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フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

安いフルートの優位性

2005-12-12 | フルート本体
ジャズフルートのレッスンで。
そこはあまりキレイに吹かないほうがいい、ブレークした音を使って! という趣旨のことを良く言われてしまう。ここで言うブレークした音とは、ぶしゅ! という音のはいったいわゆる汚い音。どうしたら出せるんですか? と聞くと、下手に吹けばいいと返答される。そんな音。こういう音も自在に使いこなせるのならば、クラシックを含めて表現の幅が広がる。

ところがなかなかこういう音が出ない。とにかく出せない。ちょっと出たような気になっても、曲の中では使えない。単に下手に吹けばいいだけのはずなのに。

レッスン中の会話の中で、先生が以前シルバーソニックを使っていたことがあるという話をしていたので、私の古いシルバーソニックを引っ張りだして使ってみた。

普段使っているハンドメイドと比べると、音が純粋でないし、通らないし、鳴らない。
でも音はキレイならいいってもんじゃないよ、という観点で使ってみると・・・・

お? なんか汚い音がちゃんとでるかも。
ちょっといいかも!?
早速レッスンに持っていってみたら、その日はキレイに吹こうとしすぎる件についてはコメントが出なかった。も、もしかして、これって??

ちなみに、シルバーソニックとは、サンキョウフルート製の、管体銀のモデル。定価で30万円を超えるのでこれを安いと言ってしまうのはどうかとけれども、フルートというか、楽器というカテゴリーで見れば比較的安いモデルではある。いわゆる初~中級レベル。

材質的なもの(キーが洋銀)なのか、仕様(トーンホール引き抜き)なのか、設計的なもの(初心者でも鳴らしやすい?)かよくわからないけど、ハンドメイドよりも汚い音が出しやすい。
というか、ハンドメイドはキレイな音しか出ない。サンキョウは誰が吹いてもサンキョウの音が出てしまうような楽器なので、特にそうなのかもしれない。(腕の問題もあるけど)

レッスンの終わりに、実は今日はシルバーソニックを使ってましたと言ったら、それも良いかもしれない、と先生は言う。
そう言って、お友達?であるジャズ&クラシックプレイヤーとして有名なN川氏のCDの曲をiPodコレクションの中から聞かせてくれた。

まず一つ目は、N川氏の最初のアルバム。この中では、安い(総銀だけど)モデルを使っているという。そのほうが吹きやすいから使ったということらしい。確かにそういわれて聞いてみると、中級クラス以下の楽器特有のクセ、みたいな感じのブレークした音を聞き取ることができる。悪い意味ではなく、ちゃんとそれが表現として使われている。

次は、それよりも後のアルバム。例の、煙草のCM(古い!)のやつだ。
その中ではパ○エルの金を使っているのだそうだ。確かに、金の楽器らしい独特の感触の音ではある。

どっちが好きかと言われれば・・・・・
やっぱ、安い楽器の演奏の方がぜんぜん好き。

こうして、20年くらい昔に買ったシルバーソニックが晴れて控えから現役へと復帰することに。
メンテだけはちゃんとしておいて良かった。

皆様も、使わなくなった楽器のメンテもお忘れなきよう。

リングキーお悩みの不思議

2005-07-31 | フルート本体
リングキーの楽器をなかなか使えないという悩みは多い。

リングキーパッチなるものが意外と売れているようだし。リングキーにあこがれてはいるものの、その扱いに悩まれている人はきっと多いのだろう。

私の場合は、標準的な手の大きさに恵まれたためか、はじめてリングキーの楽器を買ってから2週間の後にはその扱いに悩むことはなくなった。幸運である。

ところで。

リングキーの扱いには、それなりの恵まれた手の大きさが必要なのだろうと思っていたのだけれど。先日吹奏楽で隣の女の子の手をたまたまよく見てみて驚いた。明らかに私のよりも一回り、というか二回りぐらい手が小さいし、指がとても細い。
それなのにリングキーを何の苦もなく使っている。やっぱりリングキーが扱いにくいと言うのは気のせいなのではないか?

そもそもフルートにはカバードとリングという2種類存在しているという事実が、リングは難しいから上級者向け、という強力な先入観を植え付けている原因なのではないか。


もう一つのリングキーといえば、クラリネット。クラリネットといえば事実上リングキーしか選択の余地がない(フルートとは少々形状が違うけど)。カバードキーのクラリネットは、見たことはあるけれども最近は全く見なくなってしまった。(実は、とても欲しかった覚えがある。何故かというと、他人が使っていないから。私がリングキーの楽器を使っているのと理由が近い(^_^;))

クラリネットの場合、リングキーだから使えないという話は聞いたことはない。もともとそれしか選択肢がなければ、そういうものなのだと思ってしまいなんとかなってしまっているのではないだろうか。フルートもリングキーしかなければ、上級者イメージはつかなかったと思うし、みんなそれなりに使いこなしてしまっているのではないだろうか。


そこで、クラリネットとリングキーフルートを比べてみたのが上の写真。左右どちらかの薬指が一番穴を塞ぎにくいのではないかと思うのだけど。
そこでこの写真は右手の薬指で押さえるあたり。

よく見ると、薬指部分の穴の大きさは、若干フルートよりもクラリネットの方が少しではあるけれども大きいことが判明!

実は、フルートよりもクラリネットの方が穴を塞ぐのが難しかった! 
(ちょっと強引すぎ?(^_^;))


リングキーの取り扱いに困っている皆様へ。
クラリネット奏者で、いつまでも穴がふさがらないという悩みを持っている人はいません。
フルートはカバードキーがあるから、リングキーが難しく上級者向けであるかのような悪しき先入観を生んでいるのです。

明日から、いいえ、たった今から、世の中にフルートはリングキーしか存在しないと信じましょう。これで、リングキーの悩みはすべて解決!

・・・・・・ホントかなー? (>_<)

ジャズフルートのレッスン その2

2005-07-24 | フルート本体
フルートのレッスンの二回目。

宿題としてやってきた、「枯葉」の優先順位の高いコード音抜き出しをした楽譜(その1参照)を見ながらアドリブしてみましょう。

ということで、iPod伴奏スタートとともにやってみる。リピート1回目はメロディー。2回目から作ってきた楽譜を見てアドリブ(もどき)。
楽譜は、一小節おきにコード音を抜き出している。コード音から選んだ音をテキトーにリズムをつけるだけ。しかし自分のことに一生懸命になっているとおちてしまう。なかなかコード名だけが書いてある楽譜を追うのは大変だ。途中から先生の指さしフォローがはいる。

次に、ブレークを兼ねてiPodコレクションの中からプロの枯葉を聞かせていただいた。
スローな枯葉の例として、マイルスデイビス(Tp)。早い例として、ビルエバンス(p)。
ふむふむ。いろいろありますなあ。

昔は、メロディー → フェイク → アドリブ という順に構成されるのが一般的だったが、最近(といっても十分に昔だが)は、このフェイクに相当するぐらいにはじめからメロディーを崩して演奏するようになったという。

なるほどぉ。

そして、次の段階へ。

抜き出したコードの音だけではつまらないので、その間をつないでフレーズを作りましょう。枯葉は、変わったコードは使っていないのでGマイナーの音階の音であればはずすことはありません。
ただ、クラシックもジャズも短音階には3種類あって(自然的、和声的、旋律的短音階とクラシックでは言う。ジャズも同じ?)、6度や7度の音が#することがあるので、これらの音が使われることもあるのを覚えておいてください。

では、枯葉の最初に出てくるCm7のコード音を使って一つフレーズを作ってみてください。三分間で。すぐ脇で見られていてもやりにくいでしょうから、しばらくいなくなります。

といって、外へでていかれた。

ふんふんふんふん・・・・・・
と悩むことしばし。うーん、ちょっとクラシックっぽいかなー。イモくさいかなー。などと悩むことしばし。

うーん、困ったなー、えいやあぁぁぁ!
と音の並びだけ五線に書き込んだ時に、先生がお戻り。

あー、なかなかいいじゃないですか。
では、今一小節おきにコード音を書いてあるので、今作ったモチーフをこのそれぞれのコードの音にあわせて演奏していきましょう。

ほら、コード進行にあわせてモチーフを転調していくとそれらしく聞こえるでしょう。
あああああぁ、そうですねぇ。
こういう練習をずうっっと続けていくんですよ。バークリー(だったかな?)でもこういう練習をひたすら続けていくんですよ。一つのモチーフをコード進行にあわせて、その場で演奏していく。

なるほど。わかりましたー。
(おいおい、本当にできるようになるのか!? でも、不安より期待の方がやや大。)

そろそろ今日はお時間。

最後に、先生が練習用に伴奏CDを焼いていただけるという。
おもむろにマッキントッシュ(iBookG4。なんともミュージシャンぽい。私も次はマックにしなくては。)を取り出し、iTunesで曲を選んでCD-Rをぽん。

いやぁ。便利な世の中になりましたねぇ。などと雑談を交わす。
ほどなくして焼けたてほやほやのCDを受け取る。

ありがとうございましたー!!


##明日からは、しばし夏休みでお出かけだよん。

50の質問。

2005-06-30 | フルート本体
フルート吹きさんに50の質問! に私も挑戦してみました。
他の方のを見て、大変興味深いと感じたので。なんだか勝手に、お互いに分かりあえた気がするんですよね・・・(笑)

けっこう時間がかかりました・・・


01.お名前を教えてください。
ぴいひゃら笛吹き。

02.フルート歴は何年?
20年ちかいです。

03.フルート始めたきっかけは?
中学でブラスバンドを見学したときに、吹かせてもらった。その時に気に入ったのだけれど、なぜかその時はクラリネットを始めることに。そのあと、やっぱりフルートがよかったなぁと転向しました。

04.好きな音楽のジャンルは?
クラシックとジャズ、ラテン。

05.好きな曲、作曲家は?
自分で演奏するという意味では、チャイコフスキーが楽しくて好き。
同じくロシアのカリンニコフもとても良い。

06.好きなフルーティストは?
ジェームズ・ゴールウェイ。赤木りえ。

07.おすすめのフルートのCDってある?
赤木りえさんの、CELVECERA。Isra Velde。
そして赤木りえさんも演奏している、Acoustic ClubのAQUASCAPE(フルートのCDではないかも)

08.今までで一番聴きにいってよかったと思ったコンサートがあれば教えて。
・・・・・あまりコンサート行きません。

09.他の楽器、なにかできる?また、他にやってみたい楽器ってある?
クラリネット吹きます。バイオリンもやりますが、スリガラスと変わりません。
ベース(コントラバス)がかっこいいので是非やってみたいですね。

10.あなたの趣味はなんですか?
もちろん、フルート。それから写真も好きです。

11.あなたが「フルート吹ける」と言ったときのまわりの反応は?
一瞬、空気が凍る。

12.フルート吹きにありがちな性格ってあると思う?それってどんな性格?
目立ちたがり屋で、我が強い。
フルート歴が長くて上手な人ほど、その傾向が強いと思う。

13.フルート吹いてないけど絶対似合う!と思う有名人は?
いかりや長助。ベースが渋くて良かった。きっとフルートも似合う。

14.フルートはじめたばかりの頃、苦労したことってある?
クラリネットのほうが上手い、とか、フルート似合わない、とよく言われたこと。

15.フルート仲間とかライバルっている?
楽団の仲間がいます。

16.レッスンって通ってる?通ってる人は、いつも注意されることってある?
3年前までの5年間位通ってました。今は通ってません。再開しようか思考中。
よく注意されていたことは、ダイナミクス。上昇音形をちゃんと吹ききれる(腹筋のささえを使って吹く?)ように。言葉では書きにくいですね。

17.練習時間はどれくらい?主にどこで練習してる?
最近はあまり練習時間取れません。たまに家で練習するときは、30~120分。
あとは、楽団の練習場で。

18.教則本は何を使ってる?今まで使っていたのは?
今は、トレバーワイのフルート教本を自分の興味に応じてごくたまに見る程度。
今までは、アンデルセンの24のエクササイズOp.15、ベームの24のカプリスOp.26、アルテ2巻、3巻など。

19平均的な練習メニューを教えて。
ソノリテ式のロングトーン。オクターブの跳躍。
時間があるときはスケール。トレバー・ワイ教本の5巻で。
その後はてきとー。買ってきた楽譜とか、楽団で練習中のものとか。

20.得意な音域ってある?
中音域と、調子のいい時の低音域。っていうか、高音域だめ。

21.あなたが克服したいと思っている、現在の課題ってなにかあります?
音の終わらせ方。ダイナミクス。#が多い調でのフィンガリング。音色変化。

22.ビブラートっていつからできた?
レッスンで教えてもらってからだから、8年ぐらい前からかな。

23.特種奏法、何かできる?
ハーモニクス、フラッタータンギング(特殊奏法としてもいいかしら)。
最近、重音に成功しました。演奏にはもちろん使えませんけれど。

24.自己流に開拓した替え指とか裏わざ(管を抜くとかバネをはずすとか)ってある?
ないです。

25.フルート初心者さんが教えてって言ってます。まずなにから教える?
楽器の値段。

26.楽団やバンド等に所属してる?
吹奏楽と管弦楽。フルートアンサンブルは幽霊状態。

27.最近やっちゃった失敗や笑えるエピソード(演奏会などで)とかあったら教えてください。
咳が長く続いて止まらなかったので、咳止め薬を多めに飲んだらかすれた音しか出なくなりました。結局本番当日も咳が止まりませんでした。素早いにブレスをとると咳き込んでしまうので、カルメン組曲の中の長いフルートソロ(インテリメッツォ)では、伴奏者(ピアノ=ハープの代わり)に頼んでブレス箇所の「間」を長めにとってもらいました。今思い出しても悲惨。
吹奏楽では、本番ステージ(軽いやつ)に上ってみたら足りない楽譜があったことがありました。隣を横目で見たり、口ぱくでごまかしました。

28.コンクールとかコンテストって出たことある?成績は?
賛助で某楽器店主催のフルートアンサンブルコンテストに出たとき、金賞。

29.緊張する方ですか?あがらない方法があれば教えてください。
緊張します。ただ楽団のメンバーとしてステージに乗るときは、あまり緊張しなくなりました。
一度修羅場をくぐれば、次からは緊張が軽くなるかも。慣れることと、緊張して当然と割り切ることだと思います。

30.もしリサイタル(ライブ)をやるとしたら、どんなところでなんの曲をやりたい?共演したい人っている?
ライブハウスで、ポピュラーな曲。

31.もしあなたが作曲をお願いするとしたら、誰にどんな曲を依頼したい?
久石譲氏に、癒し系の楽しい曲。

32.もしかしてあなたはプロですか?
普通のアマチュアです。

33.あなたはリング派?カバード派?持っているフルート(メーカーなど)を紹介してください。(学校持ちの場合は学校の)
メイン:サンキョウハンドメイド。リングキー、H足、ニューEメカ。
予備?:マテキ943S。Ag943、リングキー、巻き管。
思い出:サンキョウシルバーソニック。リングキー。
屋外用:コタケK25S。カバードキー。
使っているのはリングキーが主。いろいろな意味で、カバードキーの方が良いと思っているのですが。3割の見栄と、7割の見栄えの良さでリングキーを使っています。インラインリングキーの楽器は、カバードやオフセットのものよりも見た目がかっこいいと思いませんか?

34.その楽器を選んだ理由は?
サンキョウ:音色が気に入ったこと。遠鳴りしそうな感じ。反応が良くてとても吹きやすく、フルートが目立ってやばい曲で、よりリスクが少なく演奏できそうだと思ったこと。
マテキ:当時は、巻き管を吹いてみたらなんと楽しいのだろうと思った。とにかく総銀で、マニアックなメーカーの楽器が欲しいと思っていた。
サンキョウシルバーソニック:フルートを始めて初めて買った楽器。それまで知人に借りていたのと同じモデルにした。ヤマハとムラマツの同クラスと吹き比べて、結局慣れている楽器になりました。
コタケ:屋外用の楽器を探していた。非常に安く売っていた。値段の割にすごく良いと思った。

35.今は買えないけどいつか欲しい憧れの楽器ってある?
今の楽器より気に入ったものに(幸いなことに)出会っていないので、今はありません。あえて言えば、オールドヘインズ、ヤマハビジュー、木管フルート、フルートマスターズの14K(←珍しく金ではお気に入り)あたりでしょうか。ばりばりに彫刻を入れてみたい、という思いはあります。パウエルとか、ナガハラ、ブランネン等の外国製は、外人とは私の体格が違いすぎるためか、私の手にはとても負えませんっていう感じです・・・
国産が一番。

36.アルトフルートとかピッコロってやったことある?あれば感想をきかせて。
あります。
ピッコロは吹奏楽でも管弦楽でも音が良く通るので、心臓を鍛えるのにはいいですね。機嫌をとるのがフルート以上に大変です。
アルトフルートは、渋い音が大きな魅力だと思います。フルートアンサンブル以外では使い道がほとんどありませんが。重いので、長時間の演奏はキツイです。

37.いきつけの楽器屋さんてある?そこのどこが気に入ってる?
サンキョウを買った、個人の修理工房。修理の腕はいいみたいです。電話予約をしておけば、その場で直してもらえるのがとてもいい。楽器を良く知らない窓口担当者を通らないで済むので、直に症状や不安(?)を伝えられるし、アドバイスももらえます。

38.メーカーさんに「お願い!こういうの作って」っていうもの(お手入れ用品や練習用のものなど)ある?
H足付フルート、譜面台、楽譜、その他財布や定期入れがぴったり入る、男性も持てるフルート用ブリーフケース。現在市販されているフルート用ブリーフケースは大きすぎるし、柔らかすぎ。内側の白いボアも、安っぽくて私的には××。
女性しか持てないデザインのものも多い。楽譜を折り曲げないと入らないものもイヤ。

39.フルートのメンテナンス、自分でどこまでできる?
注油と調節ネジ回しぐらいかなぁ。メインで使っているフルートには調節ネジがないので意味ないです。
簡単な傷とりはやることがあります。

40.もしかして改造してます?(Gisキーまげるとか)
してません。
以前Gisキーのフェルトを厚めにして、ストロークを小さくしてもらったことはあります。またヘッドキャップのローレット部分に14Kを使ったものに変えたことがありますが、しばらくしてもとの銀製に戻しました。

41.ゴールドとかプラチナってどう思う?
幸いなことに、どちらも音が好きになれません。
当分の間は、欲しいと思うことはないでしょう。よかったー!(お金がかからないから)

42.フルートってどうして横笛だと思う?
なんででしょうねえ。尺八やケーナのように縦型にすると、音が出しにくいからかな?

43.ビール瓶とかあると、つい吹いちゃう人ですか?
飲み会では「フルート吹きは、みんな3つ以上音が出せるんだよ」とか言いながら、いくつか倍音を出して喜んでいる人です。

44.あなたがフルート吹いてる時の顔ってやっぱり無表情?吹いてるときどんなこと考えてる?
どんな顔してるんでしょう? 友人が撮影したビデオがあるけど、正視できません。
吹いているときは、曲の流れやリズムを感じるようにしています。
長い休みがあるときは、一生懸命小節数を数えています。真剣に数えるほど、間違えます。
あとは、今欲しいものとか、仕事のこととか、指揮者へのぐちとか・・・・

45.フルートの運指、なんか変だと思いません?(DとかEsの左手人さし指とか)
いえいえ。いつも、なんてこんな合理的な運指なんだろう、と感心しながら吹かせていただいてます。これを発明したベームさんて、すごい天才ではないのだろうか。
ベーム式ではない楽器、トラベルソとか、エーラー式クラリネット、オーボエ等に挑戦してみてくださいせ。15分で気が狂います。

46.トリルで一番きついのって何だと思う?
薬指を使うもの。

47.あなたの音ってどんな音?
キレイな音と言われたことはあります。

48.ズバリ、あなたの理想とするフルートの音色とは?
甘い音。

49.フルートの魅力を思う存分語ってください。
やぱり音色ではないでしょうか。素朴で自然な音がでるエアリード楽器の、最進化型。
(エアリードという言葉は、なんか無理があるような気がして好きになれないなあ。)

50.最後に質問です。これからもフルートを続けますか?
いつまでもずっと、太く長く付き合っていきたいです。

質問提供>>夜希さん。ありがとうございます。

5Kヘッドキャップ

2005-06-24 | フルート本体
昨日のブログで触れた、総洋銀を使ってみた私に、楽器が調子悪そうですねと的外れではない指摘した女性。
最近、正式に我が管弦楽に入団してもらい、今のところ2ndフルートを主に吹いてもらっている。

彼女は、アル○スの総銀を使っている。
隣なので、楽器が良く見えるわけだけど。ちらっとみるとヘッドキャップの色が違う。
金色、というか、少し赤っぽいではないか。

とうとう、禁断のチューンナップ? に手を染めたのだろうか。

一時期、私も前の楽器を使っていたとき、ローレット部分に金を使ったヘッドキャップに変えてみたことがある。しばらくは気に入って使っていたのだけれど、どこかバランスが崩れた感じがしてもとの銀製に戻した経験がある。
パーツの交換は、意外にバランスが難しいように思う。

聞いてみたところ、ヘッドキャップと反射板を、S社の5Kのものに替えたそうである。
なるほど、音質も少し丸く、太くなっているではないか!
結構、うまく効果が出ているんだなぁ。


洋銀のフルートで遊んでいると、そのうち追い出されちゃうかも。怖い怖い。

激安フルートの使用感

2005-06-23 | フルート本体
使ってみました。ゲロ安フルート。管弦楽の練習で。

練習後、隣の女性が。

今日はどうしたんですか?
いつものは調子悪くなっちゃったんですか?
なんか吹きにくそうに吹いてました。

だ、そうです。ちょっとがっかり。
だいたい、吹きにくそうと言われたときはタンポの調整が悪い場合が多いみたい。もう少し吹き込んだら改めて調整に出してみよう。

他の事情を知る人にも意見を聞いてみたところ。

音がいつもより小さいみたい。
音が硬い感じ。
唄いにくそう。
(日本の曲をやったので)尺八にはあってるかもしれない。

・・・だそうだ。

やはり、価格差約30倍弱、定価差約10倍強もあるだけに壁もちゃんと存在しているようだ。
そりゃあ、そうだよね。
弘法ではないので、筆はきちんと選ばなければならない。

激安フルートゲット

2005-06-20 | フルート本体
日曜日は、上野方面へ、健康のために乗っているマウンテンバイクのステムを交換へ。私のマウンテンバイクの乗車姿勢はちょっと前傾がきついので、ステムという部品をを交換してハンドルを手前側に移動し、もう少し楽な姿勢にしたいなと。自転車のショップを覗いたら、ちょうど良いパーツがセールで半額。よしよし。交換工賃を入れても、予定よりも安くついた!


その勢いをかって御茶ノ水楽器街へ。有名な、ギターや管楽器の激戦区。
何がほしいわけではないが、たまには(いつもだけど)楽器のウインドウショッピングでもするかと。

それがなんと。とある楽器店をのぞいたところ、目を疑う激安フルート発見!
国産のコタケフルート。各1本(計2本)限定。しかも驚くなかれ、定価の約1/3!!
以前ここのブログで書いた、サクライフルート半額、を大幅に上回るド迫力。

吹奏楽では良くある屋外での演奏で、あまり心配せずに使える楽器が欲しかったことを思い出した。

楽器の仕様もどんぴしゃである。
念願の、総洋銀製銀メッキ、カバードホール、Eメカなし。
完璧である。まさに、これこそが欲しかったのである。(←単なる初心者仕様、と言ってしまえばそれまでであるが)


ショーウインドウを前にしばらくうなっていると、店員さんが寄ってきた。
早速、試奏してみる。いくら安くても、楽器として「使えない」ものでは金の無駄。
しかしここからがまた驚き。音色は、洋銀らしく明るく軽快。鳴りもばっちりで反応も早い。この反応のよさは、私のサンキョウに全く劣っていない。響きも上から下まで均質。EメカなしでもEは良く出る。とても入門モデルとは思えないぞ。むむー。

もう一本の格安品、こちらはリッププレート銀製。楽器個体の問題かもしれないけれども、この総洋銀の方が良かった。


何でこんなに安くなっているのか。おそらく、ネームバリューのないメーカーの製品は売れないのだろう。特に初心者には。サクライフルートと同じ現象か。
店頭在庫の期間が長かったらしく、楽器全体が変色している。それで、見切り処分価格となったようだ。またコタケフルートでは頭部管を削っておられた方が亡くなられたとかで、そのブランド存続自体危ういらしい。このフルートの出来のよさを思うと、とても惜しいことではある。
また店の改装が近いので在庫処分を始めているということで、そういうタイミングも良かったようだ。

今は自転車なので持って帰れないが、あとで必ず買いに来るからキープしておいてくれと言い残し、パーツ交換で運転姿勢の楽になったマウンテンバイクで帰路についた。

本日の走行距離約45km。
パーツ交換前の40kmよりもだいぶ楽になった気がする。


家について少し休憩してから、早速、今度は車に乗って御茶ノ水へ。

早速楽器を出してもらうが、実は・・・と言って、同じ仕様の楽器がもう一本出てきた。こちらはショーウインドーに展示されていたものではなく、ケースにしまってあったためか、それとも入荷が新しいためか、変色もなくピカピカ。
一本限定なんて嘘なんですねーなんていう嫌味は、もちろん言うことなく、吹かせてもらう。(この安さだったら、何本出てきても嫌味なんて言わない)

この結果、私としては変色したほうの楽器の方が、ピカピカのものよりも反応がよく吹き易いと判断。晴れて3万円を現金で出しておつりをたくさんもらい、この、変色した新品フルートが自分のものになったのであった。


帰宅して少し吹いてみたが、やはり良い、という印象。
単なる入門モデルとしておくのはもったいない。私の古いシルバーソニックより吹きやすいかも。
今度オーケストラで使ってみて、まわりの反応を見るのが楽しみになってきた。

なんとも良い買い物のできた一日であった、と思う。

フルートの造りと性能6 その他もろもろ

2005-04-26 | フルート本体
その他、つくりに関して普段から気になっていることなど。

・ポイントアーム

キーを閉めるのに、ポイントアームによって上からの力で閉まるのと、そうではないもので(名称不明)横からの力で閉まるのでは、キーの閉まり方が違うので音にも影響するという。えー! そんなに違うの? ほんとなの? と思う。
ただ、ルックスは全然ポイントアーム仕様のほうが良いので、多少ならば高くても、私はポイントアームを選ぶ。

・座

キーポストを取り付ける部分のプレート。安いものは、金属プレートそのままであるが、楽器のグレードがあがると端の部分が斜めに面取りされる。メーカーによっては、面取りが直線ではなく、柔らかなカーブを描いている。これは手間がかかりそうだ。トーンホールの逃げの部分も滑らかな曲線がつながり、よくぞここまで、とため息がでるほど手間暇かけて仕上げられてものがある。

・バリ

楽器の接合部分にはバリがある。バリ取りに手間がかかるのはわかるが、新しい楽器は痛いのでもう少し丁寧にとってほしい。

驚いたのは、トーンホールにもバリがあるということ。引き上げ加工で持ち上げられたトーンホールは、加工直後にはどうしてもきれいな平面にならないらしい。そのため、ほんの少しではあるが、トーンホールの平面を出すためにヤスリ?でなめるそうである。

その時に、バリがでる。

国産メーカーでも、トーンホールのバリがばりばりにあるものがあって驚いた。おいおいほんとかよ。ちゃんと作ってよ。そのメーカーのものは、このバリでタンポのフィッシュスキンを破ってしまうのではないか心配しなければならないほどである。購入前には是非トーンホールの内側も確認されたし。

このトーンホールのバリは、丹念に手間をかけてキサゲで削って仕上げると、タンポの閉まりがよくなり、楽器の鳴りが格段に向上するとのことである。


メッキによってもバリ状のものができるらしい。電気メッキの性質上、とがった部分にはより厚くメッキがのる。この現象によって、例えば頭部管の唄口部分に微小な見えないぐらいのバリができる?とのこと。唄口近傍にできた微小なバリ、というかでこぼこは、息の通りに予想以上に大きな影響を与えている。

この、唄口の見えない程度のバリを取り除くことによって、楽器が嘘のように軽く鳴るようになるのを実際に体験した。

恐るべし、唄口チューニング。
間違っても自分でやろうなどとは考えないように。

・巻き管

いくつかのメーカーではハンダ付けモデルのオプションとして、巻き管(シーム管、シームド管)仕様というのがある。

通常、フルートメーカーは田中貴金属からチューブ状になった銀を購入するらしいのである。
なかにはわざわざドイツの金属メーカーから、このチューブを購入するという酔狂な?日本メーカーもある。いやぁ、こういう一見つまらないこだわりってなんか共感するなあ。

この状態で納入された銀は、管体に継ぎ目はない。
シーム”レス”管とも言われる。

巻き管というのは、一枚の銀の板を、たたいて丸めてチューブにしたものである。この作業が非常に大変らしいのだが、メーカーによってそのオプション費用にいろいろあるのが不思議である。
ちなみに、巻き管では継ぎ目の部分が弱いために今のところトーンホールの引き上げ加工ができない。従って、ハンダ付けモデルしか存在しない。

この巻き管、材料の板を「たたく」という作業からか、継ぎ目があるということからか、音色や吹奏感に独特の効果がある。もともとは、ルイ・ロットなどオールド楽器への回帰から始まったもの言われる。クリアで色彩感があり、遠達性の高そうな音色は、好きでお金を出して購入する人にとって十分な満足感を与えるだろう。ただ、ほんのわずかに反応が遅くなるように思う。

私は、長く某メーカーの巻き管の楽器を使っていたが、数年前からはシームレス管の楽器(要は、普通の楽器)をメインに使っている。
私が以前習っていたフルートの師匠は、私が楽器が買うときのアドバイスとして、「予算が許せばハンダ付けが良いが、巻き管は不要」とおっしゃっていた。当時の私はそのアドバイスを半分だけ聞いた事になるが、結局それから8年以上たって、師匠のアドバイス通りの楽器を使う事になった。

だからと言って巻き管を悪いとは決して言わない。

たとえば、アキヤマフルート製のヨーロピアンオールドというモデルの巻き管仕様はとても良かった。シーム管のヨーロピアンオールドは、私にとっては??という感じであったが、巻き管モデルは「そっかぁ、私でもこんな音がでることがあるんだー」というほどの感動。これは、ちょっと古いヘインズ以来の感覚であった。そのヘインズはとてもあまーい音が良かった。これに対して巻き管のそれは、なんというか、雨後の虹のような爽やかさ。

アキヤマフルートには、巻き管というだけでなく、古いヨーロッパのスプーンを溶かして、それを広げて丸めたという、これ以上ないと思えるほどディープなものがある。

試奏の機会があったが、私には手強すぎた・・・・・・・・・・・・


・ストロビンガーパッド

ストロビンガーとか、村松の新しいタンポ。新素材が用いられている。

これを用いると、音色や吹奏感がだいぶ変わる。あの、湿ってじめじめとした音が出る、ムラマツの今はなき名器、AD。これがある日、試奏したら嘘のように明るく反応の良い音が出た。なんか妙だ。

店の人に、ムラマツって変わりましたねと言ったら、どうやら新しいタンポに変わった影響だという。賛否は両論のようだが、私は「嫌い」に一票。

私に入ってくる情報では、新しいパッドは好きでないというのが主流である。ストロビンガーパッドの普及している(?)海外ではどうなのだろうと思うのだが、どうやら外人さんは好きとか嫌いではなくて、「気にならない」のだという。

うーむ。ほんとかなー。
だって、ぜんぜん違うじゃん。

これらの新しいタンポは、デルリンや金属をサポート材に使っているので、タンポが安定して調整がやりやすいということが作り手側の利点。


ムラマツが新タンポを導入している。

ムラマツは、最高級SRモデルに調節ネジをつけてしまったり、SRをはじめとする手のかかるモデルは納期が異常に長かったりと、どうやら手間のかかるモデルを作るのが嫌いと見える。
それでもネームバリューがあるものだから、みんな愚かにも待ってしまうし、新タンポへの移行も強引に進めることができたのだろう。

まあ、製品は進歩・進化があって当然なので新タンポへの移行は悪いことではないし、もしいいものであるならば、私の楽器にも入れたいといつも思っている。


ただ、一つ気になる話を聞いた。

新タンポは調整が容易であるため、従来のフルートを調整する技術を持った職人が育たなくなるというのである。少なくともムラマツからは、世界に通じるフルートリペアマンを排出することは、今後なくなるだろう。

オールド楽器を良い状態に保つことのできるのは、今後数十年だけになるかもしれない。
もしかしたら今使っている楽器は、自分達が死ぬ頃には誰も調整できなくなっているかもしれない・・・・・

フルートの造りと性能5 造りの良さと人件費2

2005-04-24 | フルート本体
私は昔から疑問に思っているのだが、はたしてつくりがよく手間がかかっているほうが、本当に楽器としてよいのだろうか。
ここでの手間とは、トーンホールの半田付けとかそのアンダーカットのように、いかにも音に関係しそうで手間もかかる部分を言うのではない。

もちろん楽器は工芸品としても美しくあるべきであるが、もし音に関係ないのであれば、どこまで手を抜けるのであろうか。
一見音と関係なさそうな部分を美しく仕上げることが、どこまで楽器の「道具」としての良さに影響するのだろうか。


例えば、世界的に評価の高い、米国パウ○ル社のフルート。

先日、一番安い(といっても、とても高価)モデルを試奏する機会があったのだが、このとき非常に驚いた。
なんと、ノックピン(キーを連動させるためにパイプと心金を固定するピン)が上下方向共に出っ張ったままである。しかも、これが演奏中でも時々指にあたって痛い。

私が高校生の時に使っていたヤマハのピッコロは、やはりこのノックピンが出っ張ったままであった。普段は影響ないのだけれども、ドリル(マーチング)の練習で楽器を構える時に、このノックピンで指を切った覚えがある。

あぶないんだよね、ノックピンは。

ちなみに、私の使っているサンキョウは、上下ともに「ちゃんと」切られ、その存在が目立たない程度に削られている。

これは、つくり(仕上げ)ののよさは楽器のよしあしにあまり関係しない面があるだろうという一例である。
単にアメリカ人がおおざっぱなだけ、国民性の違いという言い方もできるが。


日本のフルートは、総じて上級モデルになるほどキーのつくりに手間がかかってくる。下のモデルではキーの裏側は特に何もしていないが、上級モデルではしっかりとバフがけされてきれいになっている、などである。

最高級のものでは、どうしてそこまでと思うほど細かい部分の仕上げに手間がかけられ、そしてお値段もずいぶんお高くなっているものがある。

これらの中には、必要な手間、ユーザーがうれしく感じる手間を通り越して、職人のマスターベーションの領域に踏み込んでいるものはないのだろうか。
また、本当は手間をかけてほしいのだが、どうしてもコストの問題でできないものもあるのではないだろうか。

フルートの造りと性能4 造りの良さと人件費

2005-04-22 | フルート本体
フルートの値段を決めているもので、ややこしいのが「つくり」の良さである。

メーカーによっては、銀の使用箇所(頭部管のみ銀など)が同じでスペック上同じグレードに見える楽器でも、2種類(かそれ以上)のラインアップがあることがある。

同じ頭部管銀モデルでも、例えばヤマハのように片方はやや単調なデザイン、他方は多少凝ったデザインが採用されている場合はまだわかりやすい。凝ったデザインの方が、言われてみれば高級そうな感じである。そして凝ったデザインのモデルのほうが、手間がかかっており全体に精度が高くて耐久性が良いという。その分、値段が上がっているという論法である。

まあ、あり得る。

ところがなかには、素人が見ただけは区別がつかないのに二つのモデルがあるメーカーがある。値段もそれなりに違う。なぜなんだろう。不思議に思ったので、あるところで聞いてみた。

実は、安い方は台湾製、高い方は日本製だという。
おお、なんとわかりやすい。
人件費の違いって大きいんだなあ。

じゃあ、同じ仕様で値段が違うだけなのなら、当然安いほうのモデルがいいですよね?
要するに、Made in Japan を気にするかどうかというだけの問題なんですよね?

そのように問い詰めてみた。
すると、そこには微妙に違いがあるらしい。

まず、微妙に設計が違う。たとえば、座(キーポストが立っている部分)の高さが少し違うという。よーく、よーく、目を凝らして見比べてみると、確かに台湾製のほうがびみょーに高い。そのほうが組み立て易いらしい。海外生産向きということなのか。

座の高さが違えば、当然楽器を持った感触が違うらしい。どっちが良いかは個人の好みという気がするのだが、少なくとも外人さんには全く感じない程度の違いということである。こういうことが気になる(わかる)のは日本人ぐらいだとか。

それから、台湾人の工員よりも日本人の職人の方が、愛情を持ってフルートを作るのだという。そのような事情で品質に差があってはユーザーとしては困るけれども、やはり手作りのものは日本製が一番であってほしいという願いもあって、なんとも複雑な心境ではある。


次回へ、つづく。