まちや小(ぐわあー)

その先を曲がったら何があるのだろう、どきどきしながら歩く。そして曲がってみて気がついたこと・感じたことを書く。

TPP

2015年10月17日 | Weblog

庶民には地獄へ

『TPP大筋合意:「コメ聖域」何だった…農家困惑

毎日新聞 2015年10月06日 01時15分(最終更新 10月06日 21時06分)安倍晋三首相の交渉参加表明から約2年7カ月。日米など12カ国間で貿易や投資を高い水準で自由化する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が、各国の利害を巡る攻防の末、大筋合意に至った。「輸入品が安くなる」「農家が受ける打撃は大きい」。暮らしに大きく影響する可能性が高い枠組みに、期待と不安、困惑が交錯した。

「『農産物、特にコメには手をつけない』とした国会決議は何だったのか」。宇都宮市今里町で水稲を12ヘクタール、イチゴを42アール作付けする手塚安則さん(60)は憤る。全国的に豊作だった昨年は、栃木県産コシヒカリ(1等)の農家に仮払いされる「概算金」(60キロ当たり)は8000円と史上最低。コメ余り状況が続く中、「コメは聖域」と繰り返す地元の自民党議員らに期待を寄せてきたが、「輸入米がこれ以上増えると、さらに価格低下は避けられない」と懸念する。

秋田市の5ヘクタールで「あきたこまち」と備蓄米を生産する鈴木万喜夫さん(66)も「国内農業を成長分野にするという政府の主張はうそっぱち。国会での批准など手続きはまだ残っている。これからもデモや集会で反対を訴え続けたい」と話す。

北海道旭川市の米農家、谷口裕次さん(44)も落胆を隠さない。

国による生産調整(減反)に振り回されながら、父から受け継いだ8.5ヘクタールに加え、他に15ヘクタールを借り、今後も新たに4ヘクタールを追加する予定だ。だが、分散した水田で草刈りや農機を運ぶ手間も増え、産地交付金などの補助金で何とかやり繰りしているのが実態。「規模の拡大にも限界がある」と嘆く。

一方、自ら減反の枠外で作ったコメの輸出を手掛ける長野県東御市の農家、笹平達也さん(39)は「TPPで国内価格が下がれば、需要が高い海外への輸出を考える農家が増える可能性もある」と見る。輸出は国内需要が頭打ちになる中、新しい販路として2013年から手探りで始め、昨年は約160トンを豪州などに輸出した。

ただ、3年後に決まった減反政策の廃止で、今後、転作補助金の見直しなども行われれば、経営環境はさらに激変する恐れもある。「米価は国の政策に翻弄(ほんろう)されてきたが、10年先が見通せなければ、投資や人を雇うこともできない。ぶれない長期的なビジョンを示してほしい」と注文する。

◇外食「コスト面プラス」

TPP大筋合意により、輸入食材の国内での利用が一層拡大しそうだ。外食チェーン関係者からは歓迎の声が聞かれる一方、慎重な受け止めもある。

 異物混入問題などで業績不振に苦しむ日本マクドナルドホールディングス。TPP交渉に参加している豪州とニュージーランドから牛肉を輸入しており、「コスト面でプラスになることは確か。悪いニュースではない」(広報担当者)。ただし、店舗で出すメニューのうち、牛肉は原材料の一部。広報担当者は「為替や原材料価格の動きは大きく、TPPでどこまで良い影響があるか、まだ見えない」と慎重な見方も示す。

 同じく、低価格が売りの牛丼。大手牛丼チェーンの牛肉仕入れ担当を務めた経験がある動畜産物輸出入検疫協会の多賀谷保治事務局長(66)は「関税が下がると言うが、1年あたりの下げ幅が小さい」として、価格面への効果がすぐに広がる可能性は低いとみる。「中国の需要増で牛肉の価格そのものが上がっている。結局、国内の牛丼価格はトータルで少し下がれば……というところではないか」【川畑さおり】

◇自動車関連「チャンス」

将来的な関税撤廃で合意した自動車部品業界では、輸出拡大の期待が高まる。ただ、効果の波及に慎重な見方もある。

名古屋市港区で約30人の従業員と自動車エンジン関連の金属部品を作る「光源鉄工所」の原久由(ひさよし)社長は「製品の競争力が少しでも高まればありがたいことだ」と歓迎する。大手メーカーの海外拠点に輸出する部品もあり、「TPPのおかげで、納入するチャンスは広がる」と期待を寄せる。

ただ「経営はいつも厳しい」といい、20年以上経過した設備を更新する予定もない。「国が守ってきた農業と違い、常に厳しい競争にさらされてきた」と話し、浮かれた様子はない。』

※大企業には天国へ。これがこの国の、安部のやり方。


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