たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

足利の吉祥寺でアジサイ見物。ついでに雷電山。アジサイはやはり雨天に似合っていると感じた。「雷電山」はどこも同じかなぁ。

2023年06月23日 | 近所の栃木県の山
◎2023年6月21日(水)

 午前中いっぱいさいたま市に用事があったので、その帰りがけに足利の吉祥寺に寄ってアジサイ見物でもしようと思った。吉祥寺のアジサイ情報は最近になって知ったことで、18日には<あじさい弁天まつり>が開催されたらしい。それほどアジサイがきれいなところなのだろう。ついでに、近くに山はないかと探すと、どこにでもありそうな雷電山というのがここにもあった(地図に山名の掲載はない。三角点のみ)。時間的に無理かもしれないが、地図だけは用意した。
 さいたま市からの帰り、気温はどんどん上がっていき、たまらずに車のエアコンをつけたが、この暑さの中でアジサイ見物もどうかと迷うほどで、足利インターまで行くつもりが、佐野インターで下りて50号を走りながら考えることにした。結局、吉祥寺まで来てしまった。外に出ると案の定、暑い。アジサイ見物はともかくも、雷電山はあきらめた。汗ダクハイクは短時間とて遠慮したい。

(吉祥寺。本堂の上に見えているのが雷電山)


(以下、アジサイを羅列)




















 見物に来ていたのはオバちゃん二人組だけ。寺であるからにしてあたり前のことだが、この寺は墓所が広くて、とにかく墓石が所狭しに並んでいる。肝心のアジサイはというと、大方が変色しつつあり、日照りの中でくたびれている。これに小雨なり霧雨でも降っている背景なら、終わりかけも気にせず、濡れそぼったアジサイはきれいだとなったろう。アジサイスポットは墓所の斜面だが南側だけ。寂しい。北側はありそうでなかった。素人感覚では、陽がもろにあたる北側にアジサイ以外の花すら一輪もなかったのは何でか?
 色とりどりのアジサイが確かに咲いていたが、どうも、ネット記事に掲載された写真ほどの株数でもないし、たまに生きのよい花を見かけて写真を撮ろうにしても、どうしても墓が写ってしまう。墓所の上を一周したが、たいした収穫もなく、吉祥寺のアジサイ見物は終えた。

 ここで、やめにしていた雷電山が復活する。寺の真上に見えているからには行くしかない。寺から直登できまいかと眺めるも、スギだかヒノキが鬱蒼と茂っていて無理そう。一周した際にも、上に続く踏み跡は確認できなかった。となると、寺からは離れるが、北側の破線路を行くのが無難か。破線路とはいっても、北東側からの尾根上を通っている。

(ショートカットのつもりで脇道へ)


(あちこちに咲いていた)


 破線路末端に向かって車道を歩いて行くと、左手に路地が見え、破線路にショートカットできそうだと、そちらに向かう。前後するが、こちら側に雷電山に誘導する標識の類はまったくない。末端にはあるかもしれないが、その後に行き着く破線路の感じからして、この破線路を歩く人はほとんどいない感じがしたから、こちら側に標識があるとは思えない。

(伐採地に入り込む)


(登って行くと)


(ここで終わり。左に道筋がありそうだったがすぐに消えた)


 住宅地を抜けると伐採地に入り込んだ。その時のトラックが通ったであろう作業道を登って行くと、作業道は半端に終わった。車を切り返す場所の跡形すら確認できない。この先はヤブになっている。踏み跡を探したが、そんなものはなく、かすかにイノシシが掘り起こしたらしい跡がいくつかあるから、頼れそうにもないケモノ道のようなものはあちこちにはある。幸いにもヤブは薄くて視界も先まで見えるから、歩きやすいところを適当に北に登れば時間もかからずに破線路に出るだろう。

(こんなところを登った。上が切れているようだから、あれが尾根かと思う)


(尾根に出た。破線路はない)


(それどころか、ところどころでヤブに入る)


(掘削跡かと思うが、見たのはこれだけ)


 ヤブ斜面は歩きづらかった。とにかく滑るし、クモの巣との闘いだ。ほどなく上が切れて尾根、つまりは破線路に出た。短時間ながらも暑くて風も通らず、大汗をかいた。尾根に道はなかった。人間が歩いたと特定できそうな踏み跡はない。尾根に出た以上は、踏み跡にこだわらずとも雷電山には行けるだろう。

(大岩山かと思う)


(山頂手前だけは明瞭だったが、すぐにヤブに吸収される)


(いきなり鳥居の前に出た)


 眺望も得られない面白みのない尾根が続く。ヤブの通り抜けもある。チラリと北側の景色が見えた。あの三角峰は大岩山(剣ヶ峰)だろうか。緩い起伏を繰り返すと、またヤブになった。正面に向かうのはきつそうだったので左下から巻いたら鳥居の前に出た。あっけなかった。鳥居には「足利百名山 第38座 雷電山」の山名板が括りつけられていた。鳥居の上には石の社が見える。それよりも驚いたことは、反対側の左・南側から鳥居に登って来る道がしっかりしたハイキング道になっていることだった。この雷電神社から来る道とて破線路だ。

(雷電山山頂)


(振り返って見えたのはこれだけ)


(西に行ってみた)


(展望スポットになっていて、両崖山が近くに見えた)


(案内板かと思うが、文字が消えて読めない)


(足利市街)


 雷電神社の奥宮と三角点を確認する。展望はないに等しい。裏手に道が続いている。おそらく、これを行けば両崖山の北に出るはず。先に行くと、話し声が聞こえた。こんなところに来る人もいるんだなと思っていたら、オバさんが携帯電話で話をしている。一人だった。こちらに気づいて、雷電山の方に行ったから、両崖山経由で登って来たのだろうか。そんなことよりも、行き着いたところはちょっとした展望地で、足利市街と両崖山がよく見えた。いずれ歩いてみたい。北関東の低山だから、汗だくの夏には苦行でしかない。涼しくなってからでも。

(下る)


(こちらには標識もあった)


(階段が続いていた)


 雷電山に戻ると、オバさんがまだ携帯でおしゃべりをしている。腰を下ろしている。「あの人は泥棒だから、近づかない方がいいよ」と何やら物騒な話をしている。聞き耳を立てずとも大声だから聞こえる。ここで腹を満たすつもりでいたがやめた。雷電神社に下る。
 標識が出てくる。下って来た方向には「両崖山」とあり、下って行く方には「雷電神社」とある。不思議に思ったが、雷電神社に出てからも同じで、「雷電山」の標識を見ることがなかった。あくまでもここの雷電山は両崖山に行くための通過点に過ぎないようだ。あの山頂からして、それもしかりかもしれない。その辺は、あちこちにある雷電山に共通している存在といえるかもしれない。「江川町三丁目」の道が分岐し、階段が続く。途切れるとまた現れる。この道を上りに使うのはきついんじゃないのかと思うほどだ。

(神社の境内に入った)


(「神鳴石」とあった)


(ご自由にとあったのでいただく)


(順序が逆になったが、上から来たのでは仕方がない。雷電神社)


 雷電神社に到着。言わずもがなだが雷電様を祀っている。由来が記された看板を見ると、ここの神社は神楽が有名らしい。その辺になると知識は疎いから、そうなのかで終わりだ。少しばかり見学し、おにぎりを食べて吉祥寺に戻る。暑さは相変わらずで、手拭いもびっしょりになり、同じズボンのポケットに入れた地図はインクが滲み、ボロボロになっていた。

(この歩道の下には川が流れていた)


 県道だか市道には出ず、できるだけ山際を歩くようにした。それでも道は舗装されていて、かろうじて車は通れそうだ。歩道を歩いていると、水の流れの音が聞こえる。歩道のすき間から下を覗くと川になっていた。水路に蓋をして歩道にしたようだ。

(こんな案内があった)


 このまま吉祥寺に行くのも何だが、ボロボロの地図を見ると、途中に神社マークがこの先の左手にあった。折よく、その方向には<足利七福神 明石弁天・寿老人>の標識を見かけた。その神社がそうなのだろうか。話が逸れる。浅田次郎の『大名倒産』には七福神が登場する。七福神はみんな日本の神様かと普通に思っていたが、日本の神様は恵比寿だけで、弁財天はインド、寿老人は中国の神様だったと知った。小説そのものは面白かったが、その後に映画の予告を観た際に、原作ぶちこわしの感じがして観に行きたい気は起きなかった。さらに横道。この『大名倒産』の予告は、最近公開した『渇水』を観に行った時にやっていたからつまらなそうだなと思ったわけだが、その『渇水』は、原作をすでに読んでいたから、原作通りの結末だったらやるせないなと思っていただけに、映画では違う結末になっていてほっとした。もっとも、これはイメージの世界であって、姉妹でプールに飛び込むラストシーンは、小説の鉄道自殺になぞらえたのだろうか。さらに余計なこと。『渇水』のロケ地は前橋だった。ここで主役のジャニーズ系が滝を観て、自分のやっている仕事に疑問を持つようになるが、その滝は、観たことのある滝だなと思って、過去の写真を見ると、浅間大滝だった。豪瀑ながらも水が汚かった印象が強い。以上。

(もうひとつの神社に寄る)


(三奇天満宮)


 左向きに<三奇天満宮>の標識を見かけた。地図上の神社マークだ。この神社が弁財天と寿老人を祀る神社かと思って神社に行ってみる。何の変哲もない神社で、弁天も寿老人の説明もない。二神を祀っているのはここではないらしい。「三奇」とは、上杉系の武将三人のことだった。

(寺に戻る)


(到着。汗ダクだった)


 吉祥寺に戻る。一時間半の歩きだった。見物人はだれもいなかった。墓所の草むしりをしている人が数人。三日前にアジサイ祭りをやったはずなのに寂しいものだ。やはり、アジサイは梅雨空の中で濡れながら見るのが自分には好みだ。

(雷電山の軌跡)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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