今宵の一枚は本田竹廣のI love you。録音は1971年4月30日、レーベルはトリオ。ちなみに録音エンジニアは菅野沖彦、言わずと知れたオーディオ評論家。彼の本業は?はレコード会社(オーディオラボ)の社長兼録音エンジニアである。当然ながら、音は抜群。さすがだ。
日本のpianistで一番好きな人が本田竹廣。とにかくpowerfulで元気、音が明るい。一音一音が明確で流れるが如くの演奏であり、しかもリリカル。ダイナミックでスケールの大きさは日本人離れしていて気持ちが良いくらいだ。ちょっと硬質な響きもないではないが、まったくにならない。全体にアップテンポな演奏でグイグイと引き込まれる。
bassが鈴木良雄、よく唄うbassで心地よい。村上寛のdrumsはサポートに徹する感じ。ハイハットの余韻が綺麗だ。
驚くべきはclearな音であること。スッキリクッキリなのだ。菅野録音は「The dialog」しか持っていなにだが、ずいぶんと印象が違う。とはいっても、20年ぐらい聴いていないから定かではないが。音像は非常に明確で左右奥行への広がりが素晴らしい。楽器の分離が半端なくそれがゆえか、音が重なっても混濁せず見事なハーモニーとなる。彼の録音の特徴は一発録り、マイクの数を極力減らし録音したら一切弄らない、とのこと。余計なテクニックを駆使した録音に比べ、嫌みがない。この辺りがスッキリ、クッキリ感に繋がっているのかもしれない。
liner notesとレコード盤で曲順が違うなぁ。なんで。?
side A
1.I love you
2.Here's that rainy day
side B
1.Sunny
2.Willow weep for me
3.Autumn leaves
(personnel)
本田竹廣(piano)
鈴木良雄(bass)
村上寛(drums)