goo blog サービス終了のお知らせ 

まちや小(ぐわあー)

その先を曲がったら何があるのだろう、どきどきしながら歩く。そして曲がってみて気がついたこと・感じたことを書く。

霞ヶ浦導水事業

2014年07月19日 | 公共工事

意味も、意義もない事業の典型がこれ!

『嶋津です。

 
那珂川関係の漁協が霞ケ浦導水事業の差止めを求めた裁判で昨日、水戸地裁で原告側証人4人の証言が行われました。
 
石嶋久男さん(魚類研究家)は那珂川からの取水が行われば、那珂川のアユ漁業が致命的な打撃を受けること、
 
浜田篤信さん(元・茨城県内水面試験場長)は那珂川からの取水が那珂川および涸沼のシジミ漁に多大な影響を与えること、、
 
高村義親さん(茨城大学名誉教授)は、導水事業の三目的のうちの一つ、「利根川と那珂川からの導水による霞ケ浦の水質改善」が虚構であることを証言しました。
 
私は主に次の二点について証言しました。
 
一つは霞ケ浦導水事業の施設が完成しても、導水事業の三目的のうちの二つ、「都市用水の開発」と「利根川と那珂川の渇水時の補給」は機能不全になることです。
 
「都市用水の開発」と「利根川と那珂川の渇水時の補給」は、霞ケ浦を経由して利根川と那珂川の間で水を融通することを前提としているのですが、
 
利根川、那珂川と比べて、霞ケ浦の水質が劣悪であるため、霞ケ浦の水を利根川や那珂川に入れることができません。また霞ケ浦は水質改善の兆しが見えないので、今後とも導水できない状態が続くことは必至です。
 
霞ケ浦と利根川を結ぶ利根導水路は20年近く前にできているのですが、導水すると、漁業被害を起こす恐れがあるため、今までたった5日間しか開けることができませんでした。それもわずかな導水量でした。
 
もう一つは霞ケ浦導水事業の利水予定者は茨城県、千葉県、東京都、埼玉県の水道、工業用水道と、多岐にわたっているのですが、いずれも水余り現象で、霞ケ浦導水事業による新規水源を必要としていないことです。
 
今回、私が提出した意見書と、証言に使ったスライド(説明の文章を加筆)を水源連ホームページhttp://suigenren.jp/news/2014/07/19/6060/に掲載しましたので、興味がある方はご覧いただければと思います。
 
 
今後は9月5日に証人尋問が行われ、12月19日に結審する予定になっています。
 
9月5日の証人は国交省関東地方整備局の管理職と、国交省側の専門家です。
 
 
霞ケ浦導水事業もまた、まったく意味がない、巨額の公費(1900億円)を浪費するだけのばかばかしい事業ですので、何とか中止に追い込みたいものです。
 
※これも、「税金の無駄遣い!」。

原発はいらない!

2014年06月03日 | 公共工事
その通り。

『原発時代は終わったのではないか

                        エネルギー政策を揺さぶる5.21大飯判決

・5.21衝撃の判決

歴史的な出来事が起こった。2014年5月21日、福井地裁は、関西電力大飯原発3、4号機について、運転してはならない、という命令を下したのである。日本のエネルギー政策を根本から揺さぶるほどの大きな判決である。関西電力はこの判決を不服として翌22日に控訴した。しかし、仮に、上級審で判決が覆ることがあったとしても、かなり時間がかかるだろう。

筆者は、太陽光発電を基幹電源として推進しようとしている。温暖化対策のためのCO2削減が主たる目的だ。

一方、原発に関しては「慎重派」。すなわち、長期的には廃止するべきだが、即時撤廃は現実的でないという考えだ。具体的に言えば、2030年時点で、日本の総発電量の10%程度を原発で賄うのが適正なレベルだと想定している。そのためには、現存する50基のうち、常時10基程度を稼働させる必要がある。新規建設はしない。

これが筆者の基本構想だったのだが、今回の命令で状況は大きく変わった。すこし、先走って考えてみれば、これで、日本の原発が終わるかも知れないのである。

大飯原発は「最後の稼働」か

大飯原発は、福井県大飯郡おおい町にある。その3、4号機は、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに日本国内の全原発が停止して以降、初めて再稼働した原発である。

3.11以降の稼働については、北海道電力の泊原発3号機が、震災から5カ月後の2011年8月に稼働しているが、これは、以前から試験運転中だったものを営業運転に移行しただけ。したがって、本来の意味での再稼働は、大飯が最初であった。

2012年7月5日に大飯3号機が、同21日には4号機が発送電を開始した。しかし、その後再稼働した原発はなく、これら2基も、2013年9月2日に3号機が、15日には4号機も定期検査のため停止、再び日本国内における原発の稼働は停止され、現在に至っている。

もし、今後日本のどの原発も再稼働しない、という事態になれば、大飯3、4号機は、「日本で最後に稼働した原発」になる。

・危険な原発銀座

大飯原発のある若狭湾は、日本の原発銀座。商用炉だけでも、東から、日本原電の敦賀1、2、関電美浜1、2、3、関電大飯1、2、3、4、関電高浜1、2、3、4の合計13基。これに、「もんじゅ」(日本原子力研究開発機構の高速増殖炉)を加えると全部で14基に上る。さらには、現在廃炉作業中の「ふげん」もある。日本で最大の原発密集地帯である。

この密集地帯は、また、危険地帯でもある。若狭湾は、天正地震の津波で大きな被害が出たことが明らかになっている。しかも、大飯1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る破砕帯が活断層である可能性が指摘されたことがある(その後、規制委員会の調査チームにより活断層でないとの判断がなされた)。

大飯発電所で想定される地震の強さは700ガル、津波の高さは1.66mから1.86m。今回の判決では、大地震が来た時に原発の冷却機能が維持できるかどうかについて検討。2005年以降、安全対策の基準となる「基準地震動」を超える大きさの地震が東日本大震災を含めて5回原発を襲ったことを指摘し、大飯原発の基準地震動を700ガルとした関電の想定を「信頼に値する根拠はない」とした。

関電は、基準地震動の1.8倍にあたる1260ガルに達しない限りメルトダウンには至らないと主張したが、地裁は1260ガルの揺れを上回る地震が起こりうると判断。また、700ガルから1260ガルの揺れでも過酷事故につながる危険があると指摘し、「その規模の内陸地殻内地震は大飯原発で起きる危険がある」と退けた。

・京都まで50km、大阪まで80km

この裁判では、福井県民ら計189人が原告となっていた。判決は、福島第一原発の使用済み核燃料プールをめぐるトラブルで250km圏内の住民の避難が検討されたことを踏まえ、大飯原発から250km圏内に住む原告166人について差し止め請求を認めた。

福島第一の事故では、220kmほど離れた東京でも多くのホットスポットが確認された。また、約150km離れた奥日光・中禅寺湖(栃木県)などでは、ヒメマス、ニジマスなどの川魚に基準を超える汚染が確認されている。

このように、150km、200kmの距離でも危ないのに、大飯原発から京都までわずか50km、大阪まで80km余りである。福島事故での汚染の広がりから考えると、京都、大阪も「地元」である。事故が起こった場合の影響は福島第一の比ではない。

大飯原発3、4号機は、現在、新規制基準に基づく原子力規制委員会の再稼働に向けた審査を受けている。しかし、先行する川内(鹿児島県)や伊方(愛媛県)と違って、まだ再稼働に向けた具体的なスケジュールはできていない。今回の判決で、再稼働がさらに遠のくことは間違いない。

より重要なのは、今回の判決の他の原発への影響である。特に、夏の終わりごろに再稼働を目指す九電の川内原発の先行きが不透明になってきた。

・安全性の欠陥は「人権侵害の可能性」

「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然」。今回の福井地裁の判決文は、原発慎重派の筆者から見ても、かなり思い切った表現になっていると感じる。だから、推進派の人たちにとっては、衝撃的なものだったはずだ。

福島第一原発事故を踏まえ、樋口英明裁判長は「生存を基礎とする人格権は憲法上の権利であり、法分野において最高の価値を持つ」と述べ、差し止めの判断基準として「新規制基準への適否ではなく、福島事故のような事態を招く具体的な危険性があるか」を挙げた。新基準とは独立して、司法の判断がなされたこと、しかも、その根拠を「人権侵害の可能性」としたことが画期的である。

そのため、仮に、規制委員会が「新基準に適合している」と判断した場合でも、それが、そのまま再稼働のお墨付きとはならなくなった。

また、使用済み核燃料を貯蔵するプールについても、樋口裁判長は福島第一原発事故で建屋の壁が吹き飛ぶなどして、周辺住民の避難が計画されたことを指摘。「使用済み核燃料も原子炉格納容器と同様に堅固な施設によって囲われてこそ初めて万全の措置と言える」と、関電の対応の不十分さを批判した。

この批判は、全国のほとんどの原発に当てはまるので、この判決の影響は、大飯だけではなく、他の多くの原発にも及ぶはずだ。

実際、原発差し止め裁判を支援する弁護士らで作る「脱原発弁護団全国連絡会」は5月22日、「判決は、大飯原発3、4号機に限らず、原発が抱える本質的な危険性を認めた」などとする見解を示した。

・川内、今夏の稼働は困難に

大飯判決の影響はすでに表れている。川内原発の操業停止を求めて国などと裁判で争っている原告団らが「意義は極めて大きい」とする声明を発表した。川内原発を巡っては県内外のおよそ2200人の原告団が操業停止を求めて国や九州電力と裁判で争っている。

川内原発は、原子力規制委員会の審査が最も進んでおり、今年夏の終わりごろの再稼働を目指しているのだが、運転差し止めを訴えて裁判を起こしている「原発なくそう!九州川内訴訟」の森雅美弁護団長は「原発の危険性を指摘した判決の論理は川内原発にも十分当てはまる」と期待を示した。


実際、川内原発1、2号機の審査が、大詰めの段階に入って足踏みしている。規制委から求められている基本設計・方針に関する申請の再補正について、同社幹部は5月27日の会合で「今月末を目標にしていたが、もう少し時間がかかる」と発言。今後の手続きを考慮すると、この夏の再稼働は困難な情勢となった。前後関係から推測すると、大飯判決が影響していると考えるのが自然だ。

原子力規制委は今年3月、川内1、2号を新規制基準に基づく適合性審査における「優先審査」の対象に選定。昨年7月に始まった審査会合での指摘を踏まえ、九電は4月末に基本設計・方針にかかる「設置変更許可」の補正を申請した。ところが、規制委は今年5月8日の会合で、同補正に5月中に予定されていた再補正の提出が6月にずれ込めば、予定は1カ月遅れることになる。したがって、当初8月と想定されていた再稼働は、早くても9月まで延期されることになる。つまり、夏の再稼働は困難な情勢となったのだ。九電の山元春義副社長も、5月16日、薩摩川内市議会で夏の再稼働は厳しいとの見解を示している。

・原発時代の終わりの始まりか

筆者は、川内の再稼働は秋からさらに延期される可能性があると見る。具体的には、再稼働に向けた意見募集や地元自治体の同意を得る段階で、大飯判決の影響が表面化すると想定している。しかも、夏の電力ピークを過ぎてしまえば、再稼働の必要性も薄れる。

影響は川内だけに留まらない。四国電力の千葉昭社長は5月28日の定例会見で、安全審査が進められている伊方原発3号機の再稼働について、基準地震動に関する説明が終了していないことから「当初の願望より相当後ろにずれ込まざる得ない」との認識を示した。

川内も「その次」と目される伊方も「延期やむなし」とのムードが広がっている印象だ。大飯判決の影響は非常に深く幅広い。

さらには、福島事故が収束からほど遠い現実も影を落とす。際限なく増える汚染水は制御されておらず、汚染廃棄物の処分場決定も難航している。国民が福島の状況に対してある程度の安堵感を持つまでは再稼働への機運は盛り上がらないのではないか。しかも、そういう時期が数年内に訪れるとは考えにくい。

日本の原発の歴史が終わるのか。あるいは、すでに終わっているのかも知れない。 』

※人の命(安全)と、金(天下り・票・献金)を天秤にかけてはいけない!

公共事業

2014年05月25日 | 公共工事
ないものねだりで、いろんなものを造ってきた。だが、それで「自治体」がよくなった例はない!

『どぶにお金を捨てるがごときもので、やってもやっても地域はよくならない。それはね、地域社会にあまりに負の要因が渦巻いており、負の中にいくら投資しても相殺されるだけだ。まずは負の要因を取り払おう、引き算しようというのが僕の考えていることだ。岡田文淑』

※この言葉の通り!

国立霞ヶ丘陸上競技場

2014年05月08日 | 公共工事
これ、通称、「国立競技場」。

『VIPエリアだらけ! 「新国立競技場」の過剰なおもてなし

                      フィールド面積に匹敵/(C)日刊ゲンダイ
 
いくら世界に「おもてなし」を約束したとはいえ、チョットやりすぎだろう。6年後の東京五輪に向け、約1700億円の巨額予算を投じて建て替えられる「新国立競技場」。著名な建築家らも「8万人収容の巨大スタジアムが本当に必要なのか」と疑問を投げかけているが、過剰な「おもてなしスペース」が設計に盛り込まれていた。

事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)がまとめた基本設計条件案によると、新競技場の貴賓室や併設するラウンジなど「ホスピタリティー施設」に充てられる面積は2万420平方メートル。その広さは総延べ床面積(22万4950平方メートル)の1割を占め、競技フィールド(2万2000平方メートル)に匹敵する。

ホスピタリティー施設の面積の内訳は別表の通り。数字だけではピンとこないかも知れないが、世界のトップアスリートが躍動するフィールドとほぼ同じスペースが、各国VIPへの「おもてなし」に使われることを想像して欲しい。いかに破格の広さかは既存の競技場と比較しても分かる。

福岡の「ヤフオク!ドーム」の左右両翼には、バルコニーシート付きで国内最大級の貴賓室「スーパーボックス」(136室)がある。その総床面積は約7500平方メートルで、フィールド面積(約1万3500平方メートル)の半分程度だ。国内最大のサッカー専用競技場で02年の日韓W杯の会場となった「埼玉スタジアム」。ラウンジ併設のVIP席やレセプションホールなど「ホスピタリティー施設」の総床面積は約2000平方メートルで、こちらはフィールド面積(1万1230平方メートル)の2割以下である。

■富裕層のための大会に

JSCは「ホスピタリティー施設はFIFAのスタジアム規定にも盛り込まれており、世界規模の大会を開催するためにも必要」(新競技場設置本部)と説明するが、そのFIFA規定はホスピタリティー施設の広さの基準までは定めていない。

広大なVIPエリアは五輪開催国の見えっ張りでしかないのだが、「世界水準のおもてなしを実現するには、この広さが必要」(同)と、JSCに設計を見直す考えはない。

ちなみに、VIP向けの観戦ボックスは「6400席以上は確保する予定」(同)とのこと。残る7万3600人分の一般向け観戦席のスペースは4万4000平方メートル。1人あたり約60平方センチメートルに押し込められる計算だ。

すし詰め状態の一般人を尻目に、VIPは悠々観戦。この調子だと、6年後は1%の富裕層のための五輪となる。』

※で、改修。その目的は「ばらまき」ってこと。

音楽スタジオ?

2014年04月03日 | 公共工事
また、「グランドピアノ(フル?、ハーフ?)がある音楽ホール」

これ、防災アリーナの中に造るという。

防災アリーナは、「文化(スポーツ)施設?」

これ、なんとも!

※メインアリーナのキャパは2000。で、ステージと、ステージのバックヤード的なスペースを考えると、この大きさ(広さ)ではまともなコンサートは出来ない!

陸前高田

2014年03月21日 | 公共工事
120億もの税金を!

『設置費120億円 陸前高田にできた“巨大コースター”の正体- 日刊ゲンダイ(2014年3月21日10時26分)

「奇跡の一本松」で知られる岩手県陸前高田市の河口部に、ジェットコースターのようなベルトコンベヤーを使用すべく、巨大橋梁が完成しようとしている。高台移転(宅地造成)事業で使う土砂を運ぶためのもので、設置費は120億円。市が事業施行者で、事業受注者・工事発注者のURが清水や西松などのゼネコンに発注し、24日から稼働する予定だ。

そのスケールは圧巻なのだが、陸前高田市の被災者・菅野明宏氏はこう首をかしげている。

■ゼネコンのためのベルトコンベヤー土砂運搬

「市やURは<トラックで運ぶと、10年かかる。期間短縮のためにベルトコンベヤーが必要>と説明していますが、入札不調で立場が強くなったゼネコンのための税金投入といえます。そもそも市の高台移転事業は、<大規模すぎる>と問題視されていました。盛り土の高さが当初の約5メートルが2倍以上の12.5メートルになり、莫大な土砂が必要になったのです」

菅野氏の入手資料によると、造成予定地の近くの山を削った土砂が330万立方メートル、少し離れた今泉地区から出る土砂が450万立方メートルで、ベルトコンベヤーで運ぶのは後者の方だ。

「民間企業であれば、近くの山の土砂を基本的に使い、今泉地区の土砂使用量を減らすべく計画縮小をするのが普通。それなのに陸前高田市は過大な計画を縮小しないまま、120億円を投じて宅地造成を進めようとしている。しかも盛り土の高さが倍増したことで、地震による液状化のリスクも高まった。被災者のためというより、<ゼネコンのための高台移転事業>と疑われても仕方がありません」(菅野氏)

ゼネコンに至れり尽くせりとなる背景に、入札不調がある。資材や人手を握っているゼネコンに逃げられたらお手上げだから、機嫌を損ねたくないのである。ちなみに陸前高田市の入札不調は、今年度(平成25年度)は132件中23件で「17.4%」。増加傾向にある。

「問題はそれだけではありません。被災地では<盛り土に家を建てるのは避ける>という鉄則が守られていません。液状化を避けるためには、ディズニーランドのように十分な地盤改良をする必要がありますが、発注者のURは地盤改良の内容・予算を明らかにしていないのです」(地元関係者)

ジェットコースターを使った大規模宅地造成は早急に見直すべきだ。』

※これ、業者のためで、住民のためではない!

防潮堤

2014年03月20日 | 公共工事
というなの、「公共事業」。

『「万里の堤防」防潮堤事業 いくらでもカネ出る打出の小槌

被災地で一番進んでいる工事は「防潮堤」だ。住民の反対・困惑をよそに膨大な予算がつき、東北の海岸には次々にコンクリートが流し込まれている。街も道もなく人もいない荒野を見下ろす巨大な壁が守るのは、カネに群がる政治家と役人ではないのか。ジャーナリストの武冨薫氏が被災地の実情をレポートする。

津波で大きな被害を受けた気仙沼市本吉町の海岸では、雪が舞う中、わずかに残った松の隣で大型ショベルカーが唸りを上げて砂浜を掘り起こし、高さ約10mの長大な防潮堤の建設が進んでいる。

岩手・宮城・福島3県の沿岸を総延長400km近くにわたってコンクリート堤防で覆う総事業費約8500億円の“万里の堤防”計画だ。

宮城県内で最も高い14.7mが建設される本吉町小泉地区は家も道路も津波に流され、高台移転が決まっているため住民はいない。松島湾では「農地保護」を名目に20億円かけて無人島の耕作放棄地まで防潮堤で囲われる計画だ。

一体、何を守るための堤防なのか。各地の住民からは防潮堤建設への疑問の声が上がっている。一部で高さが見直されているものの、基本的には国も自治体も計画をゴリ推しする姿勢だ。

被災地の防潮堤は国が方針を決め、「海岸管理者」=県(一部は市町村)が計画を決めることになっている。それを国が査定し、予算は97~98%(地域によっては100%)国が負担する。

震災後、政府は国土交通省と農林水産省の課長通知(2011年7月)で、復旧・建設する防潮堤を明治三陸沖地震など「レベル1」(L1)と呼ばれる「数十年から百数十年に1度」の規模の津波を防ぐ高さにする基準を定めた。

例えば、気仙沼湾の奥に位置する鮪立(しびたち)地区では町史に明治三陸沖津波の高さが4mと記録されている。だが、県の担当者が説明会で示した防潮堤は2倍以上の9.9m。 「5mで十分」という住民たちの声に、県側は、「L1の津波を想定したシミュレーションの結果だ」と押し切った。


宮城県の村井嘉浩知事も会見で各地の住民の要望に対しこう強調した。

「住民の皆さんが『この高さがいい』と言っても、どう考えても命を守れない場合は、分かりましたとは言えない」

さる2月15日には“ハイテク堤防”の建設も決まった。宮城県の気仙沼湾内湾地区では4.1mのコンクリート堤防の上に、津波の際には水圧で高さ1mの鋼鉄製の扉が自動的に立ち上がる「フラップゲート」を付ける仕組みを採用することになった。堤防の内側は2.8m盛り土されるため、見かけの防潮堤高は胸の高さほどの1.3mになる。フラップゲートの工事費は1mあたり約250万円とコンクリートの25倍になる。

防潮堤事業は「命を守るため」と言えば、いくらでもカネを使える打出の小槌なのだ。  東京大学生産技術研究所の太田浩史講師(都市再生学)は「防潮堤ありき」の復興事業をこう批判する。

「津波防災には、高台移転や防災道路などいろいろな方法がある。防潮堤はあくまで選択肢のひとつ。本来なら各地で防災計画、避難計画を先に策定すべきだったのに、国の中央防災会議は3.11の直後(2011年6月)に防潮堤建設を提言し、震災から半年後には各地で建設計画がまとめられた。

急いで決めたからシミュレーションは粗いし、高さの根拠も不十分。自治体は防潮堤建設を前提に災害危険区域を指定したから、高さを変更すると防災計画全体を見直さなければならない。だから頑なに計画の高さを変えようとしない」

SAPIO2014年4月号』

※これ、税金の無駄遣いの極み!

防潮堤

2014年03月18日 | 公共工事
いらないものはいらない!

『防潮堤建設に高まる批判の声「不必要な場所に…、地盤沈下の可能性も」

                     SPA! 2014年3月14日 09時09分 (2014年3月17日 16時10分 更新)

気仙沼市で建設が始まった防潮堤。海岸を広くコンクリートで覆ってしまうので、景観を壊すだけでなく、漁業や生態系への影響が懸念されている

安倍晋三首相は3月10日・12日の参議院予算委員会で、防潮堤建設の見直しに理解を示す答弁を行った。防潮堤見直しに積極的に取り組んでいる安倍昭恵首相夫人の存在が、首相の答弁に影響したのだろうか。

2月6日、防潮堤見直し派の住民は気仙沼市本吉町野々下に建設中の巨大防潮堤に昭恵夫人を案内した。海岸にそびえ立つ高さ10mの防潮堤を見たとたん、昭恵夫人は「これはないですね!」と思わず叫んだと述べている。同行した気仙沼市の漁師はこう話す。

「この地区は工事が始まった時期が早く、防潮堤が海岸を破壊している現場を目の当たりにできるんです。この防潮堤は誰も人が住んでいないところに建設されていて、守るものといえば海岸林や畑ぐらいしかない。建設予定地周辺からは、『俺たちは仕事だからやっているけれど、防潮堤で何を守るのかね』と首を傾げています。この工事は、建設業者や地主のためのものとしか思えません。三陸海岸の美しい景観を壊すだけでなく、海と陸が分断されることで漁業への悪影響もあるでしょう」

 防潮堤見直し派は、’13年9月の防潮堤シンポジウムに参加した昭恵夫人に防潮堤のさまざまな問題について説明、それをきっかけに意気投合した。今年2月7日に気仙沼市の防潮堤見直し派が主催したシンポジウム「東北の美しい未来を考えるフォーラムin気仙沼」にも昭恵夫人は来賓として出席。そこでは高校生を含む住民150人から「気仙沼は海とともに生きてきた。高すぎる防潮堤はその生き方を変えてしまう」「海の見えない気仙沼は想像できない。森の養分が海へ流れなくならないか不安」といった声が噴出した。それを受けて、昭恵夫人は「行政の施策に魅力がないと若い人が離れてしまう。見直すべきところはあるので主人にも伝えたい」と発言していたのだ。

「防潮堤についてマジメに考え、覚悟を持って取り組んでいる人は昭恵さん以外、僕は知りません。何人もの偉い人たちが被災地の視察に来て防潮堤問題に理解を示してくれましたが、具体的な動きにつながるわけではありませんでした。『被災地のために頑張っています』との自己アピールにすぎなかった。それに比べて昭恵さんは何度も足を運びながら、防潮堤問題のシンポを主催したり、自民党環境部会など公の場で見直し発言をしたり、積極的に行動しています」(気仙沼市の若手漁師)

気仙沼市でまちづくり活動をしている若者は、「拙速な防潮堤の建設には、奥尻島(北海道)の教訓がまったく活かされていない」と語る。…

気仙沼市で建設が始まった防潮堤。海岸を広くコンクリートで覆ってしまうので、景観を壊すだけでなく、漁業や生態系への影響が懸念されている

「’93年の北海道南西沖地震で津波の被害を受けた奥尻島に視察に行くと、地元の方が『防潮堤建設はいちばん後で良かった』と悔やんでいました。奥尻島には巨大防潮堤ができたのですが、地域振興策が後回しになって、人口減少に歯止めがかからなかった。三陸沿岸の被災地も同じ失敗を繰り返そうとしています」

防潮堤建設にはさらなるリスクもある。陸前高田市の防潮堤予定地である高田松原海岸は、広田湾奥に流れ込む気仙川が運ぶ土砂で出来た干潟で、数十mの軟弱地盤となっている。その上に重量のある防潮堤を作ることから「豆腐の上に針を突き刺すようなもの」(防潮堤見直し派)で、地盤沈下の危険性があるという。軟弱地盤を固めるために立板を打ち込むなどの地盤改良が不可欠で、工事費が予定よりも大幅に増える事態は十分に考えられる。

防潮堤建設が高台移転をする住民の安全を脅かす危険性もある。米崎小学校仮設住宅の自治会長の佐藤一男さんは、こんな警告を発する。

「高田松原海岸の軟弱地盤には防潮堤を支えるために干潟に立て板を打ち込むことになっていますが、その結果、地下水(伏流水)の流れが止まり、一帯が沼地のようになる恐れがあります。高台の盛り土部分が土砂崩れをしたり、地震で被害を受けた千葉県浦安と同様、宅地が液状化する危険性があると考えられます。このことを市の担当者に言っても『国が認めたから』『液状化に関するデータはない』などと言って、まともに検証しようとしていません」(佐藤氏)

仮設住宅暮らしを終えた被災者がようやく建てた新居が、地震で液状化の被害を受ける――こんな事態は何としても避けなければならない。』

※自然の猛威を防潮堤という力で抑え込むことは出来ない!

防災

2014年03月17日 | 公共工事
ではなく、「スポーツ」&使えない「文化施設」に。

これ、「防災施設」という名で計画し、アンケートなどで回答を誘導し、「スポーツ」メインの施設になるという。

まあ、これ、「まやかし」。