たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

二日続きでアカヤシオを訪ねて~その2。三床山。さすがにちんまりのヤシオ山に比べたら賑やかに咲いていた。しかし、アップダウンの多い歩きには閉口した。

2023年03月30日 | 近所の栃木県の山
◎2023年3月22日(水)

駐車地(8:40)……三床山(9:18~9:27)……小三床山(9:44)……烏ヶ岳(9:55)……つつじ山(10:15)……桜山(10:27~10:38)……鞍部(11:00)……一床山(11:40~11:50)……二床山(11:59)……高松(12:11)……駐車地(12:30)

 「三床山」と書いて「みとこやま」と読む。この山、12年前に登って以来だ。アカヤシオの時季ではない一月。その時から、ずっと「さんしょうやま」とばかりに思っていた。正式な呼び名を知ったのはごく最近だ。「みとこやま」。記事のタイトルを「その2」とはしたが、別に意識はせず、たまたま足利のツツジ山の翌日の水曜日は仕事も休みだったし、ではと、咲き始めのアカヤシオを求めて三床山になり、二日続きになっただけのことである。場所は佐野市とはいっても、自分には田沼町とした方が、地理的にはわかりやすい。足利は「ツツジ山」。こちらは「つつじ山」だ。
 参考までに記すが、『安蘇の山塊から』の山とんぼさんの記事によれば、地元の方にとっては、あくまでも「三床山」の名は存在していても、「二床山」と「一床山」の名はオラッちは知らない山で、誰かよそ者が、勝手にというか、便宜的に命名したらしく、当然、正式な読み方ではないらしい。現に、山名板の「三床山」にはルビはあったが、二床山、一床山ともにそれはなかった。ただ、周回ルートに烏ヶ岳とかつつじ山、高松といった、もっともらしいピーク名はあるから、地元関係者ではない山名好事家が名無しのすき間ピークに二と一を入れて定着してしまったのかもしれない。こんなことをやったら、山名にこだわりのある方には違和感物だろう。

(ここに車を置く)


 12年前は、何も気にせずに鹿嶋神社の駐車場に車を置いたが、事前調べでは、ソーラーパネルが連なっていたので、空地に車を置いたところ、下山すると、空地の出入口にロープを張られたうえに、横づけの車で塞がれて出られなかったという話があった。その空地は私有地だったようだが、だったら、はなから看板を立ててバリケードしていればよいだけのことで、偏屈そうな地主には悪いが、知らないで車を置いた方には気の毒なことだ。それゆえに、駐車地確認には慎重になった。ソーラーパネルが切れた北奥に空地があり、車が一台あった。念のため、周囲を確認すると、駐車禁止の看板もないし、スマホを取り出して三床山記事を確認すると、駐車地の写真はここの景色になっている。ここで問題ないだろう。
 前日は車も混んでいたようだが、他の空地にも一台あって、自分のを入れれば、都合三台と、静かに歩けそうだ。車から出ると、近くでホーホケキョとウグイスの鳴き声が聞こえた。今年初めて聞く鳥の声。穏やかな陽気だ。すぐに準備。舗装道歩きはないが、岩場もあるので、スパイクがすり減った地下タビにした。ストックは一本で十分。ザックだけは新しい。20年使い、ボロボロになったのでゴミ出しした。その間、ワークマン製をいくつか買ってはみたが、どうも…というところだった。やはりそれなりだ。まずデザインがダサいし、機能面でも、自分には不満足なところが多い。

(神社の左を通過。12年前は、この辺に「山頂まで50分」の案内板があったような気がする)


(早速、コースが分かれて尾根コース。)


(最初のうちは楽だったが)


(これを見てたじろいだ)


 三床山の標識に向かって行く。神社の脇を通る。12年前には神社に寄ったが、今日はパス。続いて沢コースと尾根コースの分岐。アカヤシオがいつ出てくるかわからないので、ここは尾根コースを選ぶ。地図で見ればわかるが、等高線の間隔は広いが、三床山の直下は詰まっている。駐車地は標高100mだから、三床山までは230mの標高差になる。明瞭なハイキングコースをゆっくりと登っているうちはよかったが、目の前に三床山が見えた時には(実際はその手前の210mピークだったかもしれない)、かなりきつく感じた。ストックは二本にしておけばよかったか。

(露岩混じりになる)


(帰路で寄る高松か? だとすれば、後ろが二床山になる)


(そろそろだと思うが)


(奥に三床山の山頂)


(山頂)


(山名標識にはルビがふられている)


(本日初のアカヤシオ。ちょっとくたびれた感じがしないでもない)


(周囲のアカヤシオ。降りて接近するには危うい)


(やはりこれかね)


 最初のうちは元気なものだ。そのうちにいつもの立ち休みが出てくる。そして露岩混じり。こらえて登るとやっと展望地らしきところに出た。山頂の手前に二床山の標識があるところからして、一旦、ここに戻るということか。そして三床山到着。40分近くかかっている。12年前の写真を見ると、30分もかかっていなかった。あがいてもどうにもならない。
 早速のアカヤシオにご満悦。一株しか目に入らなかったが、北側の斜面を覗くと結構咲いていた。危ないことはやめよう。素人目には、咲きの本番はこれからのような気がした。三床山でこうだから、この先のつつじ山はもっと多いかと期待する。

(分岐に戻って小三床山へ)


(これから歩くことにはなるが、どれが何山やら)


(尾根の途上で)


(緩やかに登る)


(見た目ほどに厳しくはなかった)


(つつじ山と桜山かと思う。桜山だとすれば、あの斜面をかなり下ることになる)


(クサリにつかまるまでもない)


(小三床山。山名板には「こみとこやま」とある)


 次は小三床山。ここのアップダウンはたいしたものでもない。コース沿いにアカヤシオが点々と咲いている。ツボミが多い。二つ目の岩峰にはクサリが垂れている。別にクサリに頼らずに登れたし、巻き道もあった。むしろ、巻き道の方が恐いような気がした。
 ロープ場を過ぎると分岐。標識をよくは確認しなかったが、おそらく、左に向けて二床山とあったはずで、こちらは<桜山周回一床山>を選んだ。そのまま金原山にも行け。12年前は金原山まで行くつもりになっていて、実際に向かうと、とんでもなく遠いことを知り、途中の325m標高点の天ヶ岳ですごすごと戻った。今回は桜山まで行っての周回で、アカヤシオを少しでも、というか、前日よりも楽しめればそれで十分。さて、この周回も、300m級の低山がずらりと続く。最高峰は桜山の350m程度のものだが、登っては下るの繰り返しが続いた。結果を先に記せば累積標高差は850mほどあった。この辺はあまり意識もしていなかったが、桜山から先がしんどかった。
 自分の今の労苦をダラダラと訴えても致し方ない。楽勝で歩いた若い頃の自分もいる。あくまでも「その2」のアカヤシオなのだから。

(烏ヶ岳)


(ここもルビ有り)


 小三床山から烏ヶ岳。その間に花はなく殺風景。烏ヶ岳で<つつじ山>方面の標識を確認する。下りだ。ここらからうんざりしてきた。下った先には登りがある。とはいっても、またアカヤシオが始まったから特別な起伏は意識しないでいられた。むしろ、足利のツツジ山歩きに比べたら気分良く歩いている。右手奥に特徴的な丸い山が見える。おそらく、登ったことのある山で何とか山かと思う。山名は忘れたことにしておく。出せば赤っ恥をかくことになるかもしれない。ともかく、北方面とは思っていても、春霞で日光男体山が見えないのでは、適当に名前は出せない。

(ポツラポツラ)


(たまにこういうのが出てくる。これがずっと続いていたらなと思う)


(つい時間もかかる)


(飽きない)


(あの丸い山がさっきから気になっている)


(つつじ山)


(つつじ山で)


 一旦消えたアカヤシオがまた復活。ツボミのツツジの先にピークがある。登って行くと、今度はアカヤシオからヤマツツジだかミツバツツジになり、アカヤシオのつつじ山に着いた。ここもまた、つつじ山のわりには一株のアカヤシオ。足利のツツジ山レベルだ。斜面を見下ろせば点在に咲いてはいる。ここの一株は、三床山よりもきれいに撮れた。モデルが良かったのかも。密に咲いている中を通るのは最高だが、点在の中を探しながら立ち止まって眺めるのもいい。昨日の、ツツジ山に比べたら歩いていても楽しい。この雰囲気がいいのかなと思ったが、やはり、だれも歩かないようなところの、アカヤシオ通りが続くのが好みに決まっている。今の体力で、果たしてそんなところがある山を歩けるかは厳しい。若い頃の感覚のままで、あそこ、あっちと気力だけはある。

(つつじ山からの下りで)


(同じく)


(桜山に向かっている)


(ここもまた露岩。山域そのものが岩々だ)


(これからだろうな)


(そのうちにこれが主体になるのかなぁ)


(桜山。今日はここまでにしておく)


(つぶれた石祠)


(こちらはまだ先)


 また下り。あとは桜山。地図では起伏はさしてないが、正面に見えた桜山は、えっ、あそこまで行くのかといった圧迫感はあった。まばらに咲いたヤマザクラを見ながらの登り。まだまだ二分咲き。そして登り。赤いヤマツツジ(違うかもしれない)を見ながら登る。さして息切れもせずに桜山に着いた。身体も慣れてしまったようだ。ひしゃげてつぶれたような石祠がいくつかあった。残念ながらアカヤシオは数輪だけ。今日の一応の終点だから、一服して休憩した。ここに至るまでの歩きはほぼ満足だ。あとは一床山と二床山を通って下るだけ。腹は空いていたが、いつもながらに山での食欲はない。

(桜山からの下り。一床山へ。これが長い)


(次第に寂しくなってきた)


(男体山がようやく見えた)


(こんなの撮っても仕方もないが。とにかく見えたアカヤシオはすべて撮った)


(たまにアカヤシオを見かける。ちんまりと咲いている)


(点在して見かけるようになった)


(あちらから回って来たことになる)


(盛りのもあったが、周囲はツボミ)


(下りに飽きてくる)


(まだかいな)


(ようやく鞍部らしいが)


(こんな道を行くと)


(ようやく鞍部)


 一床山の標識に合わせて下る。左手に植林が見え、ハイキング道も吸収されるのかと思ったがそれはなかった。そして、ようやく北に男体山が見えた。目を凝らさないと気づかない。坂をどんどん下る。道沿いにミツバツツジとアカヤシオが混在して咲いている。ミツバツツジはまだつぼみのまま。たまにヤマツツジも現れる。こちらは開花中。しかし、ここ、どこまで下るんだ? 急なところもあって、ロープが張られているところもある。正面の一床山らしいピークがどんどん高くなる。
 ようやく鞍部らしいところに着く。標識が置かれている。平坦な道になった。そして登りが始まる。ここの標高は150mほどか。一床山は320mか。引き算で170m。ラストだろうが、ここまで来ての170mはダメ押しのようなもので、たかが170mもつらく感じる。

(カタクリ。たいそう咲いているわけではない)


(低い方が上よりも咲いているというわけではないようで)


(それでいて、こんなのがあるから高低差との関係はよくわからない)


 アレっと思ったらカタクリが咲いている。そんなに数多いわけではないが、極めて自然に咲いている。ロープに囲われているわけでもない。こんなものでもなければ長い道中にうんざりしているはずだ。カタクリが終わると、ただの雑木尾根になって、またアカヤシオ。上がるに連れてツボミが開花していく。写真撮りに夢中になっていると、時間がどんどん経過する。

(左が桜山で、隣がつつじ山、烏ヶ岳か?)


(こうなるとわからない。右端が三床山か?)


(一床山山頂かと思うが)


(やはり一床山山頂。ルビなし。下に手製の「いつとこ」)


(下を眺めて下山)


 尾根はさほどにきつくはなかった。岩がちになってくると、左先にピークが見える。三床山だろうか。適当なことは言えない。一床山の山頂が近づく。人の話し声が聞こえる。ここまでだれとも会ってはいない。山頂には四人いた。それぞれどういう関係かは知らないが、会話が弾んでいるからグループかもしれない。少なくとも二人は夫婦だろう。備え付けの寒暖計は24.5℃を指している。かなり汗をかいて登って来たし、むしろ暑い。山名標の下には「いっとこ」のひらがなの板が置かれている。既成事実か。
 ここでゆっくりしたかったが、山頂は狭いし、タバコも吸えない。水を飲んで。撥水加工もないペラペラのパーカーを脱いだ。汗を吸い込んで重くなっていた。その下はもっとぐっしょりしている。ここで、標識に<鹿嶋神社>とある方向から老夫婦が登って来た。ラジオをガーガー鳴らしている。ジイさんが開口一番「日本が3対2で勝ったよ」とのたまった。歓声が上がる。それはそれでいい。自分もラジオは持って歩いてはいるが、試合が気になりはしたものの、気もそぞろになるだろうと、敢えてラジオのスイッチは入れなかった。結果がわかれば、帰宅してプライムビデオででもビールを飲みながら見る。我慢がならなかったのが、ジイさんが聞いているラジオ。チューイングが合っていないうえに、音がうるさ過ぎる。ラジオを切って欲しかった。

(下りは気を遣う)


(本日最後のアカヤシオ)


(ここでWBCを抜く。結果が出たのだから、スイッチは切ってよ)


(二床山か?)


 じっと座っていられず、二床山に向かおうと立ち上がると、そのジイさんに先行されてしまった。連れのバアさんを置き去りにしてさっさと下って行く。しばらくラジオを聞かされたが、岩場で抜いてほっとして早足で下った。ようやくラジオの音は消えた。岩場には今日最後のアカヤシオが咲いていたが、ゆっくりと見物の気分にはなれなかった。

(二床山。これもルビなし)


 二床山に到着。山名板には318mとある。一床山は320mとあったが、水平なわけではなく、20mは下って登ったはずだ。ここに一床山で見かけた「いっとこ」のような板はない。「にとこ」とでも呼ばれているのだろうか。ここにアカヤシオはない。

(高松へ)


(一床山と二床山)


(三床山でしょう)


(ようやく高松)


(後付けの山名板が気になる)


(下る)


(こんなところに出て)


(ここを行くと)


(ソーラーパネルが見えて)


(駐車地帰着)


 <高松~鹿島神社>の標識方向に下る。起伏はさしてない。振り返ると、一床山にはまだ四人の姿が見え、二床山にはラジオの老夫婦の姿が見えた。岩場を登って高松303m。ここが今回のコースの最後のピークだが、ここから200mも下るのかと思うとうんざりする。
 わりとおとなしい尾根下りだった。花はまったく見ることはなかったが、汗ばんだ身体で、風がないながらも、春の中を歩いているといった気分になれて気持ちがよかった。平地になり、左右ヤブの中の道を行くと、ソーラーパネルの一角が見えてきた。駐車場に到着。車が8台あった。
 四時間にも満たない歩きだった。前日に続いて天気にも恵まれた。アカヤシオも満喫まではいかないが十分に楽しめた。低山のアカヤシオ巡りも二日続きだったし、この程度にしておこうか。今度は少しばかり標高を上げたところで、そしてもっと密に咲いている山で楽しみたい。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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4 コメント

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三床山 (みー猫)
2023-03-30 21:55:54
こんばんは。
5日後に見に行きましたが、雨で半分は落花してました。行かれた範囲では丁度良かったようですね。三床山もメジャーになったのでしょうがないですが、自分は好きなお山です。しょっぱなの登りはいつも閉口しますけど。鎖は巻き道通りました(笑)
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Unknown (ぶなじろう)
2023-03-31 18:53:56
こんばんは。
アカヤシオは少しでも咲いていると気持ちがなごみますねぇ~。
丸い形の「何とか山」、たそがれさんはそれとなく山名のアテがあるようですね。実は私も丸い形のカノ山が数十年前から気になっておるのですよ。東北道の西方P近辺からチラチラ見えていて。私は「正規分布山」と呼んでいます。正式名のアテは全くありません。
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2023-04-02 17:58:12
みー猫さん、こんにちは。
みー猫さんも三床山に行かれましたか。5日後ですか。花は落ちていましたか。可憐なアカヤシオですから、雨には弱いようで、残念でしたね。
後日、金原山に別ルートで行こうと思っていましたが、雨で落花でしたら、金原山方面とて同じだったでしょう。
標高的には、次第に上へと向かうはずですが、不思議なものですね。今日行った、三床山エリアに近い足利の湯殿山は見頃でしたよ。もっとも山頂付近だけでしたが。山桜の落花はあっても、アカヤシオはけなげに生きていました。標高とて数十m高いだけなのですがね。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2023-04-02 17:58:55
ぶなじろうさん、こんにちは。
あの丸い山は、あくまでも私の当て推量ですが、鹿沼の三峰山かと思います。その理由というほどのことでもないですが、以前、三峰山に行った際、方向を変えるとあの形に見えたこと。そして、その隣に石灰かと思われる採石場があったことですね。丸い山の隣に採石場らしいのが映っていましたから。確証はありませんよ。三峰山だとすれば、ぶなじろうさんが一年前に行かれていますよね。
今日、行った足利の湯殿山では、アカヤシオ、ヤマツツジ、ミツバツツジが揃い咲きし、ヤマザクラはもう葉桜になりかけていました。でも、私の好みはやはりアカヤシオで、ぶなじろうさんがおっしゃるように癒されますね。
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