なるほどなあ、
今、私は解体中なのかもしれない。
開祖の『宗教・密教超能力の秘密』の中で、
いも虫から蝶に変身する、
前段階としての蛹(さなぎ)になる話があります。
「外形的には、あたかも休眠的な状態に入っていくのだが、
その虫体の内部では、前胸腺と呼ばれるところから分泌される
〈前胸腺ホルモン〉が活性化されて、あの特異な形状のさなぎになる。
そうすると、それまでの特有な幼虫の形態は、
急速に細胞レベルにまで解体して、液状にまで達するといわれている。」
「他方、この幼虫器官の解体化がスタートするのにひきつづいて、
それまでの幼虫の体内の各所に、一群の細胞の小さな塊りの形をとって、
休眠状細胞分裂をくりかえして、
やがて、成虫器官となるべき細胞粒の(成虫原基)の活動が、
解体した幼虫器官の栄養を摂取して、強力に開拓されてゆくのである。」
「以上は〈完全変態〉をとる昆虫の変態形態を、質的飛躍を含んだ
歴史的過程の、典型的な例である」としている。
何かわかりにくい文章だとおもわれるが、
要は、因縁解脱の修行過程において、
同様の《解体》が行われるのだと言いたいのです。
つまり、
因縁の洗い出し現象が起きたあと、
人格崩壊のようなプロセスが起きるのだと、
私は感じているのです。
つまり、それまで自分の持っていた自我観が崩壊して、
それまでのプライドなんかも何もかも、雲霧消散してしまうような
プロセスに組み込まれる。
そうすると、
それまでに持っていた、
社会参加の意欲なども無くなってしまう。
だが、
そこで止めてしまうと、本当にその人は世捨て人になって、
人生を終えてしまう。
だから、
そこからもう一度立ちあがる勇気が、やる気が必要になる。
もう一度、意欲を持って人生に立ち向かう、
社会へと切り込んでいく。
そういう気力と創造が必要なのである。
そこを越えていくと、
次の段階が待っているのだ。
そうやって、
私たちは、芋虫から蛹の段階を踏んでいるようではないか。
シュダオン⇒シダゴン⇒アナゴン
そして最終段階のとしてのアラハン(仏陀)。
だから、どんな苦しいことがあっても、
私たちは決してあきらめてはいけない。
私たちは偉大なる師に守られている!
ご本尊に守護されている!
それを確信して、未来に邁進しようではないか。
だから、
まず《解体!》解体だ。
空を華麗に飛ぶ蝶も、
元は地を這うみにくい芋虫だったのだ。
ホトケも元は凡夫だったのである。
そして、みごとに変身した。
芋虫は見事に変身して、蝶になったのである。
それを確信しよう。