は好みだ。流れの両サイドは柱状節理の岩盤になっている。滝つぼもしっかりあり、落ちの流れはきれいだ。正直のところ、目的の仙人大滝にはさほど期待はしていない。ネット記録の写真を見る限りは、落差はあれど流れが細い。豪快な滝にも思えなかった。今日の仙人大滝がどういう具合かは知れないが、この前滝を観ただけでも、もし仙人大滝にがっかりしたとしてもカバーはできそうだ。しばらく見とれていた。早速、タバコまで吸ってしまった。
(深い滝ツボが見えた)
(正面に回る)
(滑り落ちれば気持ちが良さそう)
(滝の上の渡渉点)
登山道に戻る。次に目に入ったのは円くて深い滝ツボ。沢に降りる。もしかして、これがウォータースライダーの滝かと思ったら、まさにそうだった。滝そのものはナメのようで、無鉄砲な子供の頃だったら、上から流れ落ちてみたろう。角度も25度くらいのものだ。ここは右から簡単に上がって登山道に復帰したが、登山道には渡渉地点にロープはあるものの、ここもまた確実に濡れる。
(こんな登山道が続けば苦にもならないだろうが)
(沢の渡渉は避けられない)
しばらくは沢を避けながらの歩きになる。もう危うい歩きはない。渡渉するところは何か所かある。こちらを周回するハイカーはあまりいないのか、たまに不明瞭にはなるが、テープとブリキの案内板で迷うことはない。結果的には、そのまま沢を歩いた方がよかったかもしれないが、つい登山道に出てしまい、後で失敗したなと残念な思いになる。このまま沢を上流まで歩いて行くには好みの渓相でもなかった。
(この滝は正面から見ずに残念だった)
(せめて落ち口)
登山道はまた右岸側の高巻きになり、やがて沢に合流。右下は6mほどの滝になっていた。下に降りたかった。少し戻ってみたが、下るにはかなり厳しい。高低差もさることながら、激急の斜面は草むらになっていて、どこに危険があるかもわからない。仕方なく見下ろすだけで我慢した。やはり、沢通しで歩けばよかったか。下るのは無理としても登山道に戻る登りなら何とかなったろう。だが、実際には下る踏み跡があったらしく、見落としただけのことだった。あくまでも後で知ったこと。
(二段小滝)
低い段差のある小滝を通過。この辺で件の左俣からの沢が合流してきていたはず。そちらの大滝は帰りに寄ることにしていたから、ここでは様子を見に行ったりはしていない。ここから沢歩きのつもりでいたからヘルメットをかぶった。まだ早かった。そもそも、今回の歩きにヘルメットは不要だった。それどころか、沢にはまったく風が通わずに蒸し暑く、ここまででもかなりの汗をかいていたが、ヘルメットをかぶったら、余計に暑苦しくなり、頭から汗がボタボタと落ちてくるようになってきわめて不快。頭に手拭いを巻くとさらに暑くなったので外した。
(ボケたが、こんなところや)
(こんなところを通過)
(大滝との分岐。沢沿い左が大滝)
(標識)
ヤブの小道、崩壊地が続く。気分的に飽きた頃に登山道は沢を越えた前方に続いていた。仙人大滝はそちらには行かず、左の上流に向かうのではないのかと思っていると、やはり、ネット記事で見かけたブリキの案内板があり、仙人大滝は沢の上流になっている。沢沿いに小道が続いていたが、せっかく沢靴で来ているのだしと、沢を上流に向かった。
(大滝への途中で。あまり歩きたくない気分)
(仙人大滝が見えた)
ほんの少しのナメはあったが、さして面白みもない沢だ。ほどなく、左から歩道が合流し、前方に細い流れの滝が見えた。ヤブがかぶった鬱陶しい沢を直進すると、仙人大滝の前に出た。ここまで出発からほぼ一時間。かかり過ぎのような気もする。前滝で時間をとられてしまった。帰宅後に瀑泉さんのブログを改めて拝見すると、本流で見るべき滝をいくつか見逃してしまったようだ。登山道に気をとられて歩いてしまった。今さら後悔しても始まらない。
(仙人大滝)
(滝ツボは浅い)
(落ち口。青空ではないのですっきりしない)
(ゴツゴツの岩壁)
(左に続いている)
(もういいか)
仙人大滝はやはり細い滝だった。水量はいつもこんなものなのだろうか。ただ、きれいな滝ではある。滝を囲む岩盤には圧倒されるものがあり、その間を水が静かに、可憐に落ちている。岩盤と対比しながら眺めていると、この滝の良さがわかるような気分になる。だが、自分好みの強烈な荒々しさはまったくない。まぁ、好みの問題だ。せっかくだし、滝を観ながらランチタイムにした。
(下って)
(登山道合流点。ここからは靴を濡らさずに神室岳に行けるようだ)
だらだら観ていても水流が太くなるわけでもないので引き返す。もうヘルメットは要るまい。帽子にチェンジする。20分ほどいたか。帰りかけたら青年がやって来た。トレランぽい。挨拶だけで会話は交えなかったが、時間的に、おそらく両神室岳周回の帰途での立ち寄りだろう。出発時の青年、この青年と、まだ二人にしか会ってはいないが、こちらの登山道を利用するのは若い方が多いのだろうか。面白くもない沢だったので、すぐに歩道に上がり、ほどなく登山道の渡渉点に合流した。こちらの方が速かったみたい。
しかし、ここまでの登山道の状況からして、時間的にもっと早かったとしても、さらに仙人滝に寄らずとも、そのまま仙台神室岳に果たして行けたろうか。地図を見る限り、神室岳に続く破線路はこの先もトラバース道で、1022m標高点からようやく尾根歩きになるが、すぐにまたトラバース道に戻るようで、やがては仙人沢の源流近くを通って、山形神室からの尾根に上がるようだ。自分なら途中で嫌気がさして引き返すことになるかもしれない。どうしても周回するなら、やはり反対回りが賢明のようだ。
(左俣の沢に入る)
(こんなのでは景観も期待できず、歩きづらかろうと戻る)
ともかく、次は左俣の滝。分岐の沢(ハダカノ沢)は、往路では気にもかけなかったがすぐにわかった。結果は5分も歩かずに戻った。力量不足もあるが、自分には苦手な渓相だった。大きな石がゴロゴロし、上流から流れ込んだ木の枝が堆積していて進むのも面倒で、あっさりとやめた。沢そのものも狭苦しい感じがした。せめて大滝下の4mほどの滝と、それに寄りかかる、攀じ登れるらしい倒木だけでも見ておきたかったが、この沢を先に行く気はすぐに失せてしまった。今思えば、荒れた登山道と、見どころの滝はいくつかあれど、自分にはあまり魅力を感じなかった仙人沢はもういいやという思いがあったようだ。それでなくとも、今朝は寝起きから寝不足で体調はよろしくなかった。
(スライダー滝が気になってしまう)
登山道に復帰して戻る。先に若そうなハイカーの後ろ姿がちらりと見えた。仙人大滝で出会った青年だろう。降りられそうにないさっきの滝を観て、とぼとぼと帰る。我ながらあわれな気分になっている。
(登山口に戻った。汗びっしょり、身体もぐったり)
駐車場に着くと、大滝で出会った青年が後ろからやって来て、さっきはどうもと言いながら笹谷峠の方に駆けて行った。左俣から戻って見かけた若そうなハイカーは別人だったようだが、出会ったハイカー3人ともに周回だった。地元ナンバーの車はまだあった。
もう1時近くになっていたから、休憩込みの3時間程度の歩きだったようだ。最近の歩きタイムと変化はない。それでもぐったり疲れてしまった。暑さと身体のだるさとやる気のなさだろう。
(仙人沢にかかる国道の橋の傍らにこんな石碑があった。ここから入る人もいるらしく、沢沿いに踏み跡が続いていた)
(橋から見えた小滝)
(上の滝)
(下の滝)
(途中で見かけた林道入口にあった看板。「有耶無耶の関」というのが気になった)
(次は古道歩きもいいか)
娘の家までは高速を使うまでもなかった。一般道で向かった。途中、<支那そば>の看板を掲げた店があったので入ってみた。店内には知らないタレントの写真やら色紙がずらりと並んでいた。支那そばという懐かしい名前で食べてみたはいいが、子供の頃のごちそうだった支那そばの味を思い出すことはなく、中華そばという名前にしたとしても、自分には「?」の味でしかなかった。醤油ではなく煮干し味を選択したのがいけなかったのか。
何だか、今日は満足した滝見でしたでは終わらなかった。明日に期待することにしよう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます