◎2014年9月27日(土)~28日(日)─高木ら10人で
<27日>沢渡バスターミナル(5:00)─上高地BT(5:30) 上高地発(5:45)……徳沢(7:30)……横尾山荘(8:30)……槍沢ロッヂ(10:15)……大曲(11:45)……天狗原分岐(13:10)……殺生ヒュッテ(15:30)
<28日>殺生ヒュッテ(3:30)……槍ヶ岳(4:30)……殺生ヒュッテ(6:40)
殺生ヒュッテ(7:50)……槍沢ロッヂ(10:50)……横尾山荘(12:00)……徳沢(13:10)……上高地BT(15:10) 上高地BT(15:40)─沢渡BT(16:05)
※表示時刻は到着タイム。
高木から槍ヶ岳に誘われた。こういう超メジャー系の山は一回ぽっきり、以降縁なしで済ませたかったのだが、三男坊が一部上場・安定企業の職をなげうって殺生ヒュッテでバイトをしているという話を聞き、では行きましょうとなった。誘われた際、2000円の家族割引がきき、結構優遇されるということで乗った話ではあったが、2000割引が適用されることはなかった(高木だけは適用されたかも)。優遇はさせていただいたが。
参加人員、当初はS男さんを含めて5人ということであった。いざ集合場所の高木の家に行ったら、なんと10人になっていた。大方が高木の山仲間で、これまたウワサでは聞いていた猛者ぞろい。さらに高木のカミさんも含まれていた。やはりセガレに会いたいのだろう。8月にも2人で行ったというから、いつまで経っても母性本能なのだろう。その時は終始ガスで、槍ヶ岳にも登らずに下山したそうな。今回もその繰り返しにならなきゃいいが。
26日金曜日19時に出発。車2台。他にS男さんは現地直行。さらに仕事の関係でもう1台が深夜に着く予定。沢渡のバスターミナルの駐車場に着いたのは22時30分過ぎ。簡単にアウトドアでの飲み会をして、12時に寝た。自分は車で寝たが、高木らはテント泊。間もなく残りの1台が到着する音が聞こえた。利用したのは一番下の駐車場。車がなかったし宴会にもいいと思ったからだが、翌朝、すでに20台くらいの車が入っていた。夜に到着しても、日付が変わらない限り一日分の駐車代は徴収される。これは機械のやっていることだから致し方がない。寒くはなかったが、明け方の騒音で、早々に目覚めてしまった。
5時のバスに乗る。10人ともなると、タクシーにした方が割安なのだが、タクシーはまだ出てないとかで2番バス。往復の団体割引乗車券を買うのにもたもたして、後ろの客からひんしゅくをかう。これは自分にも責任があって、槍ヶ岳から先、勝手行動をとるつもりでいたので、団体割引に自分が加わる、加わらないか決めかねてもいた。結局はその場は加わることでおさめた。バスが出発。傍らをタクシーがどんどん出発して行った。補助席倒しの満員バス。
(上高地は相変わらずの賑わいぶり)
(すぐにアルプス的な山の風景が目に入る)
上高地に到着。ハイカーで賑わっている。この時間、御嶽山はまだ噴火していない。噴火は正午前らしいから、槍沢ロッヂを過ぎ、槍沢の紅葉を楽しんでいた頃になる。歩き出し前にトイレに行ったが、男性用も長蛇の列になっていて、あっさりとあきらめた。これが後でトラブルの火種になる。
河童橋を過ぎて明神館で一服。この辺、この先も、タバコ吸いは野放図なもので、灰皿まで設置されている。おかげで、小屋までの間、休むたびに吸っていたが、10人の中でタバコを吸うのは6人と比率も高いから、吸う量もつい多くなる。見渡すと、タバコ吸い、結構いるもんだ。栃木、群馬のメジャーに行っても、こんなにスモーカーは目に付かない。
梓川沿いの道、高木の解説で、あれは明神岳、あれは前穂、あれは…と聞きながら歩く。行ってもいないのに意外と詳しい。徳本峠入口。ここの沢、以前、霞沢岳に行った時よりもかなりえぐれているように感じる。
(徳沢)
(横尾山荘)
(橋を渡れば涸沢方面に)
徳沢着。真っ赤なモミジが目に付いた。この時は、紅葉も大分下に降りてきたなぁといった程度の思いしかない。ここの標高は1550m(上高地からまだ50mしか登っていない)。この先の槍沢の紅葉がきれいだとは想像もしていなかった。
横尾でハイカーは分散する。半分が大橋を渡って涸沢方面に向かい、残りの3/5が蝶ヶ岳、2/5が槍沢方面といったところだろうが、それでもハイカーの姿が途絶えることはない。ここまで数回の長々とした休憩時間込みでほぼ標準タイムで歩いている。つまり、歩くのが速いのである。これまで数回いっしょに歩いているヨッチャンを含めた5人組が引っ張る。速いなと思いながらも付いては行くが、自分を含めた残りの5人はそろそろ応えている。
(しばらく槍沢沿いに歩く)
(槍沢ロッヂに到着)
北穂が見え出し、アルプス的な景観が目に入るようになる。槍見河原では、下って来た女性が「槍が見えますよ」と言うから、河原に下りてまで見たが、見当違いの方向を眺めていて、気づくことはなかった。それを知っていたので、下りで注意をして見つけはしたものの、木の葉がじゃまで鮮明な姿ではなく、あれでは見落としもしてしまう。
一の俣、二の俣を過ぎ、登り勾配が断続的になると、登山道の紅葉もさることながら、左の山肌に紅葉が出てきた。ポツリポツリと黄色と赤の塊が覗いている。これはもしかして紅葉が期待できるんじゃないのか。でも、涸沢の紅葉は聞いたことがあるが、槍沢の紅葉って有名だったかなぁ。そんなことを考えながら歩いていると槍沢ロッヂに着いた。ここで大休止。槍ヶ岳までは5.9kmか。標識には英語以外にハングル語が添えられている。韓国人ハイカーの、日本の山めぐりの話は聞いたことがあるが、山小屋でのマナーがあまりよろしくない方もいるらしい。日本人も同じだ。団体になれば傍若無人になるのは人の常。さて、ハングル語もさることながら、中国語もちらちらと聞いたし、上高地に戻った時には中国語が飛び交っていた。大半は台湾かと思う。先日、北海道の富良野でも同じようだったが、それほど多くはないものの、声が大きいから目立つ。
(左側山肌の紅葉)
(シャレだろうが「槍見」とペンキで記されていた。槍ヶ岳ではない)
(紅葉の中の歩き。この時点ではこれで十分だった)
(蝶ヶ岳が見える)
(ババ平キャンプ場。見事な紅葉はこの辺から)
軽く食事をし、早足の5人組がロッヂの中華丼を注文している間に、残りの5人組が先行出発。紅葉がますます濃くなってくる。こりゃラッキーだわ。紅葉を楽しめるとは予想すらしなかった。今は黄色が主体だが、上に行くに連れ赤も濃くなる。一つ一つ見れば焼けてもいるが、遠目ではとにかくきれいな色づきだ。右後方に蝶ヶ岳が見えてきた。
ババ平キャンプ場。標高1990m。上高地からようやく500m登った。ここの水は冷たいが味がいまいちだ。ここで中華丼の5人組が合流。大した時間かせぎにはならなかった。またタバコを吸って、しばらく休む。
(こういう光景を期待していた)
(赤も次第に強くなって)
(槍沢の風景が出てくる。槍ヶ岳はまだ見えない)
紅葉がどんどん濃くなっていく。槍はまだ見えてはいないが、カール状の上部の連なりが広がり出すと、うんざり感もあるものの、ため息が出るほどの紅葉になっている。雪渓も見えてくる。紅葉を楽しみながら、ゼーゼーと登っている頃、木曽の御嶽山が噴火する。音も地鳴りも感じはしなかったが、しばらく経ってから、ヘリが何機か飛んでいるのを見て、奥穂あたりで遭難者が多発しているのかなと思ったくらいだが、御嶽山では阿鼻叫喚の地獄だったわけだ。自己責任とはいえ、気象庁で入山禁止の措置をとるくらいの予知はできなかったものだろうか。
(ちょっと派手な紅葉っぽいがそれなりにすごい)
(雪渓が登山道をかすめる。無理に歩く必要はない)
紅葉の中の予想もしなかった素晴らしい歩き、高木の話に乗って正解だった。雪渓の上を歩いてみた。やはりここだけはひんやりして、すでに下着のTシャツだけになっていたのだが、腕に鳥肌がたった。大岩の上で休み、高木のカミさんからミカンの配給を受ける。おいしかった。
(振り返る)
(槍はまだまだ見えない)
(赤の乱舞)
そろそろ、前半部での早足の影響が出てきたのか、足が重くなり、さっぱりと進まなくなる。大曲を過ぎ、天狗原分岐にさしかかると、最早これまでの状態で、気力だけでちんたらと歩いている。ふくらはぎの痙攣もそろそろ出てきて、高木から芍薬甘草湯をもらって飲む始末。薬が効いたのか、長年のお付き合いでカバーしたためか知らないが、太腿まで走って激痛に至る状態にはならなかった。
(まだまだ先。この辺、かなりしんどくなっている)
(この沢水を飲んで緊急事態になった)
この鈍足歩き、自分だけではなく皆さんも同じらしく、他のハイカーに大きく抜かれることはほとんどない。むしろ、うちの5人組は例外らしく、さっさと行ってはタバコを吸って待っている状態が続き、ついには待っていることもなくなった。S男さんはこの頃からヒザを痛めて、ガクンと速度が遅くなってきた。分岐から小屋までまだ2時間以上もある。しかし、やけに赤が鮮やかになってきた。
ペンキで「水沢」と記された小沢の水を飲む。こちらはババ平よりもおいしかったが、この水が効いてしまった。5分も歩くと、腹がゴロゴロ状態となり、これまでガスを出しては気化させていたつもりが、さらに放出すればあやうい状態になりそうで、悪いことに尻穴がヒクヒクしだした。冷や汗もじとり。かなり危険な状況。小屋まではもたない。もう我慢ができず、S男さんに待っていただき、ハイマツを越え、岩陰に隠れて用を済ます。ようやく生きた心地がした。だが、歩いているハイカーも多い。うかつに岩陰から顔は出せない。タイミングを見計らって、登山道に復帰。
(そろそろ上部の紅葉を見られるのも終盤となりかけか)
(常念の頭が見えてきた)
(そしてようやく槍ヶ岳)
ほっとしたところで体力が回復したわけではなく、相変わらずのやっとこさ歩き。常念が顔を出し、沢を渡って、ようやく槍が見えてきた。小屋も見え出すが、まだかなりある。本当にしんどいわ。
自分だけの予定としては、明日は常念に出るつもりでいた。常念小屋か蝶ヶ岳ヒュッテ泊になる。だが、槍沢でこの体たらくでは、追加の一泊では到底不可能だろう。これじゃダメだなとあっさりとあきらめる。皆といっしょに下ろう。別に甘く考えていたわけではない。まだ30代の頃、ここを通って一気に槍ヶ岳に登り、槍ヶ岳山荘に泊まった。翌日は南岳、北穂を経由して涸沢に出、その日のうちに帰った。そういう体力はすでにないということだ。何ともやるせない。途中で、腹をゴロゴロさせているのではどうしようもない。
(見かけた青い花。これは付録)
(殺生ヒュッテ到着)
ガレ場に入り、坊主岩屋下。何やら第2弾の気配。手ごろな大岩に身を隠す。今度は出なかった。もうここに至れば、紅葉はへばりついた草紅葉だけ。紅葉で見るほどのものはないが、槍穂が眼前になり、常念も明瞭になり、景色は圧巻になってくる。高木のカミさんに抜かれる。殺生ヒュッテが見え出し、セガレに会いたさ一念だろう。それでいてオヤジの方はのんびりとまだかなり下を歩いている。
小屋に着くや、先行の5人の出迎えを受けたが、それどころではない状態で、トイレにかけこんだ。ここでようやくほっとして生きた心地がした。
休憩後に、このまま空身で山頂に行く予定でいたが、小屋の管理人さんに止められた。時間的な理由による。今15時30分だ。では、休んだら、散歩がてら東鎌尾根まで登りましょうか。三男坊はかいがいしく動き回っていた。小屋での奉公も明日までで、後は下界での新たな仕事に就くとのことだ。
(散歩がてら東鎌尾根へ)
(槍が眼前)
(槍の影が見えている)
(北鎌の独標)
(穂高方面)
東鎌尾根に登る。S男さんも足の痛みをかばいながら登ってきて、すばらしい展望を楽しんだ。この時点で、御嶽山の噴火の件はまだ知らないが、乗鞍方面には雲がかかって見えていなかった。この間、おそらくテント泊だろうか、若い女性の単独が空身で上がって来て、見える山を教えてくれと言う。こういうのが得意なのは高木で、ヨッチャンとともに、2人ともにヘルメットをかぶり、お相手をしていたが、高木の格好は、どうみても工事に来ている人にしか見えないし、女性もそう思いながら話を聞いているのだろう。そういえば、日章旗はどうしたのか、今回、槍の山頂で日の丸を振り回すのは危険だからと、持ってこなかったそうだ。
小屋に戻って夕食。宿泊客は我々以外に5人程度だった(むしろテント場が混んでいたようだ)せいか歓待を受け、飲み会となった。それぞれが持参したアルコールもたっぷりで、ワイン、日本酒、ウイスキー。いつも飲んでいる焼酎がなく、持って来ればよかった。管理人さんから「ライチョウの肉」として出された肉は何とも不思議な味で、歯ごたえもかなりあったが、ライチョウは冗談で、ニワトリの燻製だろう。ここで初めてテレビのニュースで噴火を知った。
高木を含めた何人かはだらだらと飲んでいたが、19時前にさっさと寝た。天の川がきれいだったらしいが見逃した。
(日の出前)
(待たされた日の出)
翌日3時に起きる。昨日の疲れもすっかりと癒えた。ただS男さんの足の痛みはまだひかないようだ。3時半にご来光を拝むべく山頂に出発。何でこんなに早い時間からなのか、管理人さんのアドバイスで、日の出直前になると槍ヶ岳山荘の宿泊客が押し寄せて、先が進まなくなるからだそうな。三男坊の先導で登る。この上り下りの危うさは20何年か前の時とまったく変わりがない。山荘を経由して、1時間かけて到着。だれもいなかった。この時、高木はいなかったが、寝過ごして、後で東鎌尾根経由でやってきて日の出に間に合った。入れ替わりに三男坊が下って行った。彼はこれから下界の生活に直行する。
5時半予定の日の出までまだ1時間もある。準備のいいメンバーがいて、コーヒーをいただく。風もなく、それほど寒くはないが、身体が暖まる。ふと、北鎌尾根の独標を見ると、ヘッデンの灯りが見えている。あんなところにいる人もいるんだねぇ。次第に人が増えてきた。気づくと30人くらいだろうか。50人にもなったら、ちょっと危なくなる。四方八方、下は切れ落ちている。
(眼下に槍ヶ岳山荘。左上に噴煙上げる御嶽山)
(乗鞍の後ろに御嶽)
(アップで)
周囲が次第に明るくなった。周囲の山も見え出す。御嶽山の噴煙が見えている。あの山で昨日、痛ましい惨事があった。気の毒に。皆、紅葉を楽しむつもりだったんだろうな。
ここから見える富士山、なんともちゃちい山に見えるが、あれ、本当に富士山だろうかといった感じがする。いよいよ日の出。厚めの雲から顔を出したのは5時45分。すっかり明るくなった展望を改めて見て楽しむ。登ったことのある山もいくつかあるのだが、自分はとんと同定ができず、高木の解説を待つ。昨日も今日も晴天で良かった。
(槍を下る)
(東鎌尾根に出る)
(景色を眺めて)
(槍沢)
(富士山なのだが…)
小屋に下る。明るくなった分、気分的に恐ろしかった。下からもどんどん登って来る。途中から、東鎌尾根に乗り換えて、ヒュッテに下る。ハイカーがそろそろ動き出した。ヒュッテ大槍の方から縦走して来る方、何人かと会う。
小屋に戻って朝食。食事後にトイレに行く。今日はよろしくない。むしろ、普段、シャワートイレを使っているせいか、とうとうキレ痔になってしまい、翌日まで痛かった。
(槍沢を下る。空身でご来光をやると、このコースしか選択のしようがない)
(見納め)
(上部の淡い紅葉)
帰路の下り。槍ヶ岳が消え、紅葉の世界の歩き。見事な赤だ。この紅葉のカール、また来ることはないだろう。名残惜しいものがある。今日もまたハイカーがどんどん登って来る。この時間では、槍沢ロッヂに泊まった方々だろうか。
(その1)
(その2)
(その3)
(その4)
(その5。どうも自分は赤に魅せられるようだ)
(登って来るハイカー)
(その6)
(昨日の雪渓。今日も真ん中を下った)
順調に下る。下りはてんでバラバラだ。休憩場所だけ決めている。昨日とは大違いの快足で歩ける。今さらのことだが、一瞬、やはり常念に向かえばよかったかなと後悔する。昨日の水場にさしかかる。今日はやめておこう。それでなくとも、今回の歩き、印象を一言でいうならば「紅葉とキジ撃ち」に尽きる。トイレも槍沢ロッヂまで行かないとない。さらに変事があったら、印象が後者だけになる。
(この景色も見納め)
(その7)
(その8。昨日よりも気分的に余裕がある)
(ババ平キャンプ場)
ババ平キャンプ場に到着。振りかえるとだれもいない。散々待たされた。二番手のS男さんが着いたのは15分後。その間、一人、のんびりと紅葉を楽しんでいた。鈍足の5人組は揃ったものの早足の5人組が来ない。後で聞くと、途中で気持ち良く岩に寝転がっていたそうだ。
(槍沢ロッジの樹間から)
紅葉もひとしきりで槍沢ロッヂ。まだ早いが、揃ったところで食事タイム。せっかくコンロを持参したのだしとラーメンを食べる。棒ラーメンだが、すでに賞味期限が一か月過ぎている。麺から湧いたのか小虫が浮いていたが、払って食べた。やはり期限切れになるとまずいもの。スープもかなりあっさりになっていて、入れたモチは味気ない。食事をしながら、お隣のご夫婦と話をした。「今日はヒュッテオオクラ」に泊まるとのこと。槍の周辺、そんなに通でもないので、ああそうですかと話だけは合わせていたが、オオクラなんて小屋あったっけ。手書きの地図を見せていただくと、「ヒュッテ大槍」の間違いで、木偏が抜けていた。この先、ちゃんとした地図も持たずに大丈夫かねぇ。ヒュッテ大槍からだと、槍の山頂までは大変ですよと伝えておいたが、どうしたものやら。
(槍沢の流れ。紅葉は焼けていてきたない)
(槍見河原からの槍)
(サルがいた)
(横尾)
(長い長い林道歩き)
槍見河原で槍を見て、サルの群れに会い、横尾に着いた。ハイカーが急に多くなり、観光客の姿もちらほら見える。250円の缶コーラを買って飲む。腹にしみ渡った。この缶コーラ、明神では200円に下がっていた。
徳沢では、名物らしい400円のソフトクリーム。自分にはちょっと甘みが足りない。この辺になると、観光客の姿がかなり多くなってくる。
(左の女性の真後ろをしばらく歩いた)
次第に暑くなってきた。身体もねばつく。淡々と林道歩きが続く。S男さんも平坦地になって元気を復活させたが、寡黙な方ゆえ、同じ速度で歩いている男女の後ろにくっついて、2人の会話を聞きながら歩いた。女性の方、かなり山を歩いているらしく、谷川岳のことをよく知っていて、なるほどなるほどと聞いていた。
(河童橋から)
河童橋が近づく。ここでトイレに立ち寄る。小の方。出ると、皆の姿が見えない。先に行っていると思い、河童橋から写真だけ撮ってバスターミナルに向かったが、そこでもだれもいない。何ということはない。皆、橋の前の土産屋に寄っていた。かなり待たされた。S男さんに至っては、菓子折りを2つほどぶら下げていて、さらにバスターミナルの売店にも入って行った。何はともあれ、皆さんご無事でご苦労さまでした。
(駐車場に到着)
沢渡バスターミナル行きのバスに乗る。ザックをトランクルームに預けたかったが、液体がどうのと難しい注文があって、そのままのスタイルでヒザの上にザックを乗せて乗車。帰りも補助席倒しとなっていた。
沢渡バスターミナルに到着。地下道を通って下の駐車場に向かう。今回、我々よりも先輩の年代の方も参加されていたが、階段を下れずに後ろ向きに手すりをつかんで下りていらした。かなりきつかったのでしょう。皆さん、これから温泉に寄ってからお帰りとのことではあったが、自分もS男さんも、ここでお先にと失礼した。反省会はそのうちにということで。
4時間かけて家に着くと、家人は普段したこともない心配をしていた。いつものように、行先はしっかりとメモして置いて出かけたのだが、どういうわけか御嶽山に行ったとでも思ったらしい。途中から、これから帰るメールはしておいたのだが見ることもなかったのだろう。結構何やかやと言われたが、責められてもなぁ。
<27日>沢渡バスターミナル(5:00)─上高地BT(5:30) 上高地発(5:45)……徳沢(7:30)……横尾山荘(8:30)……槍沢ロッヂ(10:15)……大曲(11:45)……天狗原分岐(13:10)……殺生ヒュッテ(15:30)
<28日>殺生ヒュッテ(3:30)……槍ヶ岳(4:30)……殺生ヒュッテ(6:40)
殺生ヒュッテ(7:50)……槍沢ロッヂ(10:50)……横尾山荘(12:00)……徳沢(13:10)……上高地BT(15:10) 上高地BT(15:40)─沢渡BT(16:05)
※表示時刻は到着タイム。
高木から槍ヶ岳に誘われた。こういう超メジャー系の山は一回ぽっきり、以降縁なしで済ませたかったのだが、三男坊が一部上場・安定企業の職をなげうって殺生ヒュッテでバイトをしているという話を聞き、では行きましょうとなった。誘われた際、2000円の家族割引がきき、結構優遇されるということで乗った話ではあったが、2000割引が適用されることはなかった(高木だけは適用されたかも)。優遇はさせていただいたが。
参加人員、当初はS男さんを含めて5人ということであった。いざ集合場所の高木の家に行ったら、なんと10人になっていた。大方が高木の山仲間で、これまたウワサでは聞いていた猛者ぞろい。さらに高木のカミさんも含まれていた。やはりセガレに会いたいのだろう。8月にも2人で行ったというから、いつまで経っても母性本能なのだろう。その時は終始ガスで、槍ヶ岳にも登らずに下山したそうな。今回もその繰り返しにならなきゃいいが。
26日金曜日19時に出発。車2台。他にS男さんは現地直行。さらに仕事の関係でもう1台が深夜に着く予定。沢渡のバスターミナルの駐車場に着いたのは22時30分過ぎ。簡単にアウトドアでの飲み会をして、12時に寝た。自分は車で寝たが、高木らはテント泊。間もなく残りの1台が到着する音が聞こえた。利用したのは一番下の駐車場。車がなかったし宴会にもいいと思ったからだが、翌朝、すでに20台くらいの車が入っていた。夜に到着しても、日付が変わらない限り一日分の駐車代は徴収される。これは機械のやっていることだから致し方がない。寒くはなかったが、明け方の騒音で、早々に目覚めてしまった。
5時のバスに乗る。10人ともなると、タクシーにした方が割安なのだが、タクシーはまだ出てないとかで2番バス。往復の団体割引乗車券を買うのにもたもたして、後ろの客からひんしゅくをかう。これは自分にも責任があって、槍ヶ岳から先、勝手行動をとるつもりでいたので、団体割引に自分が加わる、加わらないか決めかねてもいた。結局はその場は加わることでおさめた。バスが出発。傍らをタクシーがどんどん出発して行った。補助席倒しの満員バス。
(上高地は相変わらずの賑わいぶり)
(すぐにアルプス的な山の風景が目に入る)
上高地に到着。ハイカーで賑わっている。この時間、御嶽山はまだ噴火していない。噴火は正午前らしいから、槍沢ロッヂを過ぎ、槍沢の紅葉を楽しんでいた頃になる。歩き出し前にトイレに行ったが、男性用も長蛇の列になっていて、あっさりとあきらめた。これが後でトラブルの火種になる。
河童橋を過ぎて明神館で一服。この辺、この先も、タバコ吸いは野放図なもので、灰皿まで設置されている。おかげで、小屋までの間、休むたびに吸っていたが、10人の中でタバコを吸うのは6人と比率も高いから、吸う量もつい多くなる。見渡すと、タバコ吸い、結構いるもんだ。栃木、群馬のメジャーに行っても、こんなにスモーカーは目に付かない。
梓川沿いの道、高木の解説で、あれは明神岳、あれは前穂、あれは…と聞きながら歩く。行ってもいないのに意外と詳しい。徳本峠入口。ここの沢、以前、霞沢岳に行った時よりもかなりえぐれているように感じる。
(徳沢)
(横尾山荘)
(橋を渡れば涸沢方面に)
徳沢着。真っ赤なモミジが目に付いた。この時は、紅葉も大分下に降りてきたなぁといった程度の思いしかない。ここの標高は1550m(上高地からまだ50mしか登っていない)。この先の槍沢の紅葉がきれいだとは想像もしていなかった。
横尾でハイカーは分散する。半分が大橋を渡って涸沢方面に向かい、残りの3/5が蝶ヶ岳、2/5が槍沢方面といったところだろうが、それでもハイカーの姿が途絶えることはない。ここまで数回の長々とした休憩時間込みでほぼ標準タイムで歩いている。つまり、歩くのが速いのである。これまで数回いっしょに歩いているヨッチャンを含めた5人組が引っ張る。速いなと思いながらも付いては行くが、自分を含めた残りの5人はそろそろ応えている。
(しばらく槍沢沿いに歩く)
(槍沢ロッヂに到着)
北穂が見え出し、アルプス的な景観が目に入るようになる。槍見河原では、下って来た女性が「槍が見えますよ」と言うから、河原に下りてまで見たが、見当違いの方向を眺めていて、気づくことはなかった。それを知っていたので、下りで注意をして見つけはしたものの、木の葉がじゃまで鮮明な姿ではなく、あれでは見落としもしてしまう。
一の俣、二の俣を過ぎ、登り勾配が断続的になると、登山道の紅葉もさることながら、左の山肌に紅葉が出てきた。ポツリポツリと黄色と赤の塊が覗いている。これはもしかして紅葉が期待できるんじゃないのか。でも、涸沢の紅葉は聞いたことがあるが、槍沢の紅葉って有名だったかなぁ。そんなことを考えながら歩いていると槍沢ロッヂに着いた。ここで大休止。槍ヶ岳までは5.9kmか。標識には英語以外にハングル語が添えられている。韓国人ハイカーの、日本の山めぐりの話は聞いたことがあるが、山小屋でのマナーがあまりよろしくない方もいるらしい。日本人も同じだ。団体になれば傍若無人になるのは人の常。さて、ハングル語もさることながら、中国語もちらちらと聞いたし、上高地に戻った時には中国語が飛び交っていた。大半は台湾かと思う。先日、北海道の富良野でも同じようだったが、それほど多くはないものの、声が大きいから目立つ。
(左側山肌の紅葉)
(シャレだろうが「槍見」とペンキで記されていた。槍ヶ岳ではない)
(紅葉の中の歩き。この時点ではこれで十分だった)
(蝶ヶ岳が見える)
(ババ平キャンプ場。見事な紅葉はこの辺から)
軽く食事をし、早足の5人組がロッヂの中華丼を注文している間に、残りの5人組が先行出発。紅葉がますます濃くなってくる。こりゃラッキーだわ。紅葉を楽しめるとは予想すらしなかった。今は黄色が主体だが、上に行くに連れ赤も濃くなる。一つ一つ見れば焼けてもいるが、遠目ではとにかくきれいな色づきだ。右後方に蝶ヶ岳が見えてきた。
ババ平キャンプ場。標高1990m。上高地からようやく500m登った。ここの水は冷たいが味がいまいちだ。ここで中華丼の5人組が合流。大した時間かせぎにはならなかった。またタバコを吸って、しばらく休む。
(こういう光景を期待していた)
(赤も次第に強くなって)
(槍沢の風景が出てくる。槍ヶ岳はまだ見えない)
紅葉がどんどん濃くなっていく。槍はまだ見えてはいないが、カール状の上部の連なりが広がり出すと、うんざり感もあるものの、ため息が出るほどの紅葉になっている。雪渓も見えてくる。紅葉を楽しみながら、ゼーゼーと登っている頃、木曽の御嶽山が噴火する。音も地鳴りも感じはしなかったが、しばらく経ってから、ヘリが何機か飛んでいるのを見て、奥穂あたりで遭難者が多発しているのかなと思ったくらいだが、御嶽山では阿鼻叫喚の地獄だったわけだ。自己責任とはいえ、気象庁で入山禁止の措置をとるくらいの予知はできなかったものだろうか。
(ちょっと派手な紅葉っぽいがそれなりにすごい)
(雪渓が登山道をかすめる。無理に歩く必要はない)
紅葉の中の予想もしなかった素晴らしい歩き、高木の話に乗って正解だった。雪渓の上を歩いてみた。やはりここだけはひんやりして、すでに下着のTシャツだけになっていたのだが、腕に鳥肌がたった。大岩の上で休み、高木のカミさんからミカンの配給を受ける。おいしかった。
(振り返る)
(槍はまだまだ見えない)
(赤の乱舞)
そろそろ、前半部での早足の影響が出てきたのか、足が重くなり、さっぱりと進まなくなる。大曲を過ぎ、天狗原分岐にさしかかると、最早これまでの状態で、気力だけでちんたらと歩いている。ふくらはぎの痙攣もそろそろ出てきて、高木から芍薬甘草湯をもらって飲む始末。薬が効いたのか、長年のお付き合いでカバーしたためか知らないが、太腿まで走って激痛に至る状態にはならなかった。
(まだまだ先。この辺、かなりしんどくなっている)
(この沢水を飲んで緊急事態になった)
この鈍足歩き、自分だけではなく皆さんも同じらしく、他のハイカーに大きく抜かれることはほとんどない。むしろ、うちの5人組は例外らしく、さっさと行ってはタバコを吸って待っている状態が続き、ついには待っていることもなくなった。S男さんはこの頃からヒザを痛めて、ガクンと速度が遅くなってきた。分岐から小屋までまだ2時間以上もある。しかし、やけに赤が鮮やかになってきた。
ペンキで「水沢」と記された小沢の水を飲む。こちらはババ平よりもおいしかったが、この水が効いてしまった。5分も歩くと、腹がゴロゴロ状態となり、これまでガスを出しては気化させていたつもりが、さらに放出すればあやうい状態になりそうで、悪いことに尻穴がヒクヒクしだした。冷や汗もじとり。かなり危険な状況。小屋まではもたない。もう我慢ができず、S男さんに待っていただき、ハイマツを越え、岩陰に隠れて用を済ます。ようやく生きた心地がした。だが、歩いているハイカーも多い。うかつに岩陰から顔は出せない。タイミングを見計らって、登山道に復帰。
(そろそろ上部の紅葉を見られるのも終盤となりかけか)
(常念の頭が見えてきた)
(そしてようやく槍ヶ岳)
ほっとしたところで体力が回復したわけではなく、相変わらずのやっとこさ歩き。常念が顔を出し、沢を渡って、ようやく槍が見えてきた。小屋も見え出すが、まだかなりある。本当にしんどいわ。
自分だけの予定としては、明日は常念に出るつもりでいた。常念小屋か蝶ヶ岳ヒュッテ泊になる。だが、槍沢でこの体たらくでは、追加の一泊では到底不可能だろう。これじゃダメだなとあっさりとあきらめる。皆といっしょに下ろう。別に甘く考えていたわけではない。まだ30代の頃、ここを通って一気に槍ヶ岳に登り、槍ヶ岳山荘に泊まった。翌日は南岳、北穂を経由して涸沢に出、その日のうちに帰った。そういう体力はすでにないということだ。何ともやるせない。途中で、腹をゴロゴロさせているのではどうしようもない。
(見かけた青い花。これは付録)
(殺生ヒュッテ到着)
ガレ場に入り、坊主岩屋下。何やら第2弾の気配。手ごろな大岩に身を隠す。今度は出なかった。もうここに至れば、紅葉はへばりついた草紅葉だけ。紅葉で見るほどのものはないが、槍穂が眼前になり、常念も明瞭になり、景色は圧巻になってくる。高木のカミさんに抜かれる。殺生ヒュッテが見え出し、セガレに会いたさ一念だろう。それでいてオヤジの方はのんびりとまだかなり下を歩いている。
小屋に着くや、先行の5人の出迎えを受けたが、それどころではない状態で、トイレにかけこんだ。ここでようやくほっとして生きた心地がした。
休憩後に、このまま空身で山頂に行く予定でいたが、小屋の管理人さんに止められた。時間的な理由による。今15時30分だ。では、休んだら、散歩がてら東鎌尾根まで登りましょうか。三男坊はかいがいしく動き回っていた。小屋での奉公も明日までで、後は下界での新たな仕事に就くとのことだ。
(散歩がてら東鎌尾根へ)
(槍が眼前)
(槍の影が見えている)
(北鎌の独標)
(穂高方面)
東鎌尾根に登る。S男さんも足の痛みをかばいながら登ってきて、すばらしい展望を楽しんだ。この時点で、御嶽山の噴火の件はまだ知らないが、乗鞍方面には雲がかかって見えていなかった。この間、おそらくテント泊だろうか、若い女性の単独が空身で上がって来て、見える山を教えてくれと言う。こういうのが得意なのは高木で、ヨッチャンとともに、2人ともにヘルメットをかぶり、お相手をしていたが、高木の格好は、どうみても工事に来ている人にしか見えないし、女性もそう思いながら話を聞いているのだろう。そういえば、日章旗はどうしたのか、今回、槍の山頂で日の丸を振り回すのは危険だからと、持ってこなかったそうだ。
小屋に戻って夕食。宿泊客は我々以外に5人程度だった(むしろテント場が混んでいたようだ)せいか歓待を受け、飲み会となった。それぞれが持参したアルコールもたっぷりで、ワイン、日本酒、ウイスキー。いつも飲んでいる焼酎がなく、持って来ればよかった。管理人さんから「ライチョウの肉」として出された肉は何とも不思議な味で、歯ごたえもかなりあったが、ライチョウは冗談で、ニワトリの燻製だろう。ここで初めてテレビのニュースで噴火を知った。
高木を含めた何人かはだらだらと飲んでいたが、19時前にさっさと寝た。天の川がきれいだったらしいが見逃した。
(日の出前)
(待たされた日の出)
翌日3時に起きる。昨日の疲れもすっかりと癒えた。ただS男さんの足の痛みはまだひかないようだ。3時半にご来光を拝むべく山頂に出発。何でこんなに早い時間からなのか、管理人さんのアドバイスで、日の出直前になると槍ヶ岳山荘の宿泊客が押し寄せて、先が進まなくなるからだそうな。三男坊の先導で登る。この上り下りの危うさは20何年か前の時とまったく変わりがない。山荘を経由して、1時間かけて到着。だれもいなかった。この時、高木はいなかったが、寝過ごして、後で東鎌尾根経由でやってきて日の出に間に合った。入れ替わりに三男坊が下って行った。彼はこれから下界の生活に直行する。
5時半予定の日の出までまだ1時間もある。準備のいいメンバーがいて、コーヒーをいただく。風もなく、それほど寒くはないが、身体が暖まる。ふと、北鎌尾根の独標を見ると、ヘッデンの灯りが見えている。あんなところにいる人もいるんだねぇ。次第に人が増えてきた。気づくと30人くらいだろうか。50人にもなったら、ちょっと危なくなる。四方八方、下は切れ落ちている。
(眼下に槍ヶ岳山荘。左上に噴煙上げる御嶽山)
(乗鞍の後ろに御嶽)
(アップで)
周囲が次第に明るくなった。周囲の山も見え出す。御嶽山の噴煙が見えている。あの山で昨日、痛ましい惨事があった。気の毒に。皆、紅葉を楽しむつもりだったんだろうな。
ここから見える富士山、なんともちゃちい山に見えるが、あれ、本当に富士山だろうかといった感じがする。いよいよ日の出。厚めの雲から顔を出したのは5時45分。すっかり明るくなった展望を改めて見て楽しむ。登ったことのある山もいくつかあるのだが、自分はとんと同定ができず、高木の解説を待つ。昨日も今日も晴天で良かった。
(槍を下る)
(東鎌尾根に出る)
(景色を眺めて)
(槍沢)
(富士山なのだが…)
小屋に下る。明るくなった分、気分的に恐ろしかった。下からもどんどん登って来る。途中から、東鎌尾根に乗り換えて、ヒュッテに下る。ハイカーがそろそろ動き出した。ヒュッテ大槍の方から縦走して来る方、何人かと会う。
小屋に戻って朝食。食事後にトイレに行く。今日はよろしくない。むしろ、普段、シャワートイレを使っているせいか、とうとうキレ痔になってしまい、翌日まで痛かった。
(槍沢を下る。空身でご来光をやると、このコースしか選択のしようがない)
(見納め)
(上部の淡い紅葉)
帰路の下り。槍ヶ岳が消え、紅葉の世界の歩き。見事な赤だ。この紅葉のカール、また来ることはないだろう。名残惜しいものがある。今日もまたハイカーがどんどん登って来る。この時間では、槍沢ロッヂに泊まった方々だろうか。
(その1)
(その2)
(その3)
(その4)
(その5。どうも自分は赤に魅せられるようだ)
(登って来るハイカー)
(その6)
(昨日の雪渓。今日も真ん中を下った)
順調に下る。下りはてんでバラバラだ。休憩場所だけ決めている。昨日とは大違いの快足で歩ける。今さらのことだが、一瞬、やはり常念に向かえばよかったかなと後悔する。昨日の水場にさしかかる。今日はやめておこう。それでなくとも、今回の歩き、印象を一言でいうならば「紅葉とキジ撃ち」に尽きる。トイレも槍沢ロッヂまで行かないとない。さらに変事があったら、印象が後者だけになる。
(この景色も見納め)
(その7)
(その8。昨日よりも気分的に余裕がある)
(ババ平キャンプ場)
ババ平キャンプ場に到着。振りかえるとだれもいない。散々待たされた。二番手のS男さんが着いたのは15分後。その間、一人、のんびりと紅葉を楽しんでいた。鈍足の5人組は揃ったものの早足の5人組が来ない。後で聞くと、途中で気持ち良く岩に寝転がっていたそうだ。
(槍沢ロッジの樹間から)
紅葉もひとしきりで槍沢ロッヂ。まだ早いが、揃ったところで食事タイム。せっかくコンロを持参したのだしとラーメンを食べる。棒ラーメンだが、すでに賞味期限が一か月過ぎている。麺から湧いたのか小虫が浮いていたが、払って食べた。やはり期限切れになるとまずいもの。スープもかなりあっさりになっていて、入れたモチは味気ない。食事をしながら、お隣のご夫婦と話をした。「今日はヒュッテオオクラ」に泊まるとのこと。槍の周辺、そんなに通でもないので、ああそうですかと話だけは合わせていたが、オオクラなんて小屋あったっけ。手書きの地図を見せていただくと、「ヒュッテ大槍」の間違いで、木偏が抜けていた。この先、ちゃんとした地図も持たずに大丈夫かねぇ。ヒュッテ大槍からだと、槍の山頂までは大変ですよと伝えておいたが、どうしたものやら。
(槍沢の流れ。紅葉は焼けていてきたない)
(槍見河原からの槍)
(サルがいた)
(横尾)
(長い長い林道歩き)
槍見河原で槍を見て、サルの群れに会い、横尾に着いた。ハイカーが急に多くなり、観光客の姿もちらほら見える。250円の缶コーラを買って飲む。腹にしみ渡った。この缶コーラ、明神では200円に下がっていた。
徳沢では、名物らしい400円のソフトクリーム。自分にはちょっと甘みが足りない。この辺になると、観光客の姿がかなり多くなってくる。
(左の女性の真後ろをしばらく歩いた)
次第に暑くなってきた。身体もねばつく。淡々と林道歩きが続く。S男さんも平坦地になって元気を復活させたが、寡黙な方ゆえ、同じ速度で歩いている男女の後ろにくっついて、2人の会話を聞きながら歩いた。女性の方、かなり山を歩いているらしく、谷川岳のことをよく知っていて、なるほどなるほどと聞いていた。
(河童橋から)
河童橋が近づく。ここでトイレに立ち寄る。小の方。出ると、皆の姿が見えない。先に行っていると思い、河童橋から写真だけ撮ってバスターミナルに向かったが、そこでもだれもいない。何ということはない。皆、橋の前の土産屋に寄っていた。かなり待たされた。S男さんに至っては、菓子折りを2つほどぶら下げていて、さらにバスターミナルの売店にも入って行った。何はともあれ、皆さんご無事でご苦労さまでした。
(駐車場に到着)
沢渡バスターミナル行きのバスに乗る。ザックをトランクルームに預けたかったが、液体がどうのと難しい注文があって、そのままのスタイルでヒザの上にザックを乗せて乗車。帰りも補助席倒しとなっていた。
沢渡バスターミナルに到着。地下道を通って下の駐車場に向かう。今回、我々よりも先輩の年代の方も参加されていたが、階段を下れずに後ろ向きに手すりをつかんで下りていらした。かなりきつかったのでしょう。皆さん、これから温泉に寄ってからお帰りとのことではあったが、自分もS男さんも、ここでお先にと失礼した。反省会はそのうちにということで。
4時間かけて家に着くと、家人は普段したこともない心配をしていた。いつものように、行先はしっかりとメモして置いて出かけたのだが、どういうわけか御嶽山に行ったとでも思ったらしい。途中から、これから帰るメールはしておいたのだが見ることもなかったのだろう。結構何やかやと言われたが、責められてもなぁ。
岩場続きで、S男さんは膝をやられたのかな。
青空と赤、黄、緑のコントラスト、壁紙にしたいくらいの画像ばかり、ここのところの山は天気に恵まれていますね。
高木家三男さん、下界に戻ってしまったのですか、また、次の山に出かけるかもね。母親パワーもすばらしい!!
10人のツアー、楽しかった事もまだありそうな気がしますが?(お目付け役がいたので、Mr.高木がおとなしかったのかな)
素晴らしい紅葉をありがとうございました。
やはり槍はいいですね。
好天に恵まれて幸いでした。
しかし10人とは大所帯。
それなのに1泊2日を支障なく実行する辺りベテランの集まりだったのですね。
初心者がいるとこの計画はちょとキツイかな。
ホテルオークラが山小屋に進出したのかと。(笑)
御嶽山は自分の友人も「まさか御嶽山に登っているんじゃぁないよね?」と心配メールをくれましたよ。
しかし何故メモがあるのに御嶽になってしまったのだろうか。?
槍ヶ岳に行けただけでも、機会を設けてくれた高木には感謝しているのですが、付録の紅葉がこれほどのものとは想像もせず行って良かったの一言ですよ。
参加者だれも思いもしなかったことでしょう。
これで、これからの山歩き、紅葉を追っかけて歩かずともいいと思うと気が楽なものがあります。
コントラスト云々と言われても、自分の撮影レベルでもこんなものですから、実際ももっととお考えください。
高木はいつもの高木でしたけど、奥さんという女性が加わっている以上、そちら方面への目立ったものはありませんでしたね。ちょっとばかり物足りないものがありましたけど。
仰せのとおり、やはり槍はいいですね。
もっとのんびりと歩いてみたかったのですが。皆さん、足が速くて。
常念をあきらめた時点で、せめて、ハイトス隊が上りで使ったコースを下ろうかなとも思ったのですが、自分だけ2時間遅れるのもどうかなと断念しました。この辺、グループで行くと我慢もしなけならないところも出てくるわけですよね。
オークラ小屋、私もホテルオークラを連想しましたよ。帝国ホテルもありますからね。
さて、メモ書きの件、まず見られることはないのですよ。せいぜい、また山かといった程度で。今回も見てもいなかったでしょう。もとからダンナの遊びに関心がありませんから。
これでは、赤城山に行くと言って出かけても御嶽山になりそうですよ。
4年前に同じルートで槍まで行きましたが、私もババ平あたりから急に足が重くなって前に進めなくなったのを思い出しました。
それにしても、この時期の土日で小屋がそんなに空いていましたか。おそらく涸沢なんかとんでもない状態だったと思いますよ。これなら、ぜひ私も秋に行ってみたくなりました。
きりんこさんも同じでしたか。ほっとしました。
ババ平から本当にしんどかった。一時はエンドレスの苦痛しかありませんでした。
紅葉があったからこそ歩きもできたのでしょうね。
この辺で混むのは槍ヶ岳山荘かとは思うのですが、ご来光を見に上がって来た人数からして、それほどの宿泊客もいなかったようです。
涸沢方面は結構混んでいたのではないでしょうかね。槍沢あたりと違って、カールの規模が違いますからね。
返信している間にまた行きたくなってしまいましたよ。
紅葉の期待はしてなかったのですか、この時期なら「まさかの・・」ってことはないと思います。
きっと山ともさんのプランに乗っての山行きなので、自分ではリサーチもしなかったんじゃないかと・・・。
ツアー参加者などは調べないはずですよね~
それにしてもこんなに綺麗な紅葉・景色なのに
「紅葉とキジ撃ち」じゃ、あまりにも酷いですよ(笑)
そうそう、「キジ撃ち」に訂正しましたね、アハハ~
私には先入観がありまして、岩稜帯の山の紅葉はさしたるものではないだろうといったものですが、このエリアもまた涸沢をのぞけば、紅葉はそれほどでもないと思っていたのですよ。
いい意味で裏切られて正解でしたが。大方、私以外の仲間も同じように考えていたと思いますよ。この時期に来たことはなかったようです。
キジ撃ちの件、お気づきでした?いくらなんでも「ク●」と字をつぶして表記しても、ストレートすぎやしないかと、考え直した次第です。
それにしても,槍沢の紅葉が見事ですネ。今年は,この後の台風次第でどうなるか心配してますが,今のところ当たり年でしょう。先週末は,何処も標高2000m前後が良かったみたいですネ。
ところで,シモの話し,最近,携帯ウォシュレットを持参して歩いてるんですワ。紙の枚数も経るし,切痔の防止にもなるし,快適ですヨ。
私は北・中央・南すべてのアルプスに行ったことがないのですが、このようなブログを見ると行ってみるかという気になります。